桜庭ヤヨイというキャラクター

彼女は本当に頑固です。
あまりにも柔軟性に欠けています。

いきなり話し始めて、ド初手から酷い暴言だと思いますか。
これは作者から彼女に送る、最大の褒め言葉であり最上級の敬意です。

彼女は作中で、最も心が弱いキャラクターかもしれませんね。
何故かといえば、現在の桜庭ヤヨイの性格や思考回路・価値観を形成してるのは、全て"過去の記憶"のみだからです。

現在進行形で数多の人と会話をし、情報を取り入れ人々が進んで行く中
彼女だけは、全てが止まっています。

お父さんが大好きな良い子ですね。
ただそれだけが、彼女が今こうしている理由といっても過言ではないかと。詳細は作中冒頭。

ペンを動かすことも、歩いてどこかへ向かうことも、人と対話をする事も、息を吐くことすら。

それがヤヨイの最も良いところなのですがね。
エピソードのたった一つの用語が違っただけでも、
作中の彼女は、桜庭ヤヨイにはならなかったでしょう。

彼女にとってそれほど過去は手放しがたく、
あまりにも尊い存在であり
記憶だけを頼りに、刻々と淡々と
動いている全てについていく為の動力源となっています。

彼女は確固たる意思で、心より父を敬愛してやみません。
守る為、彼女が死に物狂いで培ったもの全ては
やはり、強く固く結ばれています。
そうですね、実に。非常に頑固ですね。

そんな彼女が団員たちと出会ったことにより、
どう揺れ動くのか。
彼女の秒針は動き出すのでしょうか。

黒野京 20240824

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