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私的仮説:和歌山県の学力低下の原因について

私の仮説です。
和歌山県の学力低下の原因について

お恥ずかしい話ですが、私は還暦を迎えるまでの十数年間、管理職試験を受け続けましたが、すべて不合格でした。つまり、和歌山県教育委員会の基準では、私は県内で最低の教員とみなされていたわけです。しかし、それでも様々な実践を通じて成果を上げる中で、私なりに思うところが多々あります。
学力問題をどう捉えるか?
前回に続き、まず下の表をご覧ください。


この表は、全国平均との差を示しています。中学校の国語が問題となっていることは、一目瞭然です。さらに、平成24年度から下降傾向にあることが読み取れます。では、平成24年に何があったのでしょうか?

平成24年に起こったこと
平成24年、「和歌山の授業作りの基礎・基本」が県の教育委員会から提示されました。これは授業改善を提案するもので、学力向上のためには必要であり、方向性としては間違っていません。しかし、この内容は小学校と中学校で共通のものでした。私の推測では、この方法が中学校には合わなかったのではないでしょうか。
授業では、目的意識を持ち、対話的で主体的な学習を行い、最後に振り返りをして学習内容を定着させるという、まったくもって非の打ち所のない改善が提案されました。しかし、中学校には相性が悪かったようです。改善の方向性が見えづらかったのでしょう。
特に、翌々年には「和歌山の授業づくり 基礎基本の3か条」として、さらに単純化された内容が教育委員会から提示されましたが、これが中学校の授業改善において多様性を失わせてしまいました。その結果、授業の本質的な理解と具体的な実施に繋がらなかったのだと思います。

小学校と中学校の違い
多くの学校では、「めあて」を大事にしています。そしてこう考えています。
ひとつの例として挙げます。
『たとえば、「~~について気付くことは何だろう」「~~を挑戦しよう」「~~を推理してみよう」などの表現は、【関心・意欲・態度】に基づくものです。しかし、次のような表現は望ましくありません。「~~について理解する。」これでは指導案の目標のようで、生徒にとっては魅力がありません。』
・・・。
小学校と中学校の違いを算数・数学で考えてみましょう。小学校では四則計算など、具体的な範囲の学力なので、授業内で考えるだけでも力になります。しかし、中学校では文字式や方程式などが出てきて、考えるだけでは身につかない場合が多いです。練習の反復が必要です。小学校と中学校では、学習方法も根本的に見直す必要がありますが、実際には、小学校と同じ方法が中学校にも適用されているのです。その結果、教室で5時間以上過ごしても、まったく力になっていない生徒が出てきています。

実際の中学校の授業参観から
中学校での研究授業を参観する機会があったとき、何をしているのかわからない授業が多いように感じました。めあての説明をしてノートに書かせるものの、生徒がピンときていないのがわかります。そして、活発でない話し合いと、塾で正解を知っている生徒の例示で終わる学習内容。最後に意味のない感想を書かせて授業が終わる50分間。その授業に対して、指導主事が賛辞を送る光景に、残念な気持ちになりました。
特に若い教員が増えている中、県の指針をそのまま具現化することに注意が向きすぎて、生徒の理解と定着が問題視されていないように感じます。

まとめと今後の展望
ここまで書いてきたことはあくまで個人的な感想です。がんばっている中学校の先生が多いことも理解していますが、全体として学力問題が数字に表れている原因について考えています。
平成24年度に出された「和歌山の授業作り基礎・基本」については、小学校と中学校で別々に作ることが重要だったのではないでしょうか。各校に合わせて運用するのは難しいと思います。小学校と中学校では、学力向上のためのアプローチがまったく異なるレイヤーにあるからです。

未来への展望
具体的にはどうすればいいのか。
答えは簡単です。何もしなくても5年後には改善に向かうでしょう。その理由については、次回お伝えします。



・・・ああ、夢破れて思うのですが、校長としての学校作りのアイディアがどんどん湧いてくるのに、採用されずに教員生活に終止符がうたれようとしています・・・。苦しいです。


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