ネットに繋げなくてもスマホゲーをやろう

遡ること数年前。私、らんむろはやむなく退職し、しばらく仕事が決まらなかった時期を過ごしていた。かなり切羽詰まっていた状況で、どんな支払いも滞っており、はじめに携帯が止まった。ネットが使えなくなったのである。

独り暮らしをはじめてすぐのことであり、これは相当こたえた。話す人もいなければ発信できるツールもない中、数日はぼんやり趣味の小説を書いたり、寝て起きてを繰り返していた。しかしそれでもネット依存症には限界が来る。動きもしないChromeを起動し、この画面を見ては閉じるを繰り返していた。

よく見ると愛らしい、間の抜けた表情の恐竜である。「へ~~?なしてネット繋がらないん?」と言わんばかりの顔だ。しかもこいつ、よく見ているとまばたきする。かわいいなあ……。疲れきった私は恐竜を指で撫でた。すると……

勝手に走りだし、

そのままサボテンにぶつかって謎のゲームオーバー。

「…………なんなん?!!!?!」

メンタルが最底辺だった私が身の裂けるような大声を出した一瞬であった。最高瞬間視聴率ランキングになぞらえるなら50%はいくであろう。

今度は冷静に構えてリトライ。どうやらタップで恐竜がジャンプするらしく、これで障害物を避けながら走らせましょう、ということらしい。距離を稼ぐほど恐竜の走る速度は早くなる。

(昼と夜を経ていく。夜空が美しい)

ネットの使える今になってもたまにプレイするが、1400くらいから凶悪な難度となる。実に奥が深く、シンプルすぎるが故に飽きのこないゲームである。
麺類に例えるなら中華そば。

二つ目は有名らしいので知っている方も多いかもしれない。Androidのスマートフォンに必ずある、ちょっとしたミニゲームのようなものなのだそうだ。私がどんな経緯でこれを発見したかは忘れてしまったが(おそらく恐竜と同じような感じだろう)、こちらも是非とも紹介しておきたい。

Androidの携帯で「設定」を開き、そこにある「Androidバージョン」の項目をしつこくタップする。いくらなんでもこれをやろうと思った私、暇を持て余しすぎではなかろうか。

(バージョンがめちゃくちゃ古いことがわかる)

すると、待受画面にはこのようなキャンディが。

この飴ちゃん部分をしつこくタップしたり長押ししたりしていると、これまた唐突にゲームが始まる。

画面が左右どちらかにスクロールする中、ドロイド君が宙に放り出され、合図もなく画面両端から伸びてきたロリポップに当たる。画像はゲームオーバーした様である。

タイミングよく画面をタップしてドロイド君をジャンプさせ、上下のロリポップに当たらないようにして潜り抜けるゲームだ。なお、タップを怠って真っ逆さまになってもドボンである。なお、ロングタップで急上昇ができるが、すぐ飴ちゃんに頭がぶつかるので全然使わない。

(画面下は墜落したドロイド君。左上がスコア。10超えれば見事なものだろう)

かわいい見た目とは裏腹に極悪の難度である。どちらに画面がスクロールするかはプレイするまでわからず、ドロイド君は角がペロペロキャンディに当たるだけで即死。スーパーマリオブラザーズすら1-2で詰むダメゲーマー・らんむろはひたすら弄ばれるのだった。
麺類に例えるなら、見た目は全然普通そうなのに食べたらめっちゃむせた、リンガーハットの辛いちゃんぽん。

元来、スマホゲーやソシャゲに向いておらず、気の迷いではじめたとて数分で飽きてしまう私だが、こちらの二つはいまでもたまに思い出してプレイしている。少し古めかしいゲームが好きだからだろうか、やっているとどこか落ち着くのである。なによりギガが減らないのは最大の長所ではなかろうか。

そんなわけで、みなさまも是非。