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「かわいい」は「欠落」です

■ こんな方にオススメ
 ● 「かわいげがない」って言われるけど、どうすればよいかわからない
 ● 自分や他人の「発言」に隠れた心理を探りたい
 ● 単純に、言葉への考察を深めたい
■ ざっくりいうと
 ● 「かわいい」「かわいげ」は「未熟」「欠落」の裏返しです
 ● 哺乳類の赤ちゃんがかわいいのは、生存戦略との説もあります
 ● 「かわいげがない」のは、完璧な人、または「完璧を装う人」です

※ この記事は、個人の経験による見解です。あえて極端に書いた点もあり、すべての場合に当てはまる「正解」とは限りません。
⇒「そんな考え方もあるのか」と知ることで、ちょっとだけ、あなたの思考が加速したり、モノゴトの見え方が変化したら嬉しいです。


ディスる気はまったくないです(笑)

タイトルに「欠落」と書きましたが、かわいい人や物を否定したり蔑んだりする意図はありません。「かわいい」は強く人の心を惹きつけます。「かわいい」を持っていると、強力な武器になりますね。
一方で「かわいげがない」と言われる人がいます。他人から言われたくない…ネガティブな意図で使われる表現ですね。

かわいげ」って何でしょう?「かわいい」と何が違うのでしょう?
そう思ったら「かわいい」自体も、いったい何??
 ・愛らしい?
 ・キュート?
 ・大好きなモノ(物や人などの存在)?
人によっても、かわいいと感じるモノが違って、難しいです。
一説には「近くに居たい/置いておきたい感情」とありますが、それだけでは趣味や尊敬・愛などとの区別ができないですね。
(しつこいですが、辞書的な「正解」でなく、人が使うときの心理や意図を探っています)

いろいろ観察している内に、気付きました:

「かわいい」や「かわいげがある」は「未熟」や「欠落」があることだ


「違う!私の推しのカワイイは"完璧"だ!」って声が聞こえてきそうです。
まぁ、そう腹を立てず…背景をお読みください。

「かわいいモノ」集まれ!

代表選手

主観が絡むので…なるべく多くの人が共通して「かわいい」と感じる例を挙げてみましょう:

  1. 動物(哺乳類)の赤ちゃん

  2. ヒトの赤ちゃんや子ども

  3. ぬいぐるみ

  4. ミニチュアなど小さい物

その逆は?

  1. 動物(哺乳類)の赤ちゃん ⇔ 成獣

  2. ヒトの赤ちゃんや子ども ⇔ 大人

  3. ぬいぐるみ ⇔ リアルな人形

  4. ミニチュアなど小さい物 ⇔ 実物・実物大モデル

比較の右側を見ると「完成」「完全体」のイメージが湧いてきませんか?

ベビースキーマ ⇒ 庇護・養育本能

なんと、動物の赤ちゃんは「かわいいことで襲われにくい」という説があるそうです。

【要約】動物の赤ちゃんの、大きな頭、丸い顔、大きな目などの特徴により「かわいい」と感じられることが、他の個体からの攻撃を避けるための進化的な適応であるという。この現象は「ベビースキーマ」と呼ばれ、動物行動学者のコンラート・ローレンツによって提唱された。

ベビースキーマは大人のかわいさ知覚と養育行動の動機づけを引き出す(Glocker et al., 2009) – 【論文紹介サイト】論文ナビ (rnavi.org)

どうやら「親が子どもを守り育てる」種の動物は、幼い特徴を見ると「守りたい・育てたい」という本能が呼び起こされるようです。
アイドルや推し活も、「私がこの人を守りたい!育てたい!」という感情が大きく関わっていそうですね。

そうです。「かわいいの代表選手」には「幼い/弱い/未成熟なモノへの庇護・養育」の感情や、それを連想させることが共通して見えてくるのです。

「かわいげ」がある・ないとは

「未成熟・欠落」説を、「かわいげ」でも考えてみましょう。
たとえば「何事も完璧にこなす、隙のない人」は、かわいげはありますでしょうか? あまりそう感じませんね。
ところが、そんな完璧と思っていた人が、うっかり左右別の靴下を履いてきて、照れ笑いしているのを見たらどうでしょう?

そう、「欠点や弱み」が「かわいげ」に繋がっています。
天然ボケな人にも、かわいげを感じることが多いですね。

一方、欠点があっても、かわいげない人がたくさんいます。
こんな人ではないでしょうか:

  • いつまでも同じ間違いを繰り返す(ことで迷惑を受ける)

  • 失敗や欠点を絶対に認めないで、反論や言い訳ばかり繰り返す

反感や嫌悪を生むほどのレベルや量だと「かわいげ」ではなくなりますね。
たまに垣間見えたり、許せる・笑えるレベルだったりする「欠落や弱み」が、どうやら「かわいげ」のヒントのようです。

優秀でも、ひけらかす雰囲気を出している人には、近付きたくないですね。
弱みをさらけ出してくれる先輩って、なんとか助けてあげたくなりますね。

強がりな私も、どこか「かわいげ」を感じてもらえる存在になりたいものです(笑)


【補足】
「未成熟・欠落」とはかけ離れて見える「かわいい」はたくさんあります。また最近は、"カワイイ" や "Kawaii" がどんどん拡大しているようです。
下記は何となく推測できますが、言葉の進化・変化は日々加速してますね。
● 「かわいい服」や「かわいいインテリア」
 ⇒ 恐らくそこに「代表選手」で挙げたような「かわいい存在」を連想し、それを着ていそう・住んでいそう…そこから発展しているのではないでしょうか。赤ちゃんは、よくフリル付きの服を着てますよね。
● 「キモかわいい」や「ブサかわいい」
 ⇒ その人にとっては「代表選手」を見た時とそっくりな感情(魅力)を感じることから、適用範囲を広げているのでしょうか。

※ 関連記事:
「かわいい」ってなんだろう:実験心理学の研究で分かったこと | nippon.com


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