後悔とか塩味とか、あとほんの少しの希望があれば
きみは、チバユウスケの歌詞に幾度となく救われてきた。
別れや、挫折や、理不尽や、後悔や、寂しさ。
どんな時も、チバさんは寄り添ってくれていたね。
そして今、チバさんとのお別れをしてきた。
今感じている、これまでのたくさんの感謝と、これからも共に生きていく決意を、書き記しておこうと思う。
◇
はじめて出会ったのは、19歳の春。
対バンイベントで、その場で初めて存在を知ったけれど、the birthdayのメンバー全員の佇まい、爆音で鳴り響く音たち、そして、チバさんの歌声。
すべてが衝撃だった。
この世に、こんなカッコいいものが存在するのか、と。
一気に心を持っていかれた。
その日からthe birthdayの音楽を聴き漁る毎日だったね。
そしてなんといっても、チバさんの書く歌詞に心惹かれた。
かわいらしくて、愛情と優しさに溢れて、きみはそこにいて良い、そのままで価値があると肯定してくれる。
辛い気持ちにはそっと寄り添ってくれる、迷ったときはぶっきらぼうに、お前の道をそのまま行け、そのままで良い、と導いてくれる。
そんなチバさんの歌詞が大好きになっていった。
◇
チバさんがいなくなったことを知って、きみにとってチバさんが作る音楽がどんな存在だったのかをたくさん考えた。
きみは、自分には価値がない、と無意識の価値観として持っていたね。
たぶん、自己防衛のためで、勉強でうまくいかなかった時、スポーツで1番になれなかった時、自分が傷つかないために、自分には価値が無い、価値が無いからうまくいかない、と思い込むようになってしまっていた。
心の声で、自分に対して価値がない、と無意識のうちに声をかけ続けていた。
もっと頑張らなければならない、もっと価値を出さなければならない、と思い込んでいたみたいだ。
そして、それはいつしか当たり前になって、自分の心の声が聞こえなくなっていたね。
ほんとうは、とても苦しかっただろう。
どれだけ声を上げても届かない。
自分が自分を1番認めていなくて、1番愛していなかった。
そして、その感情を見て見ぬふりをして、聞こえなくなってしまっていた。
チバさんの歌詞は、そんな無意識に抑圧されたほんとうの自分がかけて欲しい言葉、居場所の肯定をしてくれる。
おもしろくなくたって、結果が出なくたってきみには価値がある。
愛があればそれだけでいい。
たくさんの曲で、そうやってきみに寄り添って、勇気づけてくれていた。
チバさんが、きみは価値があると伝え続けてくれてたから、きみはなんとか今日まで生きてこれた。
◇
チバさんが残した言葉たちは、これからもきみの人生には欠かせない存在だね。
爪痕は消えないけれど、抱えて、共に生きていく。
意志を受け継いで、誰の声でもない、きみがなりたいきみになって、いつか会えるといいね。
ライブで直接励ましてもらうことはできないけれど、イヤホンから、きみに1番近いところでチバさんのメッセージは生き続ける。
価値がない、と思えるような日があっても良い。それでもきみがいる意味はある。きみには価値がある。
自分が思うままに、やりたいように生きていけば良い。
これっぽっちでも星粒の輝きがあれば、それだけで良い。
◇
誰かの心に寄り添えるものを残していきたい。
どこかで、きみと同じように悲しい思いをしている誰かに、届いてほしい。
きみがそこにいる価値はあるんだと。
きみに伝えなきゃいけないことが、まだまだたくさんある。
君に伝えなきゃいけないことが。
Thanks!
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