忘我回胴帖 〜ムナリスク〜 其の五


過去回想 5 フリーター時代編 ドン底


アコムに入りボックスの個室みたいな空間でオペレーターの指示にしたがって審査を受け…


すんなりと通ってしまう。



限度額は30万。

ATMのキャッシングで10万を引き出した時に、

俺は人間として転落していっているという背徳感と、


これで現状を凌げるという安堵感、

またパチスロが打てるという高揚感。


ちょっとだけ…増やせたら返済するから…



しかし当然そんな甘い考えが実現できるはずもなく、

次に気づいたときはアイフルの審査に通っていた。

消費者金融、2社目。2枚目のATMカード。

確実にヤバい、ウシジマくん送りコースに乗っかっている。今思えばね。


しかし当時の俺は完璧にパチスロによって得られる興奮、多幸感に支配されて思考が麻痺していた。


普通のノーマルなパチスロ機ならこうはならなかったかもしれない。

最初に打ったのが花火百景なら、キンパルなら、おさるの孫悟空なら、…


それほどに4号機北斗のスペック・システムは犯罪的に面白かった。

もしもあのまんまの仕様で今のホールに4号機北斗だけ復活したら?


イベント規制されていてもヤバいことになる。

店も客も絆なんて、いや、ジャグラーや沖スロ以外は誰も見向きもしなくなるだろう…


思いで補正でもなんでもなく、ね。


順調に北斗にのめり込む日々が続き、さらには他の機種にも目を向け、手を出すようになり、

しまいにゃライフカードの審査にまで通ってしまう始末。

消費者金融、3社目。


そしてよくあるパチスロ攻略法詐欺に引っかかり15万失ったりもした。


これはほんまに恥ずかしいし情け無い。


今でも思い出すだけで心拍数が上がる。

気絶・失禁・脱糞のワンツー・ドーン!しそうになる。


まさに黒歴史。

逆に言えばそんな笑ってしまうくらいアホな養分パチスロ小僧がいまでは累計○千万稼ぐほどの乞食スロッターになっていると考えるとドラマティックでしょ…?


とにかくこれくらいバカな養分だった。

あかん、働こう…と決意しタウンワークを物色。


しかしあくまでパチスロを諦めたわけではなく一時の金ほしさ。


もはや完全にパチスロ養分として出来上がってしまっていた。

生活費ととにかくパチスロで遊ぶ金が作りたかった。返済など月々の利息さえしのげればいいや←


消費者金融からしたら理想的な、まさにカモ。

次に始めた仕事は派遣の警備員。主に葬儀場などのお通夜、告別式に参列しにくる方の車や霊柩車を誘導するアレだ。

そこそこに給料は良く、一緒に働く同僚とも仲良くなり、上司の方も温厚で可愛がってもらい当面はなんとか凌ぐ手段を得た。


しかし月々の生活費、返済費用のほかは全てパチスロに消えていく有様。


常にカツカツな日々であった。

このころになると北斗への情熱も落ち着き、次第に他の台も手を出すようになっていた。

そして同僚で一個年下のNくんとは同じパチスロ好きということもあり意気投合。


その西川くんから東三国にblackbirdという優良店があることを教えてもらい連れられて向かうことに。

これが長きにわたり足を運ぶことになる東三国blackbirdとの出会いであった。

っづく。

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