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ひと夏の思い出〜手相の勉強してますって言って話しかけてくる人達、消えた?

新宿駅にいると昔、真面目そうな男性や女性が、急に話しかけてきたりしたの。内容は「手相の勉強してて、見せていただけませんか?」みたいな内容だった。
結局、宗教の勧誘だったり、謎のブレスレット買わされたなんて、噂があって、最近まで話題だった、やばい宗教団体の末端じゃないかなんて噂もあったりで。そんな人達が最近、すっかりみない。あーいう業界も人手不足なのだろうか??
それとも、構成員がゆとりで、えー、無理、それって命令ですか?と言われたりして教祖が困ってたりするのか。

こんな話しをしながらふと、自分の高校時代を思い出す、高校時代、自分の住んでるところから学校まで、新宿を経由しなければいけなくて、毎日帰り道、新宿のアルタの地下にある銀だこを食べてから家に帰っていて、それはそれは充実した学生生活で。
ある日、怪しいおばさんに話しかけられて、あんまり普段は話しを聞かないけど、その日はなんとなく話をきいてしまって。そのおばさんは、私に「私たちは、赤羽に集まって、歌ったり踊ったり話したりしてるの、よかったらきて、あとこれよかったら聴いて」とカセットテープをもらって、だれかわからないおばさんが表紙を飾っていて、
タイトルが『薔薇よ赤い薔薇よ』というタイトルで、聴いた事あるようなないような?なタイトルで。
そのおばさんは、「もし気になったら遊びに来て」と言って赤羽ウィングと書いてある名刺を渡された。
おばさんの言うとおり、そら気になっているわよ?笑 別の意味でね笑

カセットテープを1人で聴く勇気はなかったので、次の日学校で事情を話して友達と聴いてもらうことにしたら
そのテープには知らないおばさんの断末魔みたいなシャウトと録音の悪い歌声が入っていて、人をバカにしたくてたまらない世代の私たちは爆笑し、男子の中ではちょっとしたブームになった。
友達は「俺もこの人達に会いたい」と
少し怖くて、赤羽ウィングの話しはせずに、収束しかかった数日後。
また新宿でそのおばさんに話しかけられた「前のテープ、いろんな意味で話題になりました、学校で」と言ったら
そのおばさんは、新作があると、新しいテープを出してきて
「これは新作だから1000円」と言われたw
また学校で人気者になれるならいっかと思いながら、素人の焼き回し切ったテープが1000円て、まぁまぁやるなと思いながら、タイトルをみると
『私が鳴らす鐘はどこ』と書いてあった。
知らんがな!知らんがなだし、鐘失くすかね?アホすぎない?

そんなシンプルなツッコミを思いながら、少しワクワクしながら、やはり友達と聴いた。
ここで私は目が覚める。
最初の衝撃がないんだよね。
ビックリするような新宿での出逢いにドキドキするようなエピソード、カセットテープ。全てがワクワクを盛り上げ。入っている音楽は聴くに耐えないもの。
それが多感な時期のぼく、そして他の男子を喜ばせていたんだと。
新曲はさして盛り上がりもなく、悲鳴も入ってない。

友達は「これもおもしろいじゃん」と盛り上がり、別の男子の集まりに持っていくのだよ。
興醒めも興醒めで帰り道。
赤羽ウィングに行く気もおきず、日常に戻る灰色の道。自分なりにドキドキを楽しんでたんだなーと、失恋みたいな気分で京王線に乗って、代田橋まで。

それから赤羽ウィングババアは会ってない、死んだかな。
あれが宗教なのかいったいなんなのか、解明できてないのが、心残りw
被害金額1000円笑

ひと夏の思い出。

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