見出し画像

野球臨研究ノート2023 第1章 2023野球臨の変化&上半期振り返り・OP戦ダイヤ編

ようやく執筆開始―

プロ野球シーズンも佳境に差し掛かってきました。我らが埼玉西武ライオンズは毎年恒例のライオンズフェスティバルの開催期間中、またベルーナドームでのライブ開催も7月以降4興行開催予定(開催済も含む)であり、ベルーナドーム稼働の書き入れ時となっています。

そんなベルーナドームを語る上で欠かすことができないのは野球臨。
昨シーズン、アイマスのライブ用に作成したデータと取材をきっかけにしてスタートした野球臨研究ノート。色々ありつつ、完結まで結果として丸1年かかってしまった本シリーズですが、今年もやります!(既に番外編はやりましたけどね)

↑昨年版

今回は第1章として、前段では今年度からの変更点、後段ではOP戦でのダイヤと上半期に特徴的であった事象を振り返ります。

第2章以降は昨年同様、全5種類のダイヤを各論として解説していく予定です。


2023野球臨の変化

野球臨総論は昨年とは大きく変わりませんので、詳しく知りたい方は昨年版をご覧ください。

そのため第1章では、昨年と比較して変更となった点のうち全体に関わる項目について取り上げます。なお各ダイヤでの変更点については、第2章で扱います。

2023年野球臨施行日数

変更点を見る前に施行日数の比較
2023年シーズンの埼玉西武ライオンズの主催試合数は71試合、うちベルーナドームでの開催は66試合(8月時点確定)です。その他オープン戦が9試合、ライブ開催が8興行16日。以上を合算すると2023年は91日、西武線では野球臨・コンサート臨が運転・運転予定ということになります(8月現在)。
※2023年3月18日改正以後に限ると85日。

一方で、2022年は最終的に95日野球臨・コンサート臨で運転でした。内訳はプロ野球公式戦が70試合、オープン戦のうち野球臨施行日が3試合、ライブ開催日が11興行21日。
※3/12のダイヤ改正以降に限ると93日。また2022年3月12日改正ダイヤでは98日の運転となった。

2022年比ではオープン戦施行日が大幅に増えたものの、ライブ開催数が減少。全体で野球臨・コンサート臨施行日は4日減となりました。
ライブ開催日が減った理由としては、人工芝張り替えによるライブ利用の抑制、2023年9月より共用開始予定のKアリーナ横浜への需要増加による反動などが考えられるものの、明確な理由は明らかとなっておりません。

土休日データイム20分間隔化

狭山線西所沢駅下り時刻表比較

昨年からの唯一にして最大の変化はこれ
2022年3月改正では平日ダイヤでのデータイム20分間隔化、休日ダイヤでの狭山線直通運用が廃止とテコ入れが加えられてきましたが、本改正では狭山線のデータイムの運転本数も4本から3本に減便されました。

しかしながらこの減便が逆風ではなくむしろ恩恵として受けたのが野球臨とコンサート臨。
これまでの15分間隔の場合、増発を行う場合7.5分間隔で挟み込む必要がありました。そのため、西所沢で7.5分間隔の場合と15分場合が発生していました。

2022年改正における土休日デーゲームダイヤ・土休日コンサートダイヤでの狭山線西所沢駅時刻表
時間帯によって不均一なダイヤ

しかし定期列車が20分間隔になったことにより、増発を10分間隔で挟み込むことが可能になりました。間隔だけ見ると広がっていますが、パターンダイヤ化が実現しました。

2023年改正における土休日デーゲームダイヤ・土休日コンサートダイヤでの狭山線西所沢駅時刻表
綺麗な10分間隔化

土休日デーゲームの13時台だけを見ると減便ですが、全体で見ると本数は増加。20分間隔化による10分間隔パターンダイヤ化の賜物です。
なお西所沢駅の池袋線下りの着時刻は、06分(準)、13分(各)、16分(急)、22分(準)、26分(急)、35分(各)、43分(各)、46分(急)、56分(準)、土休日コンサートダイヤのみ59分(各))となっています。最速達乗り継ぎは16分、26分、46分の急行とひばりケ丘で快急と接続する13分、43分の新木場発の各停。急行が常に8分待ちなのがネック。

以上が2023野球臨での全体共通における変更点です。
実は昨年からほぼ変更が無いんです。各ダイヤで始終着駅の変更や増減便、時刻の入れ替えは若干ありますが、基本的な時間は変わっていません。


OP戦ダイヤ

西武鉄道のダイヤ改正日が3/18。一方でプロ野球開幕が3/31だったため、オープン戦期間中にダイヤ改正がありました。

2022年改正ダイヤでのOP戦ダイヤは以前取り上げたため、今回は3/18以降、2023改正ダイヤでのOP戦ダイヤを取り上げます。

3/18以降にベルーナドームでのオープン戦は平日データイム1試合、平日ナイター1試合、土休日デーゲーム3試合がありました。このうち土休日デーゲームではシーズン中と同じ土休日デーゲームダイヤを施行して運転。平日データイム、平日ナイターにはそれぞれ1試合ずつオープン戦用のダイヤが用意されました。

平日オープン戦デーゲームダイヤ

3/22の楽天戦でのみ施行。西所沢~西武球場前間の増発のみです。
来年西武鉄道におけるダイヤ改正があるかや改正日のタイミングは分かりませんが、例年通りのダイヤ改正スケジュールであればおそらく2024年シーズンのオープン戦でも使用されるはずです。

試合開始前

下り

列車番号は一部推測
〇付は臨時列車

11:27から10分間隔で運転されました。6259レと6261レは狭山線に元から設定されている不定期列車、6901レ、6903レが平日オープン戦デーゲームダイヤにおいて増発された臨時列車となります。

上り

列車番号は一部推測
〇付は臨時列車

この時間に上り利用者が少なかろうが、来た分だけ返すのが狭山線の定跡。
6260レは不定期列車、6902レと6904レが臨時列車です。

運用表はこんな感じに

試合終了後

上り

列車番号は一部推測
〇付は臨時列車

試合終了後は15時台が10分間隔になりました。定期と臨時が10分間隔で交互に運転。

通常のパターンダイヤと違い、試合終了時刻を決め打ちして増発するのがオープン戦ダイヤの最大の特徴。なおこの日は16:32に試合が終わったので増発は空振りに終わりましたが、観客数が4002人のみなのでできたこと。16時台以降は15分間隔で運転されていますし。

下り

列車番号は一部推測
〇付は臨時列車

試合終了後も来た分だけ返す

運用表はこんな感じ

以上がオープン戦デーゲームダイヤ。観客数が通常より大幅に少ないからこそできる技です。

平日オープン戦ナイターダイヤ

3/24の横浜DeNA戦でのみ施行。こちらも西所沢~西武球場前間の増発のみです。
ベルーナドームで平日ナイターに行われた例がここ数年だと昨年1試合と今年のこの試合しか無いため、もしかしたらこの日限りのダイヤになる可能性があります。シーズンならまだしも、オープン戦をわざわざ寒い時期にナイターでやる必要性がそこまで無いので。

試合終了後

このダイヤの特徴は試合終了後の上りのみ運転したこと。

列車番号は一部推測
〇付は臨時列車

このように20:24~21:53まで7.5分間隔で西武球場前から西所沢行が運転されました。こちらも試合終了時刻を決め打ちして増発されましたが、デーゲームと比べると幅が広めに設定されています。この日は試合終了が21:14で観客数は5629人なので、試合終了時刻は当たりで来場者を捌くのに十分な本数がありました。
列車番号6920~が臨時列車。69**ですから、データイムからの連番でしょうか。

臨時のみ抜粋し、パターン優等と比較

この臨時は試合終了後に運転されるパターン優等とほぼ同じスジを使用しています。そのためパターン優等の運転が無かった一方で、狭山線の路線限界である7.5分間隔フルで運転することができました。

なおデーゲームと異なりナイターでは、西所沢→西武球場前間は営業列車ではなく回送列車として運転(西武球場前へ返却)していました。

プチレポート

6928レに充当された2075F
6930レに充当された38103F
定期列車も4両編成(3ドア)から8両編成(4ドア)に変更され、狭山線は8連×4本で運転された
6219レ~に充当するため小手指から西所沢へ回送された263F
西所沢⑤へ引き上げ、営業運転に入る

上半期振り返り

上半期にあった特殊事例のうち、筆者が確認できたものを掲載します。

3/31 開幕戦増発対応

(ブレブレでごめんなさい)
平日ダイヤでは通常使用しない5番ホームに止まる6106F

勝利まで後1球のところで痛恨の1発を喰らった開幕戦。WBCの興奮も冷めやらぬまま、声出し応援解禁後初のシーズンともあって27465人が来場。西武鉄道側も事前に多くの来場者を予想していたためか、通常では10連3本が待機し復路優等パターンに充当するところを、休日の試合日と同じく10連4本待機に増やしてして対応。8260レ、8262レ、8264レ、8266レにそれぞれ充当されました。

7/1 試合終了を待たず強制パターン発動

先日の記事でも上げた試合。
7回裏にライオンズが3点取って逆点に成功するも、8回表にホークスに追いつかれ、そのまま延長戦へ。10回表に平井が2点勝ち越しを許し、裏で追いつけずに試合終了。試合終了が22:37でした。
しかし土休日ナイターダイヤでは8378レからの計4本がで最も遅いパターン。これ以上は遅くできません。よって試合途中にも関わらず、強制的にパターンを発動して運転されました。
打たれた瞬間球場を出れば8378レに乗れた…?

最終パターンの優等列車

7/15 復路優等にメトロ車充当

8370レに充当された東京メトロ車
(西武線アプリより)

ダイヤ乱れにより、本来西武車が充当されるべき元町・中華街発西武球場前行に東京メトロ10124Fが充当。そのまま西武球場前駅に留置され、復路の8370レへ充当されました。
なお本来土休日コンサートダイヤでしか行わないS-TRAIN3号に充当された40000系のL/C車を土休日ナイターながらも西武球場前に送り込んだり、その送り込まれたL/C車の行方が分からなくなったり(本来4本運転されるはずの復路パターン優等が西武線アプリ上では3本しか運転されていないことになってた)と西武線アプリ上ではカオスなことになっていました。
ちなみにこの日のライオンズはサヨナラ勝ちにして、ベルーナドームでの1ヶ月ぶりの勝利でした。

8/2 早く終わりすぎた

與座の完封
珍しく間隔が空いた復路輸送
(西武線アプリより)

7/1の逆パターン。ライオンズ先発與座、ホークス先発石川と共に投球間隔が早い両先発の投げ合いとなったこの試合。ライオンズが3回、4回に1点ずつ得点すると、與座は5回完全と完璧な投球。そのまま與座が無四球完封で投げ切ってライオンズの勝利。試合終了は20:08と今季最短ゲームとなりました。

試合終了後の復路パターンダイヤでは通常、試合終了後10~25分後に1本目が出るようにパターンを設定しています(2023/7/8 放送 NHKラジオ第1 「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」 放送内より)。
しかし平日ナイターダイヤのパターン1は20:32発の8252レが1本目。そのため試合終了から24分も間が空いてしまうことになってしまいました。一応25分までとしているので許容範囲ではあるとは思いますが、試合終了があまりにも早いとこういうこともあります。
なお筆者はヒーローインタビューを見て、応援団の二次会に参加してから西武球場前駅へ向かいましたが、既に1本目の8252レは発車済で、次発は8254レでした。勝ち試合だと特に人が分散するので、これでいいんです。

7/15~9/3 狭山線増発

最後は少し本義の野球臨からは離れる事象を
前述した62**~の狭山線の不定期列車が7/15より運転されています。プール開演や夏休みシーズンの西武園ゆうえんちへの来場者数増や狭山スキー場でのイベントを念頭に置いた運転です。

この62**レは平日20分間隔化が行われた2022年ダイヤより、野球・イベント開催時用として平日・休日ともに設定されています。しかし新型コロナによる行動制限の影響により、休日ダイヤはコンサートダイヤでの一部という扱いでのみ、平日ダイヤもオープン戦ダイヤに一部列車が運転されたのみで、本来想定されていた西武園ゆうえんちでのイベントやプール対応といった場面での施行が行われずにいました。
しかし今年から新型コロナにおける規制が緩和し、レジャー需要が高まったことで夏休み期間にあたる7/15から9/3までの毎日運転されています。

狭山線平日の不定期列車
狭山線休日の不定期列車

ちなみに多摩湖線でも類似例として萩山~多摩湖間の不定期延長運転が設定されています。


次回からは各論です。どのダイヤを取り上げるかは未定

続きます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?