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リアルファイトクラブ⑨

グッバイ調布

猫に追い詰められたネズミには選択肢が2つある。1つは戦って死ぬか、もう1つは諦めて殺されるか。俺の選択は勿論猫を殺すだ。誰が決めたんだ?猫がネズミより強いなんて。

「知ったかぶりもいい加減にしろ!!!」

この世には言葉が溢れている。ただ残念な事にその大半は、生きる厳しさを紛らわす為に人間が作ったまやかしだ。法律なんかはまやかしの代表格だ。

「暴力がいけないなんて誰が決めたんだ。本当にいけないのは、善人ヅラした無口の人間だろ」

見知らぬ他人の言葉は貴方の心を揺さぶります。

話を現実に戻そう。

仁王立ちするゴルゴ13に殴りかかった。だが違う、俺の狙いはそこじゃないタックルだ。殴りかかるプレッシャーで相手が後退りした所にタックルだ。相手は人殺しとはいえ一般人が元格闘家のタックルを食らえば簡単に転がる。

「いい忘れていたが俺は元格闘家だ」

ゴルゴ13が転がった所で追い討ちのパウンドはしない。喧嘩で相手に馬乗りになった場合パウンドは絶対しちゃダメだ。万が一相手が暴れて避けてみろ、お前の拳はコンクリートに吸い込まれる。だから肘だ。肘を顔面に思いっきり叩き込め。縦肘じゃない、横肘だ。自分は怪我しない上に相手は完全にノックアウトだ。

「もしかしたらこの物語を最後まで読み終えたあとには、君は会社や学校の天敵をぶっ飛ばせるくらい喧嘩が強くなっているに違いない」

話を現実に戻そう。

完全に失神したゴルゴ13を肘で殴打していると身体を張って警察官が止めにきた。駅前の交番の目の前で喧嘩をしているのだから当然だ。

このゴルゴ13とのファイトに勝った俺は呆気なく逮捕となった。止めにきた警察官複数人の内1人をフロントチョークで落としてしまったからだ。自分でも今回ばかりはやりすぎたなんて、1マイクロメートルも思わない。なんなら国民栄誉賞をもらってもいい功績だ。殺ってやったぜベイビー。

「そして俺は、沈黙と忘却の暗黒の世界に身を投じて、自由を見つけた。絶望の果てに自由がある」

留置場の床の上で俺は、赤子のように眠った。

第一章

私の格闘技活動と娘のミルクに使いたいです。