きむすば劇場旗揚げ公演『オムニバース』ネタバレ無し感想

ラーメンズ、小林賢太郎が好きな人。

悪い事は言わん。配信チケット買って観て!!!(配信は13日からですが配信購入の期限は5日までなのでご決断はお早めに)

きむすば劇場(@Kimusuba_Gekijo)さん / X (twitter.com)



10月31日、新宿にある「こくみん共済coopホール/スペースゼロ」にて開催された、声優の木村昴さん主催の”ひとり劇団”、きむすば劇場のお芝居を見てまいりました。

お芝居と言うか、コントでしたかね。
出演は勿論主催者でもある木村昴さんと、もう一方、こちらも声優の浅沼晋太郎さん。
二人でのお芝居、コント。

そしてその旗揚げ公演の作・演出を、我らが(?w)小林賢太郎が勤めると言うではありませんか。


思えば、僕がこうして毎週noteを書いている一番のきっかけは、小林賢太郎さんでした。
ラーメンズ好きだったむらまさ、小林賢太郎さんの作る作品はラーメンズ以外でも、ソロプロジェクトの「ポツネン」、プロデュース演劇の「KKP」、コント公演「カジャラ」と観れる限りのものはみてる程度には小林賢太郎ファンで有りまして、先般のオリンピック開会式の演出家としての騒動の折、彼を擁護する記事をここ、noteにて複数挙げた事がスタートとなっております。

とは言え、その折にはtwitter、現Xにおいて毎日ラーメンズのコントを紹介したりしてたものの、時間が経って件の話題も誰の口の端にも上らなくなり、けなされる事も攻撃されることも無くなった半面、特に擁護の話題も無くなり、僕もコントの紹介もしなくなり、日々仕事で摩耗し、ゲームで気分を盛り上げ、色んなイベントで楽しんで発散している中、さほど活動が活発に思えるほどは届いてはこない小林賢太郎さんに触れる時間は、ファンであるはずの僕としてもいよいよ殆ど無くなっていきました。

春ころでしたか、配信コント公演『回廊』と言う作品は拝見して、久しぶりに触れるコバケンの世界に心躍り、とても楽しませてもらったんですが、平素note毎週更新でネタが無い、ネタが無いなどと唸っている中、『回廊』については多分一切触れてない筈なんですが、劇場に足を運んぶ「イベント感」が無かったためか、僕の中で記事にするほどの大きな出来事になり得なかったんですよね。


そんな中での、きむすば劇場の「作演出・小林賢太郎」の情報。

実は、「やった!行こう!!」とはなっておりませんでした。

情報が出た時に「行きたいな」とは当然思いました。
しかし、チケットの発売のスケジュールは確認したものの、普通に日々を送っていた中でその事はすっかり忘れ、気が付いたらチケットは完売しておりました。
興味の強度として、指折り数える、と言う状態ではなかったんですね。今時スマホでメモやらアラームやらセットできるのに、それすらしてないし、これがどうしても行きたいライブのチケット発売だったらそもそも忘れてないですから。


「まぁしょうがない」と諦めていた中、意外な方向から公演を観れるチャンスが訪れました。


ヒプノシスマイクです。

きむすば劇場座長たる「木村昴」、そして旗揚げ公演のパートナーを務める「浅沼晋太郎」は、共にキャラクターラッププロジェクト、『ヒプノシスマイク』に出演されている声優さん達で、僕は友人から勧められて、ヒプマイにハマっておりました。

また、勧めてくれた人とは別の友達が、以前カラオケでヒプマイの楽曲を歌っていたのを聞いていたこともあり、その友達に教えを請い、作品について色々教えて貰った結果、より深く作品を好きになり、またライブビューイングで声優さんたちが出演する公演を一緒に観たり、ついにはライブ会場で生のパフォーマンスを観に行ったりするまでになりました。


その後者の友人が、チケットを譲ってくれたのです。
そもそもきむすば劇場の存在や、そこで小林賢太郎がスタッフとして参加する事になったことを教えてくれたのもその人で、もう15年近い付き合いになるその友達は僕がラーメンズ好きであることも知っている上、当然ヒプマイ関連で木村昴や浅沼晋太郎にある程度親しみを持っていることも認知してくれていたので、「この3人が絡んだお芝居だし観に行かないか」と誘ってくれたんですね。

ただ、その時点では僕の中では「友達と観劇」と言うイベントを楽しみにしている、と言う感じであり、木村昴や浅沼晋太郎を観れるとか、小林賢太郎演出が観れると言う方面で、このイベントに対して大きな期待を抱いてはいませんでした。
勿論、3人とも好きな表現者なんですけど、出演者二人はあくまで「好きな作品に出ている声優さん」、そして小林賢太郎に関しては先述の通りの気持ちの落ち着きようで、ファンでなくなることは絶対ないと断言できるんですが、今は少し「冷めて」いたかもしれません。


そんな、ハードルの低さが手伝った、と言う可能性もあると断わった上で。



『オムニバース』、滅茶苦茶面白かった!!!!!!!!!!!!

僕が人生で一番笑ったのは間違いなく、ラーメンズ第17回公演『TOWER』を劇場に生観戦しに行った時で、その時は笑いすぎて呼吸が出来なくて死ぬんじゃないかと思うほど、大げさじゃなくて笑いすぎて苦しくて体を折り曲げてたくらい笑ったんですけど、

流石にそこまででは無かったものの、それに次ぐくらいには笑いました。
マスクとかしないで観に行ったんですが、あんまり笑っちゃって押さえられなくて、着ていた服をで口元を隠さないとやばい!ってなるくらい笑いました。
ワハハ!!と笑うほかに、2度ほど吹き出してしまって、コロナ禍を経ているモノだから飛沫とか気にしちゃって、抑えなきゃ…と思いつつ、笑いが抑えられませんでした。

久しぶりに劇場で心底楽しく笑ったなぁ。


ネタバレ無しと書いた通り詳しく内容には触れませんが、twitter(X)などで既に作品を観た人の感想を探してみると、幾つか出てくる「ラーメンズじゃん!」と言う意見、僕もそう思いました。
「令和のラーメンズ」と評している方もいらっしゃいましたが、僕が大好きな小林賢太郎フレーバーがこれでもか!と言うくらい詰まった、純正お笑いコントでした。

小林賢太郎さんの作る作品って、本人が「爆笑だけが”面白い”じゃない」と仰ってる通り、笑う以外に「感動する」「感心する」「ビックリする」「怖がる」を相手に見せる演出をすることがあり、ファンであるはずの僕も「面白い…けど笑いはしなかった」「すげぇ!…けど笑いはしなかった」って作品もあったりして、必ずしも大満足!って内容のものだけではないんですが、今回は「笑う面白さ」がてんこ盛りに詰まってました。


そして、それを表現する人として舞台の上で暴れた二人の役者さん。

ラーメンズっぽい内容でしたけど、今回の内容を最も輝かせることが出来る役者が、木村昴であり浅沼晋太郎でした。

コバケンがどういう意図で今回の作劇を書き上げたのかは僕には分かりませんけども、演者たる二人の性格、技量、特質を存分に活かし、彼らありきで書き上げたキャラクター達だったように僕は感じました。


木村昴のどっしりと腰の落ち着いた芝居、喋り、抜群の存在感、動きのキレ、その完成度の高さが脚本をより洗練させ、コントを面白くしていたのは間違いなく、今回の演劇の堂々としたホストぶりは、小林賢太郎が作る特異な世界観に上手く溶け込みつつも、座長木村昴を強く観客に印象付けていたと思います。

一方の浅沼晋太郎、年齢としては木村昴より14歳年上のベテラン(今調べて初めて知ったが俺と同い年か…)なんですけど、その経験からくる落ち着きと、剛も柔も自在にこなせる変幻自在の演技力と圧倒的な振り幅、そして包み込むように座長を立てサポートしつつ、広い目線で客席の反応を捉えながら舞台を盛り上げてくれる、完璧な助演っぷり。

僕は観ながら間違いなく「ラーメンズ」を想起しましたが、終わってみると同様に面白かった上に、ラーメンズとはまた違う二人による、別アプローチの、ラーメンズのコントの世界の代名詞たる「非日常の中の日常」「バカ二人」と言うスタンスの作品が展開されていて、物凄く見ごたえのある作品として仕上がっておりました。


コメディアン、ラーメンズのコントの笑いは爆発的なものがありましたけど、演劇人、きむすば劇場主催の木村昴とそのパートナー浅沼晋太郎のコントはまた別の良さがあり、その素晴らしい演技力による世界の構築とイメージ伝達で観客をじっくり物語の中に誘ってくれて、お話に引き付けられながら思わず笑ってしまうと言う最高のエンターテイメントを見せてくれました。

まぁあと、なによりも、声が良い!
活舌が良い!!
小林賢太郎の訳の分からない台詞回しが、何の違和感も無く変な突っかかりも無く、舞台の上に居る「目の前で喋っている二人の自然の会話」として受け入れられるのが見事としか言いようがありません。


いやぁ、すげぇ面白かったです。

「友達と観劇」と言うイベントのつもりで行った今回のお芝居、終わってみればその作品の虜ですよ。
終わった後は友達と大興奮してずっと感想を言い合ってました。あんなに面白いとは思わなかった!こんなに笑えるとは!!本当に良い作品だった!!!


これはぜひ、色んな人に見て貰いたい作品です。
ラーメンズが好きじゃない、と言う人も世の中には沢山いて、そういう人は観て楽しめるかどうかは分かりませんけど、ラーメンズが好きな人は絶対に見るべきだと思うし、ラーメンズ良く知らないって人は一度体験してみる事をお勧めします。
木村昴のファンは当然チェックして然るべきだと思いますし、浅沼晋太郎のファンも必見の内容と言えると思います。

『オムニバース』は11月5日まで絶賛公演中、基本チケットは売り切れている筈ですが、ネットを探せば都合によって行けなくなった人達が譲り先を探していたりするのを見かける事もあるので、交渉してみる価値はあると思います(怪しい人に騙されないでは頂きたいですけど)。

行ける日程でチケット譲渡希望者がいない、日程的に行けない、住んでいらっしゃる場所が新宿から遠くて行けない、と言う方もいらっしゃるでしょうから、そういう方は是非、冒頭に貼ったきむすば劇場のXのアカウントから辿れる、配信チケットをご購入いただき、配信を見て頂ければと思います。


損はさせません。
絶対に面白いと思います。

「怪人」木村昴と、「才人」浅沼晋太郎、「奇人」小林賢太郎の3人が織りなすコント公演、堪能してみて頂きたいです。

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