「嫌い」と「苦手」って、言われたらどっちが傷つくのかな~~

食べ物の話だ。

飲み込めない、口に入れられないほど嫌いな食べ物はない。小さい頃はピーマンがそれに該当したが、今はワタすら取らずに生で食う。

苦手な食べ物はどうだろう?「食べられなくはないけど好んで食べたくない」みたいなやつだ。それならいくつかある。

まず、らっきょうだ。選ばなければ食べる機会は特にないし、最悪食べられなくても困らない。ので、この半生で食べた回数は三回ほどと思う。

はじめは保育園かなんかの給食で出て、全然口に合わなくて残した。その保育園はたまにめちゃくちゃマズいメニューが出るロシアンルーレット的要素があったので今回もそれだろうと思った。しかしそれからはらっきょうを口にしなくなった。

改めて食べたのは中学くらいの頃で、「今だったら行けるかな?」みたいなノリで食べたがやはりあまり美味しくなかった。

そして最近、カレー屋に行った。黒っぽくどろっとした、喫茶店で出るようなカレーで、美味しかった。ちょっと本格的なところだったので、付け合わせは福神漬けでなくらっきょうだった。
外食は残したくない主義だし、口に含むのすら困難なレベルではない。というか私も大人になったんだしいい加減らっきょうの美味しさくらいわかるだろう。
え~~いいったれ!ボリボリボリボリ!うわぜんぜんおいしくねえ。最近ピクルスとか大好きなのになんでだろうな。
味をかき消すためにカレーが進んだ。ある意味最高の付け合わせなのかもしれない。

そしてもう一つ、が苦手だ。そして、その苦手の線引きがえらく微妙なのだ。

ファミレスで友人と飯を決めていたところ、「らんむろ、肉のページ飛ばすね」と言われた。

「肉、無理なんだよね……」
「この前鳥貴族でめっちゃ食ってたじゃん」
「うん。あれはハチャメチャに好き」
「なんなの?」

友人でなくとも「なんなの?」案件である。話を擦り合わせていくうちに、「苦手」のボーダーラインが見えてきた。

肉々しかったらダメ。

ということで、全般的に牛肉はアウト。あの「俺は肉だよ!」と主張してくる味わいに負ける。メンチカツはオッケー。だいたい同じ材料のハンバーグがNGなのはなんなのだろうか。

鶏肉は基本的に好きだ。おいしい。しかしここでもだんだんと「苦手」になるグラデーションがある。「大きい肉」がどうやらダメらしいのだ。「大きい肉」とはなんともアホっぽい響きであるが、実際そうなのでそう呼ぶしかない。

鶏肉を例に挙げよう。
焼き鳥、大好物。親子丼、おいしい。ファミチキ、ちょっとキツい。チキンステーキ、無理!
……ということだ。
豚肉も甘くてめっちゃ美味しいけど、ポークソテーとかは食べようとも思わない。豚カツも苦手だ。

やはり基準は肉々しさなのだろう。自分の中で納得がいった。これからはハッキリとした指針を持って肉料理と挑めそうだ。

さて、それを先の友人に話したところ、

「よくわかんなさすぎてぶん殴りたくなるな。ステーキ口に突っ込んでやろうか」

おねがいだからやめて。