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ホレンテ島の魔法使い 色んな考察とか

村神都並です。

ホレンテ島の魔法使い最終巻が発売され、遂に一気に最後まで読めるようになった。

人間、案外少しの間で思考が離散してしまうもので、単行本が出ることで改めてその繋がりを意識出来る部分が多分に存在し、真なる複線というものが見えてくるのだ。

今回は、今までの考察を含め一旦の私の結論を記す。
谷津先生も続き描きたいって言ってるからね。
どっかでまた新たなネタが出てくるかもしれないからあくまでも一旦なのだ(というか都橋文の断片の話をツイートしているのでもう出ている)


・こっこの触媒

こっこは断片や宵句を行使するに辺り、力のある箒がないと使用することが出来ない制約が存在する。

その箒だが、この作品の一部固有名詞の原作であるグリム童話「美人のカトリネルエとピフパフポルトリー」において、ピフパフポルトリーの生業であると記載されている。

これを軸にするとカトリネルエの祖先がこっこの可能性があり、考察界隈で語られるカトリネルエの祖先ユシャ説を通しきれない理由となる。

・カトリネルエ


マジで香取ネルエの可能性がある。

カトリネルエという名前がホレンテの昔話から浮いているのも、意図して隠すため裳之美家が働きかけたものと考えられる。

香取観音もネタに見せかけた複線の可能性があり、
裳之美家のものであるため、真実を隠しながらも観光向けに作られたと考えられる。

2巻の絵本が史実を表しているならば裳之美家は旧香取家であり、魔法に一番近い存在として管理を行っていると考えられる。

これと上記の考察等があり、カトリネルエの祖先は完全に確定しきれないのである

・断片という存在


魔女カトリネルエという存在がホレンテに心を奪われた際に分離、離散したものと考えるのが妥当。

ユシャが1話で語った部分はこれが周り回ったものと考えられる。

魔法の力を行使出来るものであり、島外に出ると発揮出来ないため女神キノが関与していると考えられる。

ファーマンは直接的な受け取り手、それ以降に生まれた者(八愚楽等)を含めこっこは遺伝或いは継承したもの(親が子供に心奪われたために自動的に移る可能性アリ)

詠の場合は先に妹に断片が継承されたため後天的に得たと見るべきだろう。

かるてと詠の後天的な断片入手方法は最終話にて提示されたが、おそらくその方法ではなく、八愚楽、ファーマン世代に受けられるはずだったものが何処かに潜伏しており、それを得た可能性が高い。

島西部以降の足を踏み入れづらい場所であれば可能性は0ではなく、「当時の魔法使いの盛り場は西部である」こともそれに拍車をかける。

ユシャの場合、本来継承されるはずのものが未だに八愚楽に存在している場合、入手先はかるて達と同じものになる。

ユシャは西部出身であるため、この入手方法に違和感はない。

断片の継承に関しては、最終話以外にも1巻範囲で示唆されており、舞台のキャスティングの際に「魔法を受け継いだ4人の村娘」という設定があり、断片の継承を表していた。

しかもそのコマには「誰でも魔法使いになれちゃう島」と書かれている。用意周到が過ぎる。

・こっこの宵句


アルファベット表記は「fumar」であり、スペイン語で「タバコを吸う」という意味。
そこから転じて煙を立たせる宵句と思われる。

しかし、この宵句はこっこ本人が作成したものではないのは断片の特性からして明らかだろう。

・ヨミルーラ


所謂"ショートカットキー"の構造であり、ヨミルーラのみを先行で出した後に温泉回までで宵句という存在を解体していたと言える。
単行本で一気に読むことによりこれが強調されており、谷津先生の構成力の高さが伺える。

ヨミルーラはこの段階で宵句として昇華されており、構造を理解しているものは使えると考えられる。
おそらくユシャはちょっと勉強すれば使う事が出来るだろう。

・宵句

ホレンテ島に眠りし女神キノの力を行使するものと見るのが妥当だろう。

作成するに辺り断片を所持している必要はあるが、行使するのに辺りそれらの力は必要としない。

そのため、カトリネルエと直接的には関係がないと思われるが、カトリネルエ=女神キノである場合はこの限りではない。


・東京で“ホレンテの描写”が無い理由

この回を除き、宵句or断片が行使される、もしくはそれに言及するシーンがあるがこの回には存在しない。

下記に東京回である21話までの各魔法描写を電子版基準のページ数を記す。

1巻

☑️1話こっこの断片(p13)
☑️2話かるての断片(p18、p22)
☑️3話かるての断片(p29)
☑️4話ファーマンの帽子作成(p39)
☑️5話詠の断片(p47)
☑️6話詠の宵句?とボルトラン古語の本(p51、p53)
☑️7話宵句とかるて、詠の断片(p62、p65、p66)
(この回で初めて3~4コマ目以外に明確な断片描写が出た)
☑️8話かるての断片(p69)
☑️9話かるての断片(p84)
☑️10話詠の演歌(宵句)
☑️11話ユシャ、かるて、詠の断片(p99)
☑️12話ミュージカル回

2巻

☑️13話断片の話とこっこ飛行直前(p10~11、p16)
☑️14話かるて、詠の断片(p23~24)
☑️15話同上(p25.30.31)
☑️16話宵句(p39)
☑️17話宵句の特性の話(p44)
☑️18話かるての断片覚醒
☑️19話宵句(鉄道唱歌)、あむ作成の魔道具、宵句の構造(p59、p62、p63)
☑️20話労働者の宵句(p69)

ホレンテの魔法は島外に持ち出すと効力を発揮しない性質があるためというのが明確な理由なのだが、この回にはしっかりと“魔法”が存在することは読者の皆様なら分かることだろう。

こっこに掛けられた魔法は、1話でのあむとこっこの会話を想起させるものであり、非常に“やんごてぇ”ものと言える。

・タピオカとX線 


実は情報に関してかなりの速度を誇る事がX線の話(2巻p51)で明かされているため、第一次タピオカブームの際に導入されており、こっこの母(=魔法使い)が飲んでいた可能性は0ではなく、1巻タピオカ回でのこっこの発言は、真実であると推測出来る。


・ファーマン=毛皮の男


名前からして確定事項なのだが、問題は「文献によって見た目の性質が違う」ことだろう。

ファーマンの断片を人化と仮定すると、時期により姿を変えていたと推測出来る。

タピオカ回のコマを考慮した場合、こっこ母が存命の時期はその力を行使していないと考えられる。

「俺も飲んでたと思うよ?タピオカ」はこっこの言葉を補強するものである。

あむが1話でファーマンに違和感を感じなかったのは断片の力が漏れていたのかもしれない。

・有害図書の表紙「今こそ魔法使いを捨てる時」

単なるネットスラングですら「いずれ魔法は離散し消滅する」という部分を考慮するとあながち笑い話では済まされない話になるし、谷津先生のネタの拾い方は流石としか言えない。

後記

まだ10周程度しか読んでいないため、新たに考察が生まれたら記事を書いていく予定ですのでその際はよろしくお願い致します。


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