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公開記事●各地の湖に潜むネッシー型UMAたち 古代の宇宙人:水中の怪物/宇佐和通・ヒストリーチャンネル

人間にとっての「未知の世界」──水中。世界各地の湖には、巨大な水棲怪獣が潜んでいる。CS放送「ヒストリーチャンネル」の人気シリーズ「古代の宇宙人」から、注目の番組を厳選紹介!

文=宇佐和通


​©2020 A&E Television Networks.All Rights Reserved

オカナガン湖のオゴポゴ

 去年の7月、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるオカナガン湖で、水面が奇妙な形で激しく波立つ映像が撮影され、話題となった。ユーチューブにもアップされて、あっという間に拡散したことは記憶に新しい。水面下で何かが激しく体をうねらせるような形の波を見たネットのマジョリティーは、「オゴポゴが写った」ということで意見が一致した。オゴポゴらしきものが動画で撮影されるというケースは、いうまでもなくきわめて珍しい。

 また、最近はネッシーの新しいフッテージ(未編集映像)が相次いで公表されている。ネス湖では、こうしたことがあるたびに24時間連続観測的な機運が盛り上がるが、常にいつの間にか終了してしまう。そしてほとぼりが冷めたころ、再び質の高いフッテージが撮影され、公表されて拡散する。
 ネッシーの監視体制に限っていえば、そういうサイクルが何回か続いている。世界中で長い間語り継がれ、今もその存在は人を魅了してやまない。つい最近になって大型のウナギである可能性が高いという説が発表されたが、これは完全にスルーされた感が否めない。
 さて、今回紹介されるのはオゴポゴをはじめとするレイクモンスター、そして歴史上の海の怪物“クラーケン”、変わったところでは日本の河童と、間口が広い印象のフォーマットだ。ただ、『MONSTERS OF THE DEEP』(深淵の生物)というタイトルから多くの人が連想するものは、やはりレイクモンスターだろう。

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アメリカのシャンプレーン湖に棲息するといわれる水中の怪物「チャンプ」。最初の目撃は17世紀初頭にまでさかのぼるといわれている。

 番組では、アメリカのニューヨーク州とバーモント州境に位置するシャンプレーン湖に生息するといわれるUMA“チャンプ”にも触れていく。
 チャンプらしき生物を撮影した画像もネットにはアップされているが、知名度に関してはネッシーよりも劣る。ただ、地元では何十年というスパンにわたって目撃が続いていて、目撃者の数も多い。外見に関しては証言内容も異なるが、共通しているのは、全長20~80フィート(6~24メートル)ほどで、背中にいくつものこぶがあるヘビのような姿だ。頭の部分が犬に似ていたという証言もある。

漂着する怪物の死体

 厳密にはレイクモンスターとはいえないが、筆者にはリアルタイムで体験した忘れられない事件がある。
 1977年4月25日、日本のトロール船瑞洋丸(ずいようまる)が太平洋上で巨大生物の腐乱死体を引き上げた。現場は、ニュージーランドのクライストチャーチの東沖合50キロの地点だ。当時中学生だった筆者は、「東京スポーツ」紙の1面でこの死体の写真を見た。まさに衝撃的だった。クレーンに吊るされた外見は、まさにネッシーそのものだったからだ。
 死体をそのままの形で日本に持ち帰ってしかるべき検証が行われればよかったのだろうが、それはできなかった。腐敗臭があまりに激しかったため、引き上げ後わずか1時間で海中に投棄された。日本に持ち帰られたのは、死体から採取されたひげ状の組織だけだった。解析では、何らかの種類の大型のサメ、もっとも可能性が高いのはウバザメだ、という結論が出されている。
 ブロブあるいはグロブスターと呼ばれる、未知の生物の死体らしき物体が浜辺に打ち上げられる例もたくさんある。すべてがUMAであるとはいわないが、説明をつけられない事例も決して少なくないだろう。ところが、なぜが主流派科学側の人々は、こうした事例の検証となると、とたんに腰が重くなる。ぐずぐずしているうちに、死体そのものが再び海に流されてしまうといったことがしばしば起きるのだ。

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船を襲う、海の怪物クラーケン。人間にとって深海は、未知の領域が広がる謎の世界なのである。

 番組は「古代の宇宙人」シリーズなので、レイクモンスターやクラーケンを地球外生命体と結びつけようとする試みが行われるのは当然のことだ。神話や伝承といった要素を巧みに盛り込みながら展開していく番組中の仮説は、いつもながら見応えがある。
 深淵の生物たちは地球由来の生物なのか、それとも、はるか昔の時代に地球を訪れたものによって移植された生物の生き残りなのか。
 実際、タコが地球外由来の生物であるという説が主流派科学の枠組みの中でも真剣に討議される流れが生まれているいま、この番組はそれに先立ち、有意義なデータを提供するものになるかもしれない。

(ムー2020年4月号掲載)

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