見出し画像

レンタルなんもしない人をレンタルした話

随分前からその存在を知っていて、本を読んだ事でとてつもなく興味をもち、いつか会いたいと思っていました。

レンタルなんもしない人は2018年に始めたサービス。

「レンタルなんもしない人というサービスを始めます。一人で入りにくい店、ゲームの人数集め、花見の場所取りなど、ただ一人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。ごく簡単な受け答え以外なんもできかねます』

本には『存在給』というものがひとつのきっかけとも書いてあったり、ここまでの様々な道のりなど共感することも多々ありました。

ただ一人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。

それだけに価値を見出す。
そんな発想…どの境地にたったら閃くんだろうw しかもそれを実行しちゃってる行動力。只者ではない。

もともと他にもレンタルサービスみたいなのはよく聞くけど…

さらに全てを削ぎ落とし、『存在』だけをレンタルする。

哲学的すぎる…


とにかくこの人は自分で社会実験しちゃっているおもしろい人なんだろうなと。

レンタルしました。

2月に都内の白掘り撮影スタジオで僕の撮影があったので、その時にタップを見てもらうという事でレンタルしました。

レンタルの場所のイメージをお伝え切れずだったので、予想していた場所と違う感じだったと思います。言葉足らずでごめんなさい…

レンタルさんに
タップを見たことありますかと聞いてみたら

「なんとなくなら…」

という事でしたのでなんだか俄然緊張してしまいました。

対面し、椅子に座ってもらい踊りをみてもらいました。

始める前から存在感ありすぎ。

大御所俳優のようなずっしり感。

やられました。

僕のおどおどはマックスでした。

そんな僕に引き換え、

レンタルさんはとにかく姿勢が良かった事半端ない眼光の持ち主ということがわかりました。

存在している

てか、存在感半端ない!

なにもしてないのに存在感半端ないっす!

踊り始めは、どんな反応するのかなぁと気になって、ちら見していましたが、とにかく姿勢が良く、僕の顔を見る眼光半端ないため、こちらがさらに焦る。

あ、これじゃだめ…

という事で気持ちを仕切り直し、踊りに集中しました。

"みられている"ということがこんなにも自分の意識を乱すのかと、昨年100本ライブした自分が笑ってます。

いや、しかし。

レンタルさんの眼差し半端ないんすよ。

あれはちょっと…

もうなんか…何もしてないけど、存在感がぱないんです。

(存在感しか言ってなくてすみません。汗)

僕の尊敬するダンサーには、踊らずともそこに存在するだけでそれが踊りとなる。そんな人達がいるのを知っているからか、この人も一歩間違えたら完全にダンサーとしての素質ありまくりだよと思ってしまうわけです。  (僕の数十年後の目標でもある)

しかしふと踊るのに集中していたらなんだか楽しくなってきて、ついつい思ったより踊ってしまいましたw

終了後、レンタルさんに感想聞いてみました。

きっと簡単な受け答えだけだよなとドキドキしましたがタップみての感想言ってくれて嬉しかった。

嬉しくなり自分の話しもしたのですが、なんか色々言いたいことがありうまく話せなくて…落ち込んだ…言語化鍛えないと…

レンタルさんはとても良い人だった。

本で読んでいたのもあってか、独特の世界観でしたがすごく親近感も感じられるよい時間でした。サインもしてくれた。

つぎは2人きりでお酒を交わしてみたいという新たな想いが芽生えました。ふたりでなにもしないダンス作品もつくってみたいな笑

今回撮影したものは、今年の公演の時になんらかのかたちで観れるようにしたいなと思ってます。

"あたらしい生き方"を間近で体験できました。

『MURATA黄昏40』の時にもレンタルして公演みてもらおう。



誰でもできそうな"なにもしないこと"だけど、このレンタルは、あの人だからこその代替不可サービスでした。

楽しかったです。ありがとうございました。


レンタルなんもしない人をレンタルした話でした。終


タップダンスをより多くの方に知っていただくための活動資金(様々な土地でのライブ・ワークショップの経費)にさせていただきます。よろしくお願いいたします。