大阪道修町少彦名神社

露天商、いわゆるテキヤさんのことを神農さんと呼ぶことがあるけれど、これは近世以降医薬品や香具を売り歩いた香具師(ヤシ)の時代からつづく神農信仰にまつわるものだそうで、いわゆる職能神。
大工さんが聖徳太子を信仰するのと同じようなことですな。

神農とは中国由来の神様で、人身牛頭、手には草木を持ち獣の皮を着、みずから草木を食んでその効能をためしたといわれる。

そんな神農をまつってあるのが大阪道修町に鎮座する少彦名(すくなひこな)神社

医薬品、とくに漢方薬をあつかう業者も神農を祀るということもあって神社のまわりは製薬会社のオフィスばかり。
年中行事である薬祖講は市の無形文化財に指定されているのに、東京湯島聖堂にある神農廟はほとんどかえりみられないとか。

博徒の任侠道に対応するようにテキヤさんのほうではダイメの代わりに神農をまつって、神農道に邁進します、と誓いをたてるのだそうで、信仰というより生活規範に近いようなものなのかもしれない。

ちなみに、神社のあちこちにトラがいるのは昔日本でコレラが流行ったころ、丸薬を張子の虎とともに配ったことに起因するのだとか。かわいい。

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