名前で呼んで

小生は氏のことを名前でなく「靴下コレクションさん」といちいち通名で呼んでいるわけですが、これ、検索よけとかそういうことではなくて、実はちゃんとした理由があるのです。

中国や日本には「諱(忌み名)」という文化があります。
大まかに言うと、「人間の本当の名前は魂と深く結びついており、その名を呼ぶことで魂を支配できるので、目上の高貴な人物を名前で呼んではいけないし、そもそも本名を他人に教えてはいけない」という考え方です。
紫式部や清少納言の本名が不明なのはそのためです。(「式部」や「少納言」は親の官職名)

ジブリ映画でもこの考え方は出てきますね。
湯婆婆に名前を奪われたハクが過去の自分を失ってしまったり、まことの名を明かしてしまったアレンがクモに支配されてしまったりしています。
特にゲド戦記はこの思想がキーになっており、物語の終盤でアレンとテルーが"信頼できる人間にしか教えてはいけない"まことの名を教えあうことによって、重大な局面を乗り越えます。


さて、吸死の世界に話を戻します。
第110死に「人間・靴下コレクション」として登場した彼女の本名が初めて公開されたのは、単行本10巻のおまけページ。
その後も何度か登場しますが、本誌での呼称・柱のキャラ紹介ではずっと「靴下コレクション」名義で、FBの、週バンのインタビューを受けた際の匿名コメントのイニシャルも「T」ではなく「K」でした。
本誌に「タビコ」の名前が出たのは、なんと例の309話が初めてです。

また、たびたびアカジャにも登場しますが、(画面の向こうの「読者」と対話している時を除き)他キャラとの絡みがあるときは「靴下コレクション」名義で、そして、たいていヴェントルーと一緒にいますが、ヴェントルーも他キャラの前で「タビコ」の名を呼ぶことはしません。

このことから、
 「靴下コレクション氏は本名を隠している」
 「しかしヴェントルーには本名を明かしている」
≒「ヴェントルーにだけ名前を呼ぶことを許可している」
のでは?

という可能性に気づいてから、
「自分が彼女の名前を呼んだら解釈違いなのでは?」という理由で
靴コレさんを名前で呼べなくなってしまったのでした……(CPガチ勢)

まぁそもそも吸死は主人公すら通名というかあだ名だし本名を隠しているわけでもないし、なんならキックボードのガキ氏すら本名不明なので、あんまり「まことの名」に意味はないのかな? とも思います。ヴェンが他人の前で彼女の名前を呼ばないのも、単純に恥ずかしいからとかじゃないスかね。
よってこれは仮説というより妄想です。

ただ、このままいくと、彼女が死ぬときまで名前を呼んでくれるのはヴェントルーだけなんだろうなぁって思います。

余談ですが、うちの靴下組まんがは先述の「ヴェントルーにだけ名前を明かし、かつ呼ぶことを許可している」設定で書いているので、ヴェントルーは他人の前で靴コレさんの名前を呼ばないように気をつけているし、他キャラも靴コレさんの名前を知らないというテイになっています。
おヒマな方はチェックしてみてください。

さらに追記。
村さんは「ヴェがタを可愛いと発言してディに『確かに美人だけど彼女を可愛いと思ってるのはたぶん貴方だけですよ』とツッコまれてほしいが、そうなると俺がタさんを可愛いと認識するのは解釈違いなのでは?」とかいうタイプのCPガチ信仰者なので、ヒヨニキと三ッ木ーとタさんのお話を考案していたんですけど「他の男がタさんの名前を呼んでいるのが無理」という理由でボツになりました。難儀なオタク……

FBに「本名:タビコ」と表記されていたので、それが偽名ということは流石にないだろうとは思うのですが、漢字表記の和風な名前をヴェントルーが発音するとカタカナ表記になる(「ヨシダサン」みたいな)とか、漢字を読めないヴェントルーの誤読からできたあだ名=ヴェントルーがつけた名前 とかでもオイシイなと思っています。

対して中身もないのにすごい文章量になってしまった。
対して中身もないのに読んでくれてありがとうございました。
それでは最後に聴いてください。

「なんでお前ら名前で呼んでるんだよ!!!!」

~完 ヌン~

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