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軟式野球部②

前回僕がいた軟式野球部の妙な部員たちを紹介しましたが、1番妙だったのは紛れもなく監督でした。

その監督はとにかく怒らなかった。
怒らないことで部員たちにノビノビやってもらおうという教育方針でもなく、怒ったことによる悲しい過去がある訳でもなく、ただ怒らなかっただけでした。

信念も悲しい過去も実績もない安西先生です。

唯一悲しい過去を挙げるとすれば、試合でエンドラン(ランナーが走ると同時に打ち進塁しやすくすること)のサインを出したら過去の部員にキレられたらしく、そこから2年以上エンドランのサインを怖くて出せなくなったくらいです。

他の監督が部員に対して行う制裁は全て「減点」の一言のみ。
他の監督が部員に対しておくる賞賛は全て「1ポイント」の一言のみ。
ちなみに100ポイント貯まるとハワイ旅行に連れてってくれるらしいです。(過去に100ポイントを叩き出したものはいない) 例えば監督にタメ口を使ったとしても「減点」の一言で終わりでした。
聞く話だと人生で一度もキレたことがないそうです。そんな奴絶対いないと思うけど。

ただ、僕はそんな監督から唯一怒号を浴びせられました。

これは夏休み合宿に行った時の話です。

その合宿の朝練で素振りをしていたところ急に「おい!丸橋!ちょっとこっち来い!」
響き渡る怒号。今まで雑談半分で練習をする部員たちも急な怒声に緊張を隠せない様子でした。
みんな何かしらの心あたりはある。
誰かが一昔前のゲームなら持って来ても大丈夫だろという謎理論でもってきたゲームキューブを明け方までやってたのがバレたのか?
それか前日の夕方行った腰曲りおばあちゃんがやってる商店でPASMO使えますか?って聞く排泄物みたいなボケが名誉毀損とみなされて責任者である監督に報告がいったのか?

それくらいしか思い当たる節がない。

真面目ではないけど不良ではなかったから、飲酒喫煙の影は一切なかったし、神社の賽銭箱に立ちションしたわけでも、違法駐輪自転車を蹴飛ばしたわけでも、友達の彼女の悪口を言ったわけでもありません。

おそらくこのどっちかだろう。恐る恐る監督に近くと、、、

「いや、怒る練習をしただけだ」

怒る練習をしただけだそうです。

怒る練習ってなんだよ。

僕もしっかり怒る練習をしていれば、先輩の舞台靴を「それ便所スリッパですか?」と言った相方をもっと怒れたのだろうか?

結果的に練習に付き合ったということで「1ポイント」をもらったのは言うまでもありません。 

他にも合宿では悪戯で川にファーストミットを流してそのままにしてたら、次の日下流で遊んでてそのファーストミットが流れて着いてくるというエピソードもありましたが、今回は割愛さそていただきます。

結局僕が卒業するまで練習の成果が垣間見る
ことはできませんでした。

2回に分けて高校時代の話を書いたのですが、1回目の時点で思ったより色々書くことあるなと思い2部作にしたのですが、思っより書くことがなかったです。これは「減点」です。
次回からペースを考えて投稿致します。

最後まで読んでくださり誠にありがとうございました。







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