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沈黙のアート

マルセル・マルソーの映画
「沈黙のアート」を観てきました。

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僕はパントマイムが好きです。
パントマイマーと呼ばれる人たちが作り出す作品。その世界がとても好きなんです。
腹が捩れるほど笑えて、いつの間にかホロリと涙が流れてしまうものまで、ステージにいるアーティストの方と観客である自分の脳がフル回転で、その場に新しい世界が生み出される。言語や人種も飛び越えて伝わり、人間の本質的なものを描こうとする人たち。マイムというものを勝手に尊敬しているんです。




2002年だったかな。
宮城にまだ住んでた頃、地元の冊子(仙台リビングとかだったような)に山形県にマルセル・マルソーというパントマイムの神様が来る。という広告を見つけて…
なんだからわからないけど、観に行きました。

山形県の初めて行く田舎のほうの街で、体育館・公民館のような場所での公演。えっこんなところでやるの?って思って笑
地元の子供から大人の方まで集まってきて、美術も特にないステージで、でも始まってから、そのステージには、いくつもの世界と物語が浮かび上がったんです。
全貌までは覚えているわけではないのですが、たくさんの作品をやってくれて、その中でも強烈に覚えているシーンがいくつかありました。人間の一生や悪魔と天使の手。何も無いところに本当に物語が生まれていて…



その頃はストリートダンスをやってた頃だから。(タップもまだやってなかったな)今までに見たことがなかった世界で、心の奥の方から湧き起こる感動があって、パントマイムっていうものの芸術性を感じた経験でした。たった一回だけ観ただけですがとても影響を受けました。

それから数年して、YouTubeで動画漁ったり、観てもいないパンフレットをヤフオクで買ったりして、全くやった事ないけどw パフォーマンスや言葉に、ハッとさせられる事が多くありました。



そんなマルセル・マルソーさんの生誕100周年映画。
「沈黙のアート」。マルセル・マルソーの家族や関係の深かった人たちの言葉で紡ぎながら、マルセルの側面の一部を感じ取ることが出来る映画でした。戦時中の社会情勢や差別、戦後の時代の流れの中を生きた人生だからこそあのような人の心に訴えかける作品が生まれたんだろうなと。
あの時、感じた感動を改めて思い出しました。

良い時間だったな。というお話でした。


今日も館内にとても素敵な言葉があったので載せておきます。


生命力によって叙情的に満たされ続けた(動き)でなければ、それは虚空に描かれた(虚無な)絵のようなものだ。
動きとは常にある思いを内包していなければならない。このマイムという表現方法に強力な力を与える動的活力は人の内側から湧き起こってくるものであり、そしてその始まりは「沈黙」なのだ。
沈黙より内的なリズムが生じ、それが人間の思いにダイナミックな表現を動きを通して与えてくれるのだ。ーマルセル・マルソー



#マルセルマルソー
#沈黙のアート
#シアターイメージフォーラム
#パントマイム

タップダンスをより多くの方に知っていただくための活動資金(様々な土地でのライブ・ワークショップの経費)にさせていただきます。よろしくお願いいたします。