アーモンド


2022年11月20日(日)


読んだ。


『いいでしょ?クリスマスイブなんだから』

僕は両手いっぱいに飴を掴み取って店員に言った。(外で待つお母さん、そのあと事件)p.60 



「愛』の真ん中の『心』を書いて、この三つの点は私は3人だ。この点はわたし、これはお前、こっちはあの子(母)。

そうして僕たち家族を表す三つの点が打たれた愛が完成した。p.179


「どうして、あんたがあの子を探しに行かなきゃならないの?』彼女が聞いた。『彼は、僕の友達だから』それが僕の答えだった。p.228 



「蝶を引き裂いた日、ゴニが僕に何かを教えようとして失敗したその日、ほの暗くなったころ。床に潰された蝶の残骸を拭き取ってゴニはひどく泣いた。

「恐怖も痛みも罪の意識も何も感じられなければいいのに」涙の混じった声だった。

「誰でもそうなれるわけじゃないんだ。そうなるには、君は感情が豊か過ぎるよ。君はむしろ、画家とか音楽家になる方が合ってると思うよ」ゴニが笑った。目に涙をためたままの笑みだった。p.243


作者の言葉

惜しみない愛によって、精神的に満たされた人生をプレゼントしてくれた両親と家族に感謝する。かつては、そんな私には作家になる適性がないと思って、自信をなくした時期もあった。しかし、年月を経てその考えは変わった。平穏に過ごした成長期の中で受けた応援と愛、無条件の支持がとても有難くて貴いことなのだとわかったからだ。それが1人の人間にとってどれほど大きな武器になるのか、世の中を、何の偏見も持たずにいろいろな見方ができる力を与えてくれるのか、親になってはじめてわかるのだ。p.261




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