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『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の理解を助けた作品4選


『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』がアマゾンプライムで見放題になる。

自分が観たのはもう1年以上前にもなるのか。早いものである。

難しいTV版、分かりやすい劇場版

TVアニメ版の『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は難しいアニメと言われている。気持ちは分かる。TVアニメ版では「レヴュー」というルールも知らんスポーツを観戦させられるからだ。ルールを把握するまで少し時間がかかるし、彼女らの目指す「トップスタァ」がどの程度価値があるものなのかもはっきりしない。1話から完璧に理解できた人はレヴュー参加経験者くらいだろう。

対して劇場版は分かりやすい。そもそも「卒業」という、すべての人々が何度か経験してきた事柄をテーマにしている。それが劇中で繰り返し繰り返し、ネタを変えて何度も何度も行われるので、言っていることも言いたいこともまぁまぁ理解できる。そういう点で、劇場版はとても共感しやすい、人に勧めやすい作品だと思う。

そうは言っても、自分は演劇部だったこともなければ、観劇をしたことも無い、「舞台」というものについてずぶの素人なので、この作品特有の要素について自らの経験だけでは理解が追い付かなかった部分があった。この記事では、自分が劇場版スタァライトを観る前に、これに触れていなかったらどこかで引っかかって楽しめなかっただろうな、と思う作品を4つ紹介していきたい。時間が経っているのでうろおぼえなのは悪しからず。

1.スタミュ

『スタァライト』と同じく舞台に立つ高校生を題材にしたアニメ。こっちはミュージカルだけど。『スタァライト』のようなファンタジー要素はあまり強くない分、堅実…かどうかは分からないけどしっかりしている。
いわゆる「裏方」にもスポットが当たることが多いのがポイントで、「舞台はみんなで作っていくんだよ」というアタリマエなことを実感できる。これ無しに大場ななの二刀流や劇場版の決起集会の意味を、ひいては『スタァライト』を理解することは難しかっただろう。というか観てなかったかもしれない。

2.少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-

異色のアイドルもの。「自分らしくあること」ことが貴ばれやすい中で、「キャラを演じることの価値」を描いた作品。経済的な価値ではなく、根源的な価値として。この前提無しでは「演技することが舞台少女らの人生において何の意味があるのか」などという野暮なツッコミをしてしまうところだった。劇場版スタァライトでは天道真矢の生き方や露崎まひるの選択から否定的な要素を取り払うのに必要だと思う。
ちなみに彼ら少年ハリウッドが舞台に挑戦する回があるんだけど、そこでは1話丸々使って客席視点から彼らの演劇を観るという面白い演出が行われているので、興味があったら是非観て欲しい。

3.小説 仮面ライダー龍騎

同名特撮ヒーローものの小説版。劇場版を下敷きにしているので、TV版→TVSP版→劇場版→(どっかで漫画版)→小説版の流れで読んで欲しい。
バトロワだからって実質龍騎なんて言われがちなスタァライトだけど、劇場版スタァライトはこの小説と同じく「主人公を人間に堕とす」(人として生かす)ための作品である点を挙げたい。この辺を説明すると長くなりそうなので、城戸真司/愛城華恋はライダー/舞台少女としての資格が無いから死んだ、と書くに留めておく。人間に堕とすために実家を燃やすという共通の解決策が取られた点も挙げておきたい(主にネタとして)。

4.のだめカンタービレ

実写ドラマ化もされた、クラシック音楽を題材にしたラブコメ作品。『スタァライト』がアマチュア高校生の話なら、『のだめ』はその先の「プロ」の話。「その道で食っていけるかどうか」といった、現実的に存在するけど『スタァライト』で扱うのはちょっと…という問題が『のだめ』ではバンバン出てくるので、劇場版鑑賞中にいらんことを考えずに済んだ。逆に言えば、アマチュア高校生の段階で解決しておかなければならない問題があり、それが劇場版スタァライトである。
あと、のだめってクラシックに対する敬意や愛が欠けているところがあって、そのせいで一度マジで燃え尽きかけたんだけど、愛城華恋の劇場版を経なかったバッドエンドルートとしてあり得そうだなと思った。


守備範囲外からの刺客

ここまで書いて言うのも何だが、上に挙げた作品はジャンル的に守備範囲外のものが多く、かなり偶然的に触れている。
スタミュはそもそも女性向けである。当時『うたプリ』が流行った影響か。
アイドルものが苦手なのに少年ハリウッドがあるのも変といえば変だ。
小説版龍騎はシリーズ購入を躊躇った事がある(主にカブトのせい)。
のだめカンタービレは昔ドラマを見たことはあるけど、漫画は姉のである。実家に眠っていたのを偶々掘り起こした。

人間、自分の嗜好だけでは選べる範囲に限界があるので、こうして色んなジャンルに触れておくと後々楽しみが広がるのかもしれない。
使える時間は年々減ってきているが、こういう気持ちは忘れないでいきたい。


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