見出し画像

屋上ロースト

ごあいさつ

こんにちは。カフェムリウイです。
お元気ですか?きっと今は皆さんそれぞれ大変な思いをされていることかと思います。この店も例にもれず、少し荒れた沖合を見ながら波止場に停泊する小舟のような心持ちで日々を過ごしています。そんな折ふと思い立ったことがあります。4月「空白の時間」に入ってからというもの、実はその閃きを形にするために水面下でじっくり用意をしていました。今やっと準備が整いましたのでこの場を借りてお知らせさせてください。たいした話ではないんですがぼくからしたらちょっとしたレボリューション。少し長くなりますが読んでくれたらうれしいです。
さあ、はじまりはじまり。

ムリウイでは2002年のオープン以来いろんな人から言われ続けてきたことがあります。

ピアノ置かないんですか?

画像1


ピアノ、置きたいですとも。喉から手が出るほどピアノほしいです。ここでどんな響きがするんだろう?って何回想像したことでしょう。でも我慢してきた。だってピアノってその美しさとおんなじくらい破壊力あるでしょ。いくら演奏家が気をつけてくれたとしても防音されていないムリウイではね。あはは。そうやって自粛してきたんです。自制か。だから「実家につかってないピアノあるんですけど要りません?」とか言わないで。ほしすぎて悲しくなるから。はい、ピアノは置きません!(今は、な)
そして実はもう一つ、ピアノよりもっと頻繁に言われてきたことがあります。


コーヒー豆、売らないんですか?

画像2


コーヒー豆、売りたいですとも。だってコーヒー屋ですから基本的に。けっこう古いお客さんや長い付き合いになる出演者にですら「自分で焙煎してるんですね!」って今さら驚かれてこっちが驚くことがあります。ぜんぜんアピールしてないから仕方ないんですけど。日課のように自分で焙煎してきて当たり前のことになってるから忘れちゃいそうになるんですが、こういうの自家焙煎っていうんでしたね。という感じのぼくですが、この店のコーヒーを好んで飲みにきてくれる方が少なからずいるわけです。そんな方々に「ここのコーヒー好きなんです。うちでも飲みたいんでコーヒー豆売ってもらえませんか?」とか言われたら非常階段から転げ落ちそうになるくらい嬉しいですし、ぜひお土産に豆を持って帰ってもらいたいと思いますよ。しかし「ごめんなさい」と涙をのみながら言い続けてきました。なぜか?



うちの焙煎機めっちゃ小さいんです

画像3


いわゆるサンプルロースターというのを1台使って焙煎しています。1回で最適に焙煎できる生豆の量が180g。それが焙煎後は150g前後になってる。ムリウイでは3種類の豆をブレンドしているので3回続けて焙煎しています。そうすると作業時間にして1時間ほどかかるんですが、できあがる焙煎豆の量は合計400g程度にしかならない。お店のカップでお出しすると40杯というところでしょうか。コーヒー屋のくせにお恥ずかしい限りです。よくこんなので商売してるなと自分でも思います。しかしこの機械がですね、壊れない。無駄な機能が一切ないからでしょうか。18年ひたすら使ってるんですが一度も故障したことがない。町工場で作られた小さな焙煎機。もうとっくに生産終了してるようです。愛着しかありません。もちろんフルマニュアルです。あ、モーターで回ってはくれますが。なのでこちら人間のセンサーをフル駆動させなきゃです。生豆をドラムに入れて火にかけます。そこから時間とともに刻々と変化する、豆の「音」と「色・形」と「香り」を敏感に感じとりながら火加減や加熱する時間を調整します。へんな言い方すると、会話だと思ってます。ぼくにとって焙煎ってコーヒー豆とお話しすることです。

というわけで豆の販売もずっとしてこなかったんです。売るほどの量が作れなかった。しかし、大きな機械を導入しなかった結果(高くて導入できなかったとも言いますが)として、それが焙煎の頻度と消費量を一定に保つことになりました。こうして店でお出しする豆の鮮度や品質が守られてきたんだと思っています。カフェ営業しているときやイベントを開催しているとき以外で、少しの時間を見つけては焙煎するということを長年続けてきました。ちょっと作ってちょっと飲む。考えてみれば贅沢なスタイルですよね。


社会的距離


そして2020年4月。数か月前の自分にいま世の中で起こっていることを話したら何と言っただろう?そんな想像をしてみました。仲間と大事に計画・準備してきた公演やライブがすべて中止に追い込まれること。まして、カフェですら普通に営業できないような状態がくるんだよと話したら。たぶん言葉を失ってなにも言えないと思います。ただしばらく考えてこう言ったんじゃないか。「なんか面白いこと始めたらいいんじゃん」って。無責任なこと言ったんじゃないかと思うんです。「ソーシャルディスタンス?いや、だったらなおさら人と店の距離を近づけるなにかに挑戦しろよ」って。この数か月にわたり、中止になっていくイベントをなんとか具体的に「延期」という形に変えて将来へとつないでいく。出演者みんなと気の遠くなるほどたくさんのやり取りをしてきました。ライブハウスとして、劇場として、カフェとして。この屋上でそれまでの営みを続けていくことができるのかどうか。いろんな人に気にかけてもらい励ましてもらいました。確かにまだこれから先どうなるか誰にも分からないという状況ではあります。でもいま店の上に広がっている大きな空に身をあずけて、やっとまたここに足をつけて立つことができました。さてと、面白いこと始めていこう。人と近づくためになんか挑戦しよう。そう決めるとすぐに一つのアイデアが降りてきました。


コーヒー豆の販売をはじめよう

画像4

ぼくの焙煎したコーヒー豆をネット販売してみようと思います。店を開業して18年になりますが初めての試みです。ドキドキします。今ある道具と今しかない時間をつかって焙煎しようと思います。空とコーヒーと「むだな時間」を楽しみに、世田谷は祖師谷の古いビルの屋上までわざわざ足を運んでくれる人の顔を思い浮かべています。出たくても出れない。会いたくても会えない。話したくても話せない。世界がこんな状況になって「人」と「人」の間にあるものがより鮮明になりました。離れたところにあるお店からそんな「人」たちのところへコーヒー豆をお届けできたら、と思います。お話ししたように一度に作れる量が本当に少ないです。注文を受けてから到着するまでお時間いただくかもしれません。決してグルメではありませんが手間暇をかけたぼくらの「日常」のコーヒーです。よかったらお家でご自分の好きな時間にご自分の好きなスタイルで、コーヒー豆に話しかけてみてください。

ムリウイ、たけし


豆の販売


屋上ロースト

 ◉自家焙煎珈琲豆 1袋 200g入り 2500円(税・送料込)
   ※ムリウイでのコーヒー券(420円分)1枚付き

ムリウイの深煎り自家焙煎コーヒー豆
3種豆ブレンド(コロンビア、ブラジル、マンデリン)
豆200gはコーヒー20杯分とお考えください
豆のままお送りします(どうしても、のご希望があればお挽きします)
焙煎してからなるべく早い発送を心がけます
・かなり保存性の高い袋に入れて発送しますが開封後1ヶ月以内にはご賞味ください

※この騒動が少しおさまっていつかまた店でゆっくりお会いできることを信じて、コーヒー券1枚(1杯分)込みの代金にさせていただきました。カフェの営業時間にご利用いただけます。ムリウイがなくなるまで有効です。

・お振込みは「みずほ銀行」と「ゆうちょ銀行」「三菱UFJ銀行」からお選びいただきます
振込の手数料はご負担ください
定形外(規格外)で郵送します
・複数個ご注文の場合同梱はできません
注文を受けた順番に焙煎~発送しますので到着に少々お時間いただきます

ご購入の流れ

【1】メールにてご注文下さい
「お名前」「ご住所」「個数」「振込先(みずほ銀行、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行のいずれか)」を明記の上、muriwui@gmail.com までご連絡ください
【2】こちらから確認のメールをお送りします
 そちらに記載のある口座へ代金のお振込みをお願いします
【3】発送します

返品について

お手数ですが返品(もしくは交換)をご希望される理由を明記の上、muriwui@gmail.comまでご連絡ください。対応させていただきます。

ご希望ご質問

購入前や購入後のご希望・ご質問はお気軽にお問い合わせください。
メールアドレス:muriwui@gmail.com


コーヒーのいれ方

画像5

コーヒーは嗜好品です。みなさんそれぞれが好きなタイミングで好きな淹れ方で飲む。それが最高のコーヒーです。コーヒーは「なに」を飲むかではなく「どう」飲むか。豆を販売してるくせに変かもしれませんがぼくはいつもこう思いながら店をやっています。こうして皆さんのお家にもムリウイの豆をお届けすることで、少しでも皆さんの「どう飲むか」のお役に立てたら嬉しいです。

でもせっかくの機会なので、ムリウイではお客さんにどうやってコーヒーを淹れているか具体的にお話ししてみようかなと思います。これが答えだなんて思わずにあくまでも参考として読んでくださいね。もちろんこちらで販売している深煎りの豆を前提にしてお話します。

◉豆の量
ムリウイのコーヒーカップ(1人分)は150ccです。それに対して使っている豆の量は10gとお考えください。ちなみに、300cc(2人分)で17g、450cc(3人分)で25gの豆を使っています。

◉豆のひき方
中挽きが基本です。みなさんがお家で使っているミルによって違いはあります。でもいわゆるレギュラーコーヒーとして飲む場合は中くらいの細かさで挽いてみてください。ミルクを足して飲みたい場合はそれより少し細かめで。ただ細かくしすぎるとフィルターを通るのに時間がかかりすぎ苦味がたってしまうのでご注意あれ。

◉フィルター
ムリウイでは布製のネルを使っています。布自体が豆を掴んでじっくり蒸らしてくれるのと、使っていく工程でネルが育っていく感覚がすきなんです。ぼくが使っているネルは1杯でも淹れやすいようにかなり小型ですが、普通に購入すると中くらいのサイズのものが多いので1杯だけ淹れるのにはかえって不利になります。なのでここは無理をせず紙フィルターで十分です。紙フィルターはコーヒーが落ちるのが比較的早いので少しすっきりとした味わいになるかもしれません。どうしてもなんか物足りなければフィルターを2枚重ねて使うとか。あと考えられるのはコーヒーメーカーですね。これも機種による違いが相当大きいと思います。実際に淹れて飲んでみてください。設定で変更が可能であれば蒸らし時間などを変えるなど色々試してみるのも良いでしょう。ぜひ感想を聞かせてほしいです。

◉お湯の注ぎ方
やかんなどでお湯を一度沸騰させたらひと呼吸置いてお湯を少し落ち着かせます。もしコーヒー用のポットをお持ちでしたら、やかんからポットに移しかえるといい感じで温度が下がりお湯が落ち着きます。屋上ローストはかなり深煎りなのでちょっと下がりすぎたかも?な温度でも大丈夫です。ご存知のように何度かに分けてお湯を豆の上に注ぎます。検索すれば入れ方の教科書がたくさんあるでしょう。ご自分のやり方でいいんです。変なたとえですがぼくが思ってるのは「かけ流しの温泉」です。できるだけ一定の速度と一定の量でお湯が湯船から入れ替わっていくイメージです。新鮮でぽかぽか安定した温度のお湯に浸かっているとコーヒーも喜ぶような気がします。

◉飲み方
ここは自由の国です。好きなように飲みましょう。ムリウイでは少し暖めなおしてからコーヒーカップに注ぎテーブルまでお運びしています。確かに温度が低めのほうが「味」は感じやすいと思います。でも一口目のコーヒーはやっぱり少し熱めがぼくはすきです。弱火でやさしく温めてください。(ただし沸かしてしまったらコーヒーは死にます。)ゆっくり時間をかけて飲むと温度が変わるのでコーヒーの味も変化していくのが感じられて楽しいです。常温まですっかり冷めてしまってから飲んでも豆の持ち味が損なわれていなかったら、ぼくの焙煎が成功しているということですし、皆さんの淹れ方が成功してるということです。共演ですね。さあ、一緒にコーヒーを飲みましょう。


カフェムリウイ ウェブサイト

26
Cafe Muriwui
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。