見出し画像

スギ舌下免疫アレルゲン療法の現状について

総括:2023年のスギ・ヒノキ科花粉症

2023年のスギ・ヒノキ科花粉症(以下、花粉症)シーズンもそろそろ終わりを迎えようとしています。今年はしんどかった方も多かったのではないでしょうか。また、不幸にも今年発症してしまった方もいらっしゃるでしょう。

2023年のスギ・ヒノキ科花粉の飛散数はここ3年間で一番多く、例年の1.5倍~2倍の飛散数が観測されたようです。
https://tenki.jp/pollen/expectation/

当院の2月~4月の来院患者も例年の約1.5倍にもなり、コロナ禍に込み合う待合室になってしまったこと、必ずしも皆様の要望に応えることができなかった部分もあり、この場を借りてお詫び申し上げます。

全国的にクスリの流通が止まっています。

さて、私は前職で10年あまりアレルギー外来を勤めており、免疫療法に長く携わってきました。その経験を活かし、花粉症症状がひどい方を中心に舌下免疫アレルゲン療法を勧めさせていただいています。

さらに、2023年は自身へのスギ舌下免疫アレルゲン療法(以下、舌下免疫)の導入とその効果の体感を踏まえ、例年以上に舌下免疫をアナウンスしました。

ところが、ここで思わぬ事態になりました。今年の花粉症のひどさに加えて、TVでアレルギー性鼻炎の大御所(サムネイルの方)による舌下免疫の特集が組まれ、大変注目を集めたそうです。これにより舌下免疫の導入を希望する方が爆発的に増えたことで、薬品メーカー側が意図的に舌下免疫のクスリの流通にストップをかけています。

薬品メーカーがストップをかけた理由は「既に舌下免疫を導入している方への薬品の確保」であり、「継続することが最重要」である本治療にとっては至極妥当な判断だと思います。

これからスギの舌下免疫を希望される方へ

現時点で、当院に導入用の薬品は極僅かしかありません。

そこで、薬品の割り当ては決して早いもの順ではなく、2023年までのカルテを参考に、以下の方を優先的に導入させていただきます。

以下の方を優先的に導入します。

例年花粉症がひどい方

自覚症状だけではなく、実際の鼻の状態も参考にします。

内服や通院の継続が確実に期待できる方

「継続が最重要」な治療法であるためです。

◎優先度を判断するために、希望者のリストを作成します。2023年6月30日が締め切りです。

上記の優先度の判断を公平に行うため、あらかじめ希望者のリストを作成させていただきます。導入が決まった方には個別にお知らせします。

残念ながら該当しなかった方は薬品の流通が安定するまでお待ちいただければと思います。また、当院に花粉症の時期に通院歴がない方については上記の判断ができませんのでお待ちいただくこととなります。何卒、ご容赦ください。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?