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\視察後対談/いま、みんなが見ているネット記事が周回遅れ?圧倒的な速度で進化する深セン

深センでの視察を時系列でまとめてきたが、実際にどんなことを感じたか視察に行った、本田/黒田で語ってみた。
その内容も文字興したので是非見てみてください。シリーズ記事でこれが一番面白かったです(←自画自賛)

~視察後対談~
本田:本、黒田:黒

事業のスピード感が早すぎて、もう倒産しかける無人コンビニ

本:記事にまとめると長かったね。ここからは対話形式で掘り下げてみよっか。気になったことは?

黒:まずびっくりしたのはやっぱ、”無人コンビニ”、”モバイク”が日本では今からって言われる中、もう中国では下火だったこと。

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本:なんで下火かは記事に書いたけど、やっぱネットの情報と現地で得られる話って違うかったよね。

黒:向こうはとりあえずやってみる。挑戦しないことは失敗することよりダメという文化だって、聞いてたけど、それを目の当たりにした感じ。

本:こういうって個人のマインドだけでなく、環境としてのサポートも必要なんじゃないかな?

黒:エンジェル投資家が溢れているのも大きいって言ってたね。後でネットで調べたらシリコンバレーの投資先がなくなってきていて、エンジェルマネーが深センに溢れてきているみたい。エクイティだからチャレンジしやすいよね。リスクマネーだしリスク冒してなんぼだし(笑)

本:エンジェルマネーって単年の利益ではなく企業が数倍に成長することを望むし、ちょっとやそっとの赤字なんて関係ない感が、このダイナミックな事業になるんだろうね。

本:あと記事にも書いたけど、深センの電気代が日本の半分くらいというのもテクノロジーを活用する上では重要なインフラだと思うよ。

黒:そうそう。法制度でのサポートというかしがらみがないのもいいよね。日本なら路上に自転車乗り捨てなんて、救急車が入らないとか言って、絶対反対される(笑)

本:確かにー。まず「やってみる精神」が重要だね。

黒:そうね。やってみるの延長だけど、「まずは深セン現地に行って体験すべき」だと思う。ネット記事だけでは全然手触り感が得られない。ホント今回の視察で実感した。

圧倒的スピードに順応同化する中国人

黒:この中国視察で感じたのが中国人のデジタル適応の早さ。これ日本で適応できるイメージ持てる??

本:ないな。日本だと全員がそうとは言えないけど、年配の方があそこまでのオールデジタルの波に適応しきれないんじゃないかな。

黒:日本の老人だったら、自分が使えないからって「そんな若者贔屓の最適化するなんて、あり得ない!政府はfgjk」って言いそう(笑)そういう意味で街に老人あまり見なかったよね。

本:www 全然いなかったね。平均年齢が34歳(65歳以上は人口の約2%)って聞いたけどまさにその通り。

黒:街中が若いって活気があって、すごい進化の速さを実現してたけど、何でだったかヒアリングできてたっけ?

本:大学等を卒業して5年以内に起業した場合に他の都市よりも多く補助金が支給されたりして、若者をひきつけたこともあって深センに住む95%の人たちが他所から来たしいね。
https://dev.classmethod.jp/etc/shengzhen/

黒:そういう意味で、社会保障に振り分けるお金が不要なのが経済後押しのポイントだったりするかもね。

黒:あと日本のニュータウンの時にも問題になったけど、こういう他所から若者が移り住む街は、住民と一緒に街が年老いるから、数十年後人口施策講じないとゴーストタウン化しそうだね。街づくりのケースとしても参考になる事例になるかもね。もっと言うとどこかでDownサイドになるだろうから、そこで投資が一気に抜かれるだろうし、その動きも見てみたいよね(笑)

本:・・・・

本:そういえばさ、失礼ながら渡航前って中国って民度低いってイメージあったんだよね。列に並ばないとか押し合うとか。そんなのも全然なかったのは認識が改まったなぁ。これって信用スコアの影響よね。

黒:信用スコアはやっぱ偉大だよね。生活の至るところで、受けれるサービスが信用に紐づいていて、自分勝手な行動でスコアを落とすのが不利益って判断してるんだろうな。すごい合理的な民度改革(笑)

本:自動車のローンプランが信用スコアに基づくって話あったよね。

黒:この信用のスコアリングが可能になったのは”モバイルペイ”の普及がでかいよね。

どこもかしこもWeChat Payとアリペイ

本:モバイルペイね。深センで驚いたのは本当にどこでもモバイルで決済できたことよね。我々はWeChat Payしか使えなかったけど。現金は一円(元)も使わなかったね。

黒:実は8年前に中国出張行った時に余った現金200元持っていったけど、どこも受け取ってくれなかった(笑)

本:それ古いだけじゃないの?w

黒:レジ要員が不要だから、店員さんはひたすら作って渡すだけ。反復作業になって習得も早くなるだろうし。これ省人化とオペレーションの単純化ですごい店舗改善に寄与してそう。

本:店舗オペレーションにはめちゃくちゃありがたいよね。さすがの日本もレジの無人対応はやっていくだろうね。てかやらなきゃビジネスがもう持たないよ。

黒:さすが現場プロセス担当(笑)※本田くんは現場プロセスの改善を提案する部門

黒:あとさっきの話に戻すけど、何にお金を使っているか全てのお金の動きを捉えることができるので、生活のログが残り、信用スコアに結びついていく仕組みもすごいなと思うな。

本:変なところにお金使ったら「黒田くんはアブナイ人」ってわかるもんね(笑)

黒:おい(笑)まあ、こうやって生活ログが取られるということ自体が日本では受け入れられないよね。そういう意味で、共産主義を経験した国は強いなと思うな。旧ソ連のデジタル化もきっとその流れだし。

本:そ、そうね。(ここは無言でスルーするのが一番)

黒:あ、この話題から抜け出せなくなりそうなので話を戻そうかw

本:あざす(笑)レジが無人化されると店舗自体のデザインも変わって店舗のあり方も変わってくると思うんだ。

中国で見たデザイン戦略

黒:お、デザインの話!!それ深堀ろう。レジがなくなることでオペレーション改善の話はさっきしたけど、空間的な使い方も変わるよね。

本:レジがなくなったことで今までなかった新しいスペースができるし、そこをどう使うかっていうのは一つの視点だと思うな。

黒:何か今回の深セン視察で気づいたことある?

本:今回行ったMUJIホテルと小米の旗艦店は印象的だったなあ。記事にも書いたけどMUJIホテルはホテル内の家具やアメニティを無印良品の商品で統一して、無印良品が描く世界観を体現する空間を作っていたと思う。それから小米、あそこはなー、ちょっと思うところもあるけども、アップルストアと同じく見(魅)せることに特化した店舗空間だったと思う。日本のアップルストアもそうだけど、そこを真似てかレジがなかったように記憶している。

黒:いいところはパクる。こういう野心的な思想は個人的には好きなんだよね。キティ―ちゃんとかキャラのパクリは許せないけどw

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本:ミッキーマウスとかね(笑)それに展示台にささったスマホの角度ね。あれは手に持たないと画面が見えないように展示してから、つい手に取りたくなる設計なんだけど、あれもアップルのパクり。ただ気に食わないのは店内の照明が黄色っぽかったこと。あれじゃせっかくのスタイリッシュさが伝わらない!!

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黒:アップルの空間デザインとかめちゃくちゃ勉強しに行ったんだろうね。パクリも中途半端なのが、中国スタイr・・・おっと。

本:(笑)アップルストアは全体的には超設計されているよー。

黒:そういう意味でLuckin Coffeeも空間スペースの使い方も特徴的よね。通常のコーヒー店は店舗で飲む空間設計にするんだけど、Luckin Coffeeはテイクアウト前提だから、極小スペースでお姉さんがコーヒー淹れてて、手渡し口があるだけっていうのも新しかった。現金いらないから、ATMが潰れ、その跡地にLuckin Coffeeが店舗展開しているという話もイノベーションだと思ったなあ。

本:顧客が商品を使ってではなく、商品にまつわる全ての体験を考えることがこれから大事になってくるね。

黒:そういう意味でフーマフレッシュは全体設計がすごかったよね。

オンライン通販倉庫としてのデジタルとリアルを融合したフーマフレッシュ

本:まずびっくりしたのは生きた魚介類を生け簀で販売していること。中国だと品質が悪いってイメージあったけどさすがに生きているものなら新鮮さも疑いようがないわ(笑)

黒:あそこは1日で何がどれだけ売れるのか、めちゃくちゃAI分析して把握しているので、売り切れる設計になってるみたいだね。だからいつでも予測に基づいて仕入れをできるから、活きのいい魚とかが陳列できているみたい。それにあそこの元々の機能価値は流通倉庫だもんね。

本:ネット注文すればフーマフレッシュは3km圏内であれば30分以内で指定の場所に届けてくれるってマッサンも言ってたね。街中にあるネット通販用の倉庫がフーマフレッシュでそこに僕ら一般人も買い物できる感覚に近いのかな。

黒:そうそう。街中に流通倉庫を設置するのはコストが合わないんだけど、スーパーは設置されるからね。オフラインとオンラインを上手く組み合わせたみたいな感じがしたな。

黒:深セン視察へ行った日本人が良く写真に撮ってくるコンベアもあれは空間としての使い方としてオモシロいよね。

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本:顧客から注文のあった商品を店内で担当のスタッフがピックして、ドライバーへとパスをするというやつね。あのバックヤード見たかったなぁ...。

黒:そこ見逃したのは痛いよね。ピックした商品を配達のドライバーに渡すまでの時間がロスだから自動化して届ける工程カットという考え方と、今ピックしたものをきちんとドライバーに届けているというパフォーマンスも兼ねているんだろうね

本:お客さんとのリアル接点で信頼を演出するという考え方か。オンラインとオフラインの機能をよく使い分けているという視点でもデザインされている感じがするね。

黒:なるほど。あのパフォーマンスをそこまで読むか。さすがデザイン大好き本田君(笑)

本:レジも当然ながらキャッシュレスだしほぼセルフ。あれ現金で支払うと悲惨なんだよね。

黒:そうそう。キャッシュレスレジとはまた別口で1つだけ有人レジがあったけどすごい行列だったよね。デジタルに取り残されるとこうなるのか、って戦々恐々とした。

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本:日本の将来か…(笑)

終わりに

黒:この旅を振り返ってみたけど言語化すると結構あるね。永遠喋りそうなので一旦締めよう!

本:そうしよう。追加で聞きたい人はDMくださいな(宣伝w)。

黒:そういう意味で、やっぱり現地出向者(マッサン)がいなかったらここまで学び持ち帰ることはできなかったよね。

本:間違いない。インフラ弱者かつ情弱な訪問者は何も得られずに帰るよ(笑)マッサンには本当に感謝。

黒:ホント感謝っす!情勢に明るい現地人に案内してもらうことが深セン視察の必須条項だなって思った。

本:うんうん。ただの観光旅行で終わるよ。

本田&黒田:(声を揃えて)マッサン、ありがとうございました!そして、ここまで読み進めてくれた稀有な皆様もありがとうございました(笑)

黒:締め方雑?以上、深セン視察の後日対談のまとめでしたー。

深セン視察過去記事

Day0 準備編
https://note.mu/murajuku/n/nfde22cf8b910

Day1 出発日編
https://note.mu/murajuku/n/n0a28e54ba376

Day2 深セン市内視察編①
https://note.mu/murajuku/n/ne1f7a175b0fb

Day2 深セン市内視察編②+Day3 最終日編
https://note.mu/murajuku/n/nad9ada43bb74


Tolked by
本田慎二郎Twitter
https://twitter.com/shinjiro330

黒田健太朗Twitter
https://twitter.com/murajuku

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