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マリオに学ぶ「圧縮」の妙技

この記事は配信中のPodcastの原稿です。

こんにちは、むねおです。この番組ハンドプレスFMは、私むねおが生活や本から学んだことを、7分くらいに圧縮して 話す番組です。

最近、4歳の娘とニンテンドースイッチのスーパーマリオオデッセイをやっているんですが、これがめちゃくちゃ面白いんですよね。マリオオデッセイは独特のシステムがあって、マリオがかぶっている帽子が投げられるようになっているんです。これを敵キャラ、例えばクリボーとかに当てると、なんとマリオがクリボーに乗り移って、クリボーを操作できるようになるんです。

で、このシステムがすごいのは、敵キャラとかだけでなく、そのへんに刺さっている杭とかに帽子を当てると、帽子が杭をスポって抜いたり、ブロックに当てるとバコって壊れたり、壁のポスターに当てるとポスターがバサーって剥がれたり、そんな感じで、どんなものに帽子を当てても、本当に色んなリアクションが返ってくるっていうところです。

例えるなら、スマホは1台でカメラとか地図とか見れる万能アイテムですが、この帽子も一つで何役もこなせる超便利アイテムなんですね。ついにマリオの帽子もスマホ化してきたかという感じなんです。

なので、「このオブジェに帽子を当てるとどうなるんだろう」みたいに好奇心をくすぐられるし、色んなリアクションがあって面白いしで、子どもがプレイしてもすごい楽しめるいいゲームだなと思いながら、一緒に遊んでるんですよね。

こういう、マリオみたいにシンプルだけど色んな遊び方ができるゲームデザインって、どうやって生み出せるのか、という話なんですが、なんかの記事で読んだんですが、重要なのはアクションの圧縮らしいんですね。

アクションの圧縮っていうのはどういうことかっていうと、さっきも言ったようにマリオオデッセイでは、帽子を投げて当てるという一つのアクションだけで、何十何百という全く違う反応を生み出せるわけです。これは言い換えれば、帽子を投げるという一つのアクションの中に、たくさんの反応を圧縮して、放り込んでいることになります。

さっきも言ったように、何十種類の敵とかキャラクタを操作できる、ブロックを壊せる、他にも投げた帽子を足場にして遠くまでジャンプできるとか色々あるんですが、帽子を投げるという一つのアクションだけで全部こなせちゃうということですね。

だから子供でもわかりやすいし、一つのアクションから引き出される反応がむちゃくちゃ多いから、「これに帽子を投げるとどうなるんだろう」と好奇心をもちやすいんです。つまり、覚えることは少ないのに、できることはめちゃくちゃ多いと、そういうことです。

そもそも、マリオって、これまでもアクションを圧縮してきたゲームなんです。例えば初期のマリオではジャンプに複数の意味を持たせてました。頭上のブロックを壊したり、敵をふみつけて倒したり、障害物をこえたり、穴を飛び越える、これを全部ジャンプだけでやっていたわけなんです。

普通に考えると、敵を倒すのは、剣とか魔法とか銃とかになりそうじゃないですか。アイテムをとるのも、ブロックとかはなくて宝箱があって、それを開けさせたり、そういうゲームデザインになるのが現実世界と近くて、自然なんだと思うんです。

で、自然に作るとそれぞれ別々のアクションになってしまうところを、全部ジャンプという一つのアクションに圧縮しているというわけですね。任天堂のゲームはこういうのが多くて、最近だとスプラトゥーンはインクを撃つということに複数の意味をもたせて圧縮してますよね。

こういう圧縮されたコンテンツは、受け取り手にとってはルールを覚えるハードルが低くなって、しかも大量の情報を得るための鍵はゲットできるので、うれしいですよね。そして、うれしいということは、高い価値を感じているということです。

これはあらゆるコンテンツ、YouTubeとかPodcastでも同じ原則が適用できると思います。情報の圧縮率が高ければ高いほどいいんじゃないかなと思います。

例えば、「おすすめマンガ100選」だとまったく圧縮されていませんが、「20年間で7000冊の漫画を読んできた私が選ぶ、10巻以内完結済みの超傑作漫画2選」はえぐいくらい圧縮されてます。こういうとき、どっちかというと後者に魅力を感じるのではないでしょうか。

これって、上司に何かを報告するときも一緒で、忙しい上司にとっては、少ない情報で意思決定に必要な情報を素早く得る必要があるので、部下の報告は圧縮されていることが望ましい。つまりマリオとYouTubeと上司への報告は、究極全部同じで、最終的に圧縮原則で説明できるんじゃないかと思うんです。

そしてこの番組では、究極、これ全部同じじゃないかみたいなことを、圧縮して話していきたいと思ってるんです。

先日、マリオ大好き娘を寝かしつけてたときに、「とっと、ぎゅってして」って言われたんですね。それで、「ぎゅ~」って言いながら、娘を抱きしめたんです。いわば、愛の圧縮ですよね。ぎゅ~は愛の圧縮なので、まあ、究極的にはマリオとか上司への報告と同じです。

で、そしたら、ぎゅ~ってした瞬間に、娘から「ぷっ」っておならが出たんです。娘を圧縮しすぎて、おならが出てしまったんですね。

そしたら、娘が僕の顔を見て、「失礼」と言って、そのまま寝たっていう、話なんですが。

今日はこのへんで終わります。ありがとうございました。

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