Strigoika ~タビコさん吸血鬼説

「我が名は人間・靴下コレクション! グッドスメール」
「見て分からんか? 靴下しゃぶしゃぶだ」「いただきソックス!」

数多の変態吸血鬼たちが登場する「吸血鬼すぐ死ぬ」において、燦然と異彩を放ち、『人間の変態』の名をほしいままにする人間・靴下コレクションことタビコさん。
古き血の吸血鬼・ヴェントルーとの関係性も含めて魅力的なキャラクターですが、彼女に対して抱いている疑問があります。

「タビコさんは本当は吸血鬼なのではないか?」

そう思うようになったきっかけがこれ↓

(公式ファンブック1巻カバー裏より引用)


ナギリの隣、思いっきり「吸血鬼」と書かれたところに分類されている……。
気にしなければ気にならない誤植程度のことなのかもしれませんが、与えられた情報すべてに疑ってかかる性質の人間が色々考え過ぎた結果、それらしい理由がたくさん出てきてしまったので、ここに書き記しておこうと思っています。

タビコさんが吸血鬼ではないのか?と思う理由

①吸血鬼然とした性格
②身体能力の高さ
③変態
④キャラ相関図でのポジション
⑤アニメ版の原作との相違点

一つずつ詳しく説明していきます。

①吸血鬼然とした性格
作中で語られている「吸血鬼の性格」として「享楽主義」「目先の利益に弱い」「他者と協力をしない」「自分の所有物に対しての執着心が強い」などがありますが、あの、全部タビコさんに当てはまるんですけど……。
享楽主義→言わずもがな靴下狩り。そのためには色々な犠牲をも厭わない。
目先の利益に弱い→どの話だったか忘れたけどこういう文言あったよね……? 吸血鬼について下調べをする割に、御真祖様には丸腰で突っ込んでいくあたり、目の前にニンジンぶら下げられたら飛びついちゃうんだなって……。
他者と協力をしない→これは「自分の血族以外どうでもいい」の曲解ですが、鬼ごっこ回を見るに、古き血たちは人間たちに対して「他のチームを手伝うな」と言う割に、自分のチームの人間と協力はしないし、他チームの古き血と協力をするということもドラルクに言われなければしなかったんだろうな……と。ヴェントルーもエルダーさんもイシカナさんもディックさんまでも、自分の能力を自負して単身突っ込んでいきましたが、タビコさん、古き血の吸血鬼たちと同じことをしている……。
自分の所有物に対しての執着心→ヴェントルーはまぁタビコさんのものなので省略しますが、喜怒哀楽の喜と楽でできているようなタビコさんが唯一「怒」の感情を表したのが、靴下酒を勝手に捨てられたときなんです。(あと、アカジャの鬼ごっこでヴェントルーを助けなかったのも、ダチョウに言い寄られていたことへの怒り…というかヤキモチでは?という説があります。)

②身体能力について

身体能力の高いロナルドに「何て身のこなし!」と言わしめるほどの高い身体能力は、吸血鬼に成って得たもの?
ヴェントルーにあれだけボコボコにされても靴下を奪えるだけの余力があったのも、吸血鬼の頑丈さに因るものかも……。
日光については、タビコさんが夜型の生活なので、自然と日光を浴びずに済んでいるのかもしれない……。

③変態
特筆する必要ある? これ……。

ここから長くなります。

④キャラクター相関図におけるタビコさんのポジションについて

イ. 人間。レイアウトの都合上、吸血鬼のスペースに突っ込まれた。
ロ. 人間。「こいつを人間にカウントしていいのか?」という多方面からのツッコミにより、人間のスペースから追い出された。
ハ. 今は人間だが、吸血鬼に転化する√の示唆。
ニ. 既に吸血鬼である。

イ……完全にうっかりで、深い意味は無い説
しょっちゅうトーン貼り忘れたり服のパーツ描き忘れたりする盆先生の、よくある凡ミスならぬ盆ミス。
作中でタビコさんと繋がりのあるキャラクターがヴェントルーだけなので、彼の近くに配置しようとしたら、「ヤベェうっかり靴コレを吸血鬼のスペースに入れてしまった!」となっただけではないか? 編集さんも「まぁ靴コレだしいいんじゃないスか」で終わりそう。
でも、あれだけ伏線を張りめぐらせて色んな分岐を展開させる先生がそんなミスリードするかな……?

ロ……吸血鬼のスペースであることを認識はしているが、やっぱり深い意味は無い説
「多方面」とは作者とか読者とか編集部とか新横浜の面々の意です。
アニメのHPのキャラ紹介ページでは「新横浜の人々」に分類されたり、ホワイトデーでは「退治人組合」と同日に登場しているので、そもそもポジションを何処に設定していいのか作者サイドも困っているような感じがする。ヴェントルー以外と誰一人として繫がりがないのだと思うと滾るのですがその話は今度しようね。

ハ……吸血鬼に転化する√の暗示説
世間的には「タビコさんは人間のまま散ってほしい」支持者のほうが多く見られますが、まぁ、読者の期待をイイ意味で裏切ってきた先生なので……。
転化するとしたら……ヴェントルー絡みですよね……? ほかの吸血鬼の血によるものだったらピヨちゃん泣いちゃうよ……?
ただ「血に因らない自力での転化」の方法もあるにはあるので……。次項目で触れます。

ニ……既に吸血鬼であるとする説
「元は人間だったが、何らかの原因で吸血鬼に成ったので、吸血鬼のスペースに分類されている」説です。
原作での「吸血鬼のルール」として「人型のものはエルフ耳」「フキダシの形が尖っている」という条件がありますが、
「作中に登場している吸血鬼は『バンパイア』だが、『ほかの種の吸血鬼』だったら、そのルールが適用されないのでは?」という暴力に近い屁理屈を用います。

「ストリゴイ」という吸血鬼がいます。
――ルーマニアで伝承される吸血鬼。赤毛で青い目をしており、生きている心臓と死んだ心臓の2つを備えているとされる。女性形はストリゴアイカまたはストリゴアイエ。
  「ストリゴイイ」と書かれる事があるが、これはルーマニア語で複数形の定冠詞がついた形であり、種の名称としては「ストリゴイ」となる。単数複数同形なので複数でも同じ言い方をする。
  甲高い叫び声を上げると伝わり、語源は「叫び」を意味するストリガである。―― (引用:pixiv百科事典)
バンパイアとストリゴイを同一とする見方もあるようですが、今回は別の種として扱います。

人間がストリゴイに成る条件(もちろん死んだあとに成る)は「7番目の息子として生まれる」「死体を猫に跨がれる」など色々あるのですが、
そのうちのひとつに、「吸血鬼に殺される」があるのです。
タビコさんは、ヴェントルーとの戦いの中で一度命を落として=吸血鬼に殺されて、吸血鬼ストリゴイに成ったのではないか?
というのが、自分の考え得る一番それっぽい仮説です。

⑤アニメ版の原作との相違点

Ⅰ. ロナルドの台詞
Ⅱ. 吸血鬼の気配
Ⅲ. 瞳の色

Ⅰ.ロナルドの台詞が「人間の変態だー!!」→「変態だー!!」になっている
Twitterでもトレンド入りした、タビコさんの代名詞でもある「人間の変態」がアニメで聞けなかったのは残念でした。
原作では台詞の順番が「我が名は人間・靴下コレクション!」→「グッドスメール」→「人間の変態だー!!」と、タビコさんの名乗りが先だったので、ロナルドは「彼女が人間だと名乗ったから吸血鬼ではなく人間だと判った」のですが、アニメ版では「グッドスメール」→「変態だー!!」→「我が名は人間(略」だったので、「ロナルドは彼女が人間か吸血鬼か分からない状態だったので人間と呼ばなかった」。
……のだと思っていたのですが、どうやら舞台版でも「人間の」という枕詞がカットされていたらしく、とある方は「意図してそういう言い方にしたのか?」と言っていました。
「人間の」という枕詞を省くのに意図があるとしたら?
それは彼女を「人間」と指し示してはいけないから、
彼女が人間ではないから。
……考えすぎ?

Ⅱ.「吸血鬼の気配!」発言
作中において、
・人間は人間と吸血鬼の区別がつかない
・吸血鬼は人間と吸血鬼の区別がつく
・ダンピールはより高精度に吸血鬼を判別・察知できる
という前提があります。Ⅰ.の「ロナルドはタビコに人間と名乗られるまで彼女が人間か吸血鬼か判別できなかった」のはそれです。いや吸血鬼と間違えられる人間てどないやねんと思うんですけど、長く生きすぎた吸血鬼ならともかく若い人間の女があんなポンチだと思わないじゃん……。
アニメ版では、タビコさんが「吸血鬼の気配!」と言って吸血鬼熱烈キッスが背後にいることに気づいて襲い掛かる……というシーンがあります。
(そもそもあのウインナーを見て吸血鬼だと思えるかはともかく)タビコさんが人間と吸血鬼を区別して襲撃できるのは、人間と吸血鬼の区別がつくのは、吸血鬼だからでは?

Ⅲ.瞳の色が原作とアニメ版で違う
……と言っても、タビコさんの原作でのカラー登場が、200死の巻頭カラーすごろくのやつしかないんですが。とりあえずそれを基準にします。
原作でのタビコさんは、ブラウンの髪にエメラルドの瞳ですが、
アニメ版だと、赤毛に近い鳶色の髪に、暗いブルーの瞳の色をしています。
ここでさっきのストリゴイの話が出てきます。「赤毛で青い目をしている」のがストリゴイの容姿の特徴です。
……お分かりいただけただろうか?

それから、アニメには当然ながらフキダシがないので、「フキダシの形」という判別方法が潰れるため、仮にタビコさんがバンパイアだったとしても視聴者が判別する術はないのです。
ヴェントルーとの戦闘シーンがサイケデリックな色味だったのは「回想」であることを表すための演出と考えるのが妥当ですが、あのおかげで、「タビコさんの瞳の色が最初からブルーだったのか」が分からなくなっているので、それを隠すための手法だったのかも……?

自分はアニメや舞台も噓世界やΔと同じ「派生」だと考えているので、アニメ版のタビコさんが原作と違う設定という可能性は十分にあると思っています。
なので、まとめると「アニメ版のタビコさんはヴェントルーとの戦いで一度命を落とし、ストリゴイとして復活し、赤い髪と青い瞳になった」になります。


●セルフつっこみのターン

・吸血鬼なら血を飲まなくていいのか?←それはそう。いくらヴェントルーの飯が美味くても栄養面でアウト。
・気配で察知できるのは吸血鬼じゃなくダンピールでは?←うん。
・自分の姿が鏡に映らない時点で気づくのでは?←バンパイアだけでなくストリゴイも映らないんだろうか? 教えて有識者…
・ギョーザ食ってたじゃん←そもそも吸血鬼の作ったギョーザなのでニンニクが入っていない可能性がある。
・ヘルシングレーダーの例があるので、人間も頑張れば察知できるのでは?←ヘルシングはスーパー退治人なので参考にしてはいけない。
・本人が『人間』を名乗っているじゃん←自分で自分を人間だと思っていたらそうじゃなかった事例はいくらでもある。(e.g.映画「シックス・センス」)

かなり力技な理論ですが、とりあえず、
「(少なくともアニメ版に於いて)タビコさんはヴェントルーの戦いで一度命を落とし、吸血鬼ストリゴイに成ったが、本人はそれに気づいていない」

というのが自分の考える「タビコさん吸血鬼説」としてのまとめです。

バカげた思い込みなのは百も承知なのですが、
「靴下を奪われて衰弱死するなんてそんなバカみたいなことがあるか?」
というのがそもそもこのタビコさんというキャラクターなので……。

深夜テンションのクソ長文を読んでくださりありがとうございました。
反論でも賛成でもいいので意見があればお寄せ下さい。

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