歯科医師国家試験97A46(慢性骨髄性白血病)

慢性骨髄性白血病に見られるフィラデルフィア染色体の異常はどれか。１つ選べ。

a 欠失
b 転座
c 逆位
d 重複
e イソ染色体

解答:b

染色体異常には①数的異常②構造の異常の２つに大別されます
①数的異常にはtrisomy (本来２本でペアの染色体が３本)やmonosomy(染色体が１本)などがある
1)常染色体 
21 trisomy:Down症候群
18trisomy:Edwards症候群　
13trisomy:Patau症候群
2)性染色体
X monosomy:Turner症候群
XXY:Klinefelter症候群
XXX:Triple X症候群
②構造の異常には相互転座，逆位，欠失，リング状の環状染色体，長腕もしくは短腕のみを有する同腕染色体(イソ染色体)，重複が含まれる
1)相互転座(２つの染色体が組み変わった異常)
慢性骨髄性白血病(AML)→t(9:22)
急性前骨髄性白血病(APL)→t(15:17)
急性骨髄性白血病(M2)→t(8:21)
濾胞性リンパ腫(FL)→t(14:18)
Burkittリンパ腫→t(8:14)
マントル細胞リンパ腫→t(11:14)
2)逆位:短腕と長腕が入れ替わる(１つの染色体に起こる)
急性骨髄単球性白血病(M4)→16inv
3)欠失(１つの染色体に起こる)
5p欠失(ー)症候群(猫泣き症候群):甲高い鳴き声
22q11.2欠失(DiGeorge 症候群):胸腺や副甲状腺の低形成(歯:110C72)
4)環状染色体:染色体の両端が欠失して両端が結合し環状に(１つの染色体に起こる)
環状20番染色体症候群:てんかん
環状14番染色体症候群:てんかん，低身長，精神遅滞
5)イソ染色体
6)重複(１つの染色体に起こる)