ローリンガールライブってみたのコンセプトや仕掛けなど

〇コンセプトと本番まで

#超会議2023 #百歌リサイタル
ローリンガールライブってみたに関してぼちぼち書いていこうと思います!
まず初期コンセプトは
・みんなの声を解放する
・誰でもできることをとにかく全力でやる
でした!
3年ぶりの声出し解禁ということで皆さんの声を存分に出せる時間を作ろうというのが一番強かったです。
私はよくライブに行きます。百歌企画発表時、ちょうどライブ会場での声出しが解禁された時期でした。でも、ライブでみんなの声、全然出なくなっていました。3年前と同じ空間で同じイベントをやっても、声出ないんです。これは私自身もそうだったので原因をたくさん考えました。「体が鈍っている」とか「声の出し方を知らない」とかそういうことじゃないんです。3年間でみんなは「声を出してはいけないというブレーキがかかる体になってしまった」これが私の結論でした。みんなは本当にお利口さんで、声を出したいと思ったときに声を出すなとブレーキをかけてしまっていたんです。だから私がその心のブレーキを解放し、みんなの声を解放しようと強く決心して取り組みました。
歌って踊って煽ってローリンガールはめちゃくちゃきつかったので毎日走り込むところから練習が始まりました。なんとか1回通せるレベルになったので動画を撮って投稿しました。クオリティは高くないけれど、そのクオリティはみんなでどこまでも上げることができる、そんな作品でした。この時すでに私の頭の中にはみんなの声も幕張の景色もしっかりと浮かんでいました。

動画投稿後

ステージに上がれるかどうかは確定していない。でも信じて練習を続けました。上げた動画は再生数こそ100程度でしたがコメント数が多く、5人に1人程度がコメントを打ってくれていました。すごく嬉しかったし、これは必ず実を結ぶと確信できました。さらに生放送のゲストの発表、1次選考通過の連絡もあり、全ての情報が自分を肯定してくれました。
そして生放送、自分の意図した狙いに加え、意図せぬウケもあり、私は超会議への出演が決まりました。本当に、自分の音楽と人生全てが肯定されて、受け入れてもらえたような気分でした。そしてその過程には私の好きなドラマもあり、自分は百歌リサイタルの主人公なんだと思いました。

当日まで①

まずは他の出演者さんのことをたくさん調べました。この時点では自分以外のことがわからなすぎて怖かった。でも怖いのはみんな一緒だと思ったし、いつか必ず向き合うべきことだと思ったから、自分から歩み寄りました。相手の音楽をリスペクトし、なるべく相手に寄り添いたいと、共により良い音楽を奏でたいという一心で1人1人にアプローチしていきました。そうして私は1人1人のことを知っていくのですが、私以外の出演者は全員経歴があるプロのような方ばかりで、逆に怖くなりました。でも怖さの本質は「未知なる恐怖」から「超えるべき畏敬」へと変わりました。そして改めて「百歌は自分に懸かっている」という思いが強くなりました。何の経歴もない自分が拳1つでこのイベントのヒーローになる。そうじゃないと百歌リサイタルは噓になる。だから全てのニコニコユーザーと全てのアーティストの希望を背負い、自分が百歌で天下を取る。そう決めました。
・百歌を百歌のまま成功させる
・自分の夢と百花繚乱の夢を同時にかなえる
・ニコニコの未来を切り開く

これが私が自分に課した新たなミッションでした。大きなことを言っているように見えるけれど、これは自分だからこそできることであり、みんなとならば絶対できる確信がありました。
そして覚悟を決めてから数日後、ローリンガールの楽曲使用許諾が通ったという連絡がありました。最強の楽曲。全力で支えてくれる最強の運営。世界一最強のMC。最強のライバルである共演者。絶対最強で何より信頼してるみんな。あとは自分が最強になるだけだ。
もう私には何も怖いものはありませんでした。

当日まで②

それから超会議の直前特番があり、各ブースのタイムテーブルがわかりました。13時とは超会議のゴールデンタイムであること、本当に自分たちにはニコニコの未来が託されているんだということがわかり、私は本当にワクワクしていました。憧れの人や大好きなコンテンツと正面からぶつかり合えるなんて、なんて最高なんだろうとワクワクが止まりませんでした。それから会場や流れを意識してMCもかなり練習していたところで、当日のセトリが出演者に発表されました。トップバッターはビートまりおさんのえーりん、あとは皆さんがご覧になった通りです。百歌の最強打順とビスコさんの奇策を同時に味わった私は興奮が止まりませんでした。イメージを新たにMCを変えて練習して台本を共有して、そんなことを繰り返していました。

前日

超会議前日、最後のスタジオ練習を終えた私の元にたくさんの情報が届きました。
・マイクは有線であること
・コメントがスクリーンに流れること

マイクは無線だと思い込んでいた私は近くにあったホースを握ってパフォーマンスの練習を始めました。自分の準備不足を嘆く時間も惜しかったのでとにかく本番コードに恐れないための練習と影響のありそうな振り付けの見直しを急ぎ行いました。ここからが勝負だ。不完全ではありつつもその気持ちで幕張の宿に向かいました。そして幕張についた私に更なる情報が届きました。
・ビートまりおさんが出演できなくなってしまったこと
その瞬間、本当に感情がぐちゃぐちゃになりました。でも数秒後には運営さんにMC変えますと連絡を入れて、近くの公園で練習を始めていました。穴の開いたセトリ、不十分なパフォーマンス、課題はたくさんあった。でも打ち克つ鍵は全部自分が持ってる。何より、みんなのコメントという最強の援軍が確定した。最高の朗報に目を向けろ。それからセトリをもう一度見て、今まで何度も唱えてきた言葉がまた頭に浮かんだ。「百歌は俺に懸かってる。ニコニコの未来も。みんなの夢も。必ず成功させるんだ。」公園のステージで静かに拳を上げ、練習を再開した。

本番当日

結局MCも決まらないまま、当日の朝を迎えた。いつものように走り込みながら歌を歌い、その日のコンディションを作る。
リハーサル
本来は体力温存のため流し運転の予定だったが、出演者と運営の仲間達を前日の悲報から断ち切るため全力でやった。そして有線マイクともご対面。やれる。そう確信した。リハでのみんなのパフォーマンスも最高。初めて見るはずなのに、ずっと見守り続けてきたような気持ちだった。行ける。
開場
帰ってきた超会議。声の出せる超会議。それをみんなに伝えこむかのように大きな声でみんなを迎え入れた。みんなの笑顔が嬉しかった。みんなのリアクションが嬉しかった。夢中でみんなを迎え入れてるうちにお開きの時間になった。声を出しすぎて体のコンディションは崩れていたが、そんなことは今まで何度も経験していたのでひたすらマッサージ、ストレッチ、呼吸法でコンディションを回復させた。それから少し時間があったので超会議を散策しながらみんなの顔とライバルブースを見て回った。
11時
昼食。この時間に食事をとることはずっと前から決めていた。それから改めて超歌ってみたブースの雰囲気、空気、景色、振動、五感で感じ取りながら、MCを完成させにいった。にぎやかだったので発声練習もできたし、舞台裏は広かったのでパフォーマンスの練習もできた。ストレッチ。発声。イメトレ。練習。ひたすらそれを繰り返して過ごしているうちにゲストの方々が続々と舞台裏に入ってきた。憧れの方を前にしても、共演者としてのあいさつを終えたらすぐに調整に戻った。恐ろしいほどの自分の集中力が心地よかった。成功させることしか頭になかった。
12時50分
百歌リサイタルは始まった。舞台裏にいながらも、前の番組から客層が変わっていることにすぐに気が付いた。新しい声。最前の声は男性から女性に変わっていた。新しい空気の振動から、またイメージをアップデートしていった。ここにいるみんなとステージを作るんだ。最初の楽曲で出演があったため舞台裏にいたが、それを終えたらリハ同様に客席に戻った。この最高のお祭りを前に客席にいないのは意味がわからない。客席こそが定位置。みんなと何も変わらない男は、そのまま客席からステージに上がっていった。
 
ここから先は、本当に記憶があいまいだった。みんなのこともっと眺めていたいなと思いながらも絡まってくるマイクケーブルに視界も足も声も奪われて、ただただ必死だった。どんどんみんなの歌声が大きくなってきて、ただそれを聴いていたくなって、歌うのをやめた。歌わなきゃってなって必死に歌った。そうしてステージが完成した。みんなと1つになって、ローリンガールは息をやめた。客席には百花繚乱の景色が残った。
 
そのまま客席に戻っていって、あとはもう純粋に番組を最後まで楽しんで、終わって、ちょっとして、集中切れて、カレー食べて、めちゃくちゃ疲れてて、超会議が終わる前に家に帰った。

〇パフォーマンスの仕掛け

みんなが声を出す・1つになるための仕掛けは数々のライブ映像や私がずっと通い続けた様々なジャンルのライブ現場からヒントを得て割と細かく仕込んでいました。どれも根っこの部分にあるのは声出しのハードルを下げることと声を出してくれたあなたを肯定することです。

①背景に大きな歌詞の映像を流す

声を出したいと思ったときに、では一体どのように声を出すのが正解なのか、その答えである歌詞を常にバカデカくスクリーンに出していました。あまり例は多くないのですが、私の好きな「VJ+アーティスト型のライブ」に近づけました。ステージに乗っている側からすればどんな声でもどんな言葉でももらえればすごくうれしいし間違いなんてないんですが、声出す側目線だとどうしても間違いたくないって思っちゃいますし、出した言葉が間違っていたらちょっと落ち込みます。でもみんなで同じ歌詞を歌えばどんどん楽しくなってもっともっと歌いたくなります!そのために歌詞動画を背景に流していました!
バックスクリーンに歌詞動画を流したいと運営さんにお話したところ、「GBで作ればカメラ映像と合成できます」とアイデアをいただき、当日は「歌詞+カメラ+コメント」が常にバックスクリーンに流れるようになりました!思えばここで運営さんに締め切り過ぎているのに演出追加の相談をしたところから私の演出はどんどん良いものになっていった、ターニングポイントだったと感じます。

②繰り返しの歌詞や振りでみんなを呼び込む

ライブ中にせっかく声を出したのに「上手く出なかった。失敗しちゃった。出さなければよかったのかな?」となることはありませんか?みんなをそんな気持ちには絶対にさせないために、同じ歌詞を繰り返すタイミングでみんなを煽り、声出しに2回以上試行回数を与え、気持ちよく終われるようにしていました!せっかく声を出してくれた人に寂しい思いは絶対させたくなかったし、声出したことを肯定してあげられるような仕組みを作ってました!
ローリンガールには同じ歌詞の繰り返しポイントがいくつかあります。
サビの「もう一回、もう一回」はみんな声を出しやすいと思うのですが、同様にAメロに「掻き回して、掻き回して」という繰り返しのフレーズがあります。ここをみんなの声出しポイントにすることでAメロきれいに終われます。
さらに例の踊りの振り付けはAメロ頭の2小節×2回と繰り返しになっていたので、1回見本を見せた後に「踊りましょう!」と煽ることで2回目みんなが自然と入りやすくなる&踊ってくれてる人を肯定できるようにしました!これでAメロは完成します!

③ところどころ拳を上に上げる

どちらかというとMCの話になるんですが、リズムよくステージと客席でやり取りするにはレスポンスのタイミングをわかりやすく出してあげることが大事。ということでなるべく声出したりみんなの気持ちが昂るポイントで右手の拳を高く上げるようにしていました!それを曲前のMCから刷り込んでいくことによって徐々にみんなが拳に対して反射的に臨戦態勢をとれるように意識していました!

④とにかく自分が必死にパフォーマンスすること!

これは仕掛けでも何でもないです!精度よりも熱量のステージだということを私がとにかく必死で表現しました!客席からも必死で愛を送ってくれるお客さんはライブ会場でよく見られます。でもそういう方が個人的に浮いた感じのライブって会場は1つにならないんですよ!だから私が一番必死にみなさんに愛を送ります。あらゆる方法を使って必死にやります。そうすると、客席はずっと私に注目します。ヘイト管理みたいなもので、みんな私に対してターゲットを当て続けてくれるんです。そうすると、客席は自分以外のお客さんに興味を持たなくなり、他人を気にして恥ずかしがったり、個性の強すぎる他人を見て逆に冷静になったりということがなくなります。誰も浮かない、誰も孤立しない、客席はそういう状態になるんです。そうやってみんながただひたすら私に愛を返せばいいというシンプルな構図が出来上がります。
難しそうな言葉をたくさん並べましたが、とにかく私はどこまでも必死にみんなに愛を送りを続けた結果、みんなから凄まじい愛がとてつもない一体感で帰ってきて最高のライブが完成しました!

と、別に特別でも何でもないようなことをたくさん書きましたが、基本的なようで意外と当たり前ではないんですね。大事なのは、ライブとはいつだってステージと客席の信頼関係で成り立っているということ。それをしっかり理解したうえで、お互い手を差し伸べられるようなパフォーマンスを全力ですれば必ず良いステージが出来上がると私は信じています。

〇最後に

というわけでみなさん本当に百歌リサイタルありがとうございました!
「何の実績も知名度もない男が誰でもできることを全力でやりつくして拳1つで超会議で最高のステージを作る」という私の挑戦は、みんなのおかげで本当に大成功に終わりました!
私がこの企画をやろうと思えたのは超パーティー2022のロビーの歌ってみたブースでのみんなの姿を見て、みんなとなら絶対やれるって思ったからなんです!企画思いついてから今ここに来るまでの間、大変だったこともそれなりにありましたが、いつだってみんなへの信頼だけは絶対で、だから本当にみんなのおかげなんです!
私は人前で歌ったことすらありませんでしたが、私の中には今まで見てきたたくさんのライブシーンがあり、それこそ私の前で引退していったアーティストさんもたくさんいました。だから私のパフォーマンスには本当にたくさんのアーティストの思い、それを応援してきた方々の魂、そういったものが全部込められていました。全部背負って闘いました。だから初めてのライブだとは思ったことないです。いつだって音楽はつながっているんです。
全てを背負ってみんなとパフォーマンスができたこと、本当に誇りに思います!これが最高のライブだって自信を持って言えます!

これからもニコニコと音楽がいつまでも続いていきますように!
ありがとうございました!

まさお