私が見る夢の世界と

心から大きな自然が見たいと思った。画面で何度見ても、足を運ばないと感じられないことばかりだ。人だってそうだし、人が作る作品においても。
その人の息遣い、表情、纏っている雰囲気、作品だったら、細やかなテクスチャー、汚れまでもがその作品を感じられる要素だ。

この日は、宮沢賢治の数篇を読んでいた。「銀河鉄道の夜」「やまなし」「よだかの星」全てに死が横たわっており、美しく優しく、けなげな生がそこにあった。最近、宮沢賢治を読み直してみようと思い立ってのことだったのだけど、この日は命日だったことを後で知った。不思議な縁を感じ、全ての作品を読むことを今年の一つの課題としようと思った。

この三つの作品を読んだだけでも、それぞれの登場人物が心の中に灯り、夜空を見るとカンパネラやよだかを思ったり、家で買っているメダカを見ると「やまなし」の世界を思い出す。

私は以前、夢の中で銀河鉄道の夜と似ている世界を見たことがあった。
列車ではなく船で、覚えがないが友人という4、5人で暗闇の濁流を登っていくのだけどここがこの世ではないということがなぜかわかっており、また新しい世界を見るのにちょっとワクワクしているという夢だった。船が揺れるたびに怖がりながらも、なんとなく笑顔だった気がする。

私たちが見る夢の世界は、いつも不思議だけど、夢という世界の中で現実と違う世界を小さい頃からすでに行き来していることを現実にいるとつい忘れてしまう。

表に出さない感情は
誰も知らない世界
私の宇宙の中だけに存在してるのは
私が見る夢の世界と
一緒だね


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