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なぜ加害者は捕まらないのか

密室で行われる犯罪のため

DVの特性上、その行為は当事者2人のみの密室で行われます。

決定的な証拠が残りにくいのです。


実際私が警察へ行った際も、

・LINEの文面

隠蔽や嘘の供述等が容易なため証拠として使用不可でした。

また彼はお金の要求等をする場合「あれ持ってきて」などと金額を明記することを避けていました。警察へ提出されることを見越しての行為だったのかもしれません。

もし仮に私がその時「あれって5万円のことだよね?」などと返信していれば、何か違ったのかもしれません。

・怪我の写真

本当に加害者から受けた怪我なのか証明ができないため証拠として使用不可でした。

診断書があれば証拠として提出できるようですが、そもそも「DV被害により打撲」などという診断書を作成してもらうには加害者に事実を認めてもらうことが必要になり、これは非常に困難です。

・脅迫されている文面

私の場合たびたび書かされた反省文(自分が彼に従うこと、その謝罪としていくら支払うかが書かれたもの)を提出しましたが、それも被害を受けた時期とその文面が作成された時期の照合、またLINEと同じく嘘の供述等も可能なため証拠として使用不可でした。

反対に使用できるものとしては、録音・録画等ですが、DVは突然始まるものなので、そのタイミングで録音等を始めることは限りなく不可能です。

また、録画に関しては四六時中行っていればいいようにも思えますが、加害者が先に録画機器を設置していた場合は自分がそれを設置している様子が写ってしまいますし、機器を見つけられる場合も十分考えられます。

もしそうなった場合は暴力を受けることになるでしょう。

そう思うとなかなか手が出しづらい対抗策となってしまいます。

やはり第三者からの確実な証拠提出が1番信憑性のあるものとなりますが、先に述べた通り当人同士のみの密室にて行われるものであるため、そう簡単には実行できない方法となってしまいます。



警察へいく際には誰かについてきてもらうのも手

警察へ行くほど末期の洗脳状態下で、被害者が冷静な判断をできるとは思えません。

実際私が警察に事情を説明している際、「彼を逮捕したいですか?」と尋ねられました。そのためには彼と警察官立ち会いのもと実際に会って話し、何が事実で何が妄想や隠蔽なのか、警察に判断してもらう必要があります。

私はもう彼に会いたくありませんでした。逮捕や慰謝料なんてどうでもいいから、ただ早く縁を切りたい、この状況から助けてほしいことのみ伝えました。

なので彼は注意を受けたのみで、罪には問われていません。

しかし、その時誰か冷静な判断をしてくれる友人が一緒にいてくれたならば、何が被害者にとって最も良い手段なのか指摘してくれるかもしれません。

また、注意を受けた彼ですが、警察の厳重パトロール期間が終了したころに私の家の前に立っていました。

その恐怖に110番できるわけもなく、また彼が怒っている理由が私が警察へ行ったことであるというのも明確だったため、抵抗することができず家の中へ入れてしまいました。

彼は家へ入るやいなや包丁を取り出し、私へ向けました。正直その時何を言われたのか全く覚えていません。ただただ血相を変えた彼がひたすらに大声で何か言っていた情景だけが心に残っています。

結局その際は包丁で脅されただけで実際に怪我はしませんでしたが、自分を犯罪者にしようとしたこと、縁を切る代わりに手切れ金を用意することを条件とされました。

昔の生活に戻るくらいなら…と私はその条件を飲みました。情けない話です。

その後も彼とはお金を渡すために何度か会いました。警察へも「特に問題ありません」と嘘の報告をしていました。

結果、なぜ縁を切ることができたかというと、彼のほうから「彼女ができたから、もうお前とは会わない」と連絡が来たからです。

最初はやっとこれで本当に縁が切れる、と喜んでいました。

しかし私はただ都合よく使われたのだと、自分でもそれは重々わかっていたはずなのに、はっきりそう述べられたようで怒りが込み上げて来ました。

そしてなぜか、正体のわからない喪失感に押しつぶされそうでした。


その後1度だけ彼から連絡が来たことがあります。何事もなかったかのように、「久しぶり、元気?」と。
血の気が引くような思いで、未読のままそっと削除しました。
返信していたならば、また元の生活に戻っていたと思います。

もし警察へ行く際に第三者が同行してくれていたならば、冷静な判断をすることができ、こんな恐怖を味わう必要はなかったのかもしれません。

ただし、こんな時に同行してくれるような友人を見つけることが最大の困難なのかもしれません。

また、警察からの事情聴取は根掘り葉掘り聞かれるものですから、いくら信頼している友人だったとしても聞かれたくない内容も多いものです。

友人が隣にいることで警察への事情説明がきちんと行えなくなる(自分が情けないと思われるのではないかという気持ちから)可能性もあります。

それでもやっぱり彼に何らかの制裁を与えてほしい、ときちんと思えたならば、誰かについてきてもらうほうがよいと思います。

とは言え、被害者の心情としては「逮捕とかはどうでもいいから、早く自分を助けてくれ」というものが1番に思い浮かぶものだと思うので、その点においても一度誰かが本当にそうなのか話を聞いてみることも大切なのかもしれません。

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