Mozillaがオフラインでも使える翻訳ツール「Firefox Translations」を公開

【要 旨】

「Mozillaがオフラインでも使える翻訳ツール「Firefox Translations」を公開/データがローカルPCに閉じるので安全だ!/サーバとの通信がないので、翻訳対象の容量制限がなく、一括で処理出来るので便利!/翻訳対象言語は、各EC内国言語から英語への翻訳に限定」

[ローカルPC限定安全]、[容量制限無し]、[通信無しで高速処理]

【投稿者コメント】

下記の【以下転載】は、FirefoxブラウザのAI翻訳アドオンの「Firefox Translations」についての報告だ。

この翻訳アドオンの特徴は、翻訳サーバーを利用したWeb・クラウド・アプリではなくて、各PC端末で稼働するローカルアプリである事だ。

ゆえに、翻訳サーバーとの通信がないので、データがローカルPCに限定されて情報漏洩等のリスクがなく、安全である。

さらに、翻訳サーバーとの通信がないので、サーバーや通信への負荷を軽減する為の翻訳対象への容量制限(通常、10MB/1回)がないので、翻訳対象のファイルを分割する必要がなく、手間いらずとなる。

導入・設定の仕方は、下記の【以下転載】の記述通りである。

開発は、欧州連合のプロジェクトで行われているので、翻訳対象の言語は、イタリア語、スペイン語、ロシア語等の限られた言語の「英訳」のみが可能となっている。

Mozillaは機械翻訳に伴うディープラーニングで従来必要とされるGPUではなく、CPU依存のハイレベルなAPIを開発して最適化を実施した事に依り、翻訳アドオンの開発だけでなく、あらゆるウェブページにローカルな機械翻訳を統合する事が可能になり、ユーザはクラウドを使わずに自由な形式の翻訳を実行出来るようになったとの事。

翻訳サーバーとの通信がないので、データがローカルPCに限定されて情報漏洩等のリスクがなく、安全なので、各国の特許調査や技術調査等の秘匿性の高い業務にも使えて、長文のコンテンツの翻訳も分割せずに、一括で実行出来るから便利だろう。

翻訳対象言語がEC内の国の言語に限定されているが、調査や翻訳に携(たずさ)わる方は、英語やドイツ語には不自由しないだろうから、各EC内主要国から英語への翻訳は可能なので、それほど、不便ではないだろう。

尚、ローカルPC上のイタリア語のテキストファイルやhtmlファイルをFirefoxから指定して開いて、英語への翻訳を実行したら、正常に翻訳出来た。PDFファイルやdocファイルを指定しての翻訳には対応していない。

【以下転載】

https://gigazine.net/news/20220603-firefox-translations/
「Mozillaがオフラインでも使える翻訳ツール「Firefox Translations」を公開」
                      GIGAZINE 2022年06月03日 15時00分

添付図1_ウェブアプリ

ウェブブラウザ「Firefox」を開発するMozillaが、ローカルで動作するFirefox用機械翻訳アドオン「Firefox Translations」を公開しました。Google翻訳やDeepL翻訳などの翻訳サービスとは異なり、翻訳はクライアントサイドで実行され、データが完全にプライベート化されるのが特徴です。

・Firefox Translations – Firefox(ja)向け拡張機能を入手
 https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/firefox-translations/

・Mozilla releases local machine translation tools as part of Project Bergamot
 https://blog.mozilla.org/en/mozilla/local-translation-add-on-project-bergamot/

Firefox Translationsを実際に使用するには、まずアドオンの配布ページ( https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/firefox-translations/ )から「Add to Firefox」をクリック。

添付図2

許可設定の確認ポップアップが表示されたら「追加」をクリックします。

添付図3

次にインタラクションやエラーデータをMozillaと共有するための設定が表示されますが、データ共有を許可する場合は特に何もせずタブを閉じてOK。

添付図4

アドオンを導入したことで、検索ウィンドウの右端にFirefox Translationsのアイコンが表示されるようになります。

添付図5

このアイコンをクリックすることで翻訳の準備が整います。記事作成時点ではイタリア語、スペイン語、ロシア語などの限られた言語の「英訳」のみが可能。

添付図6

試しにウェブページを翻訳してみます。今回はイタリア語で表記されるイタリア政府のサイト( https://www.governo.it/ )へアクセス。アイコンをクリックし、「このページは」という表記の右にあるバーをクリックし「イタリア語」をクリック。そして「翻訳」をクリックします。

添付図7

10秒以内で以下のようにすべての文字が英語に翻訳されました。

添付図8

また、翻訳を実行する前に「Highlight potencial errors in red」にチェックを入れておくと・・・

添付図9

信頼度が低く、誤訳の可能性がある文字に赤線が引かれてハイライト表示されます。

添付図10

「Enable translations of forms」にチェックを入れると、ウェブページ上のフォームに入力したテキストを自動的にページの表示言語へ翻訳することが可能です。

添付図11

なお「オプション」をクリックすると、特定の言語やサイトを翻訳対象から除外することが可能。

添付図12

アドオンを導入したことで、Firefoxの設定( about:preferences )の「一般」タブ、「言語」の項目に、新たに「Firefox Translations」というセクションが追加されるので、「例外」をクリックすると・・・

添付図13

除外した言語やサイトの管理を行うことができます。

添付図14

このアドオンは、欧州連合が資金提供を行う「Project Bergamot」と呼ばれるプロジェクトの一部として諸大学とともに開発されました。Mozillaは機械翻訳に伴うディープラーニングで従来必要とされるGPUではなく、CPU依存のハイレベルなAPIを開発して最適化を実施。これにより翻訳アドオンの開発だけでなく、あらゆるウェブページにローカルな機械翻訳を統合することが可能になり、ユーザーはクラウドを使わずに自由な形式の翻訳を実行できるようになったとのこと。

Mozillaは「コミュニティが新しい言語で貢献できるように、私たちは包括的なトレーニングパイプラインも開発し、ユーザーが簡単に新しいモデルをトレーニングできるようにし、アドオンのリーチを広げる手助けをしています。この作業は、言語に関係なく誰もがウェブにアクセスできるようにするというMozillaのコミットメントに沿うものであり、同時にプライバシーに焦点を当てながらコミュニティにとって価値のあるオープンソースプロジェクトを構築しています。このアドオンをすべての人にとって本当にアクセスしやすいものにするためには、みなさんの声が必要です」と述べ、開発の協力を呼びかけています。

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