見出し画像

僕に死んで欲しいんだよね?という息子の言葉。①(全2回)

▶️目次
・懐かしの漂流教室と、神かくし
・息子の言葉と違国日記
・イーユン・リー
・ナポリピザ

楳図かずお先生の「漂流教室」と、山岸涼子先生の「神かくし」が届く。
息子(上)にも機会があれば読ませたいなと思い、コミックで購入していた。


漂流教室は、蜘蛛人間(私が勝手に命名している)を久しぶりに見たかったので、出てきそうな5.6巻のみ購入。

蜘蛛人間のあまりの気持ち悪さに達成感すら覚え、大満足。

蜘蛛人間



しかし、人類が滅亡していく様子が、現実の社会と重なる部分が多く、特に大震災や津波の描写が出てくるフィルムのシーンあたりから、とても軽い気持ちでは読めない。これは心して読まないといけないと判断し、
一度本を閉じる。

次に神かくしを手に取る。
神かくしは、日本神話に関係がありそうだったので、何故かスサノオに親近感を覚えている
息子(上)が喜ぶかなと思い、選んでいた。

山岸先生の作品はこれまで2作品しか読んだことがなく、そのつもりで読み始める。「漫画で読める日本書紀」みたいな感じで、息子の日本神話の勉強になるといいな〜などとのほほんと思っていたところ、

・けっこうはっきりした性描写
・兄弟間、親子間の近親相姦 
・小児性愛者の犯罪

にひっくり返る。特に息子(上)が親近感を抱いているスサノオの性的なシーンはとても見せることが出来ない(息子は大喜びして読みそうだが😭)。

ひとまず漂流教室も、神かくしも、すぐに息子に見せることは無さそうだ。漂流教室の1〜4巻と、山岸先生のスペシャルセレクションシリーズの他巻もまたいつか買いたいと思う。

〜〜〜〜〜

息子(上)とスーパーで2人で買い物をしながら、口論になる。
息子はカッとなると、結構なんでも言ってくるし、人目もあるので、途中から私は黙る。

「ごめんママ」

自分からこう言ってきてくれた息子に、すかさず、
「いいよ。ごめんって言ってくれてありがとうね。ママこそごめん。」
って言えればよかったのに、私は黙って返事をしなかった。

すると息子が、


「あーあ。ママってさ、僕みたいな息子が生まれるなんて、なんかの罰じゃん。ほんとオレってクソ野郎だわ」
「僕に死んで欲しいって本当は思ってるんでしょ」
「僕なんか死んだほうがいいんでしょ」


と言ってきた。
思いもよらない衝撃的な言葉に、スーパーのサッカー台で頭が真っ白になった。

一瞬、、昨日読んだ、違国日記の槙生ちゃんのシーンが脳裏に浮かぶ。

いや違う。槙生ちゃんより正直今の私の方がピンチ。

小学校6年生でこんな言葉を言う男子がいる?
こんな言葉を言わせてしまう母親が存在するのか?

頭に浮かんだのはイーユン・リーのこの作品。

息子はまさか同じようなことにならないよね?と不安を覚える。

自分が生まれてきたことが、母親にとっての罰だなんて、、、そんなことを言うくらい自尊心が損なわれているのか?自己肯定できていないのか。どこでそんな言葉を覚えるの?誰かに言われたことがあるの?

違うよ!!!!違うって!!!と全力で伝える。
しかし息子に伝わっているか自信がない。何を言えばいいのか、言葉が出てこない。

黙ったまま山手通りをひたすら歩く。息子が途中で「ママ重たいでしょ、荷物交換しよ!」と、重たい方の荷物を持ってくれる。

はっと、このシーンを思い出す。

朝ちゃん

そうだ、そうだ、愛って言葉。

「ね、愛してるよ。本当にママはもう心の底から愛してるから、、もう絶対にさっきみたいなこと思わないで。本当に違うから。喧嘩してもなんでも、本当に愛してるから。」

必死に伝える。

「・・ありがとママ」

と息子がつぶやく。
いかん。。伝わってない。空気が変わらない。どうすればいいんだ?もう一回伝える?

その時ハッと横にあったピザ屋さん。前から息子が行きたいって、でも行列で諦めてたお店。

「すみません、予約してないんですけどお店入れますか?」

考える間もなく、店員さんに声をかけてみる。

「7時まででしたら大丈夫です!」

今何時だっけ。入らないほうがいいのかな?帰ったほうがいいのかな?と迷っていたら、
奥から店主さんが出てきてくれて、
「1分で焼けますんで!ぜひ!」
と言ってくれる。その笑顔に嬉しくて泣きそうな気持ちになりながら、席に案内してもらう。

息子とメニューを見て、自然と2人とも笑顔になって、ピザを選ぶ。

カプレーゼ
たしか、マリナーラ
たしか、アンチョビとオリーブ


こんな美味しいピザは生まれて初めてだね!
と2人で美味しくニコニコで食べる。

食べた瞬間笑顔になるこんな食べ物があるなんて、本当にすごいと思う。
こんな人気店になっても、黒いエプロンを粉だらけにして、ずっと立ったまま作業をしている店主さんを本当にすごいと思う。
とてもパワーのある美味しいピザだった。

〜〜〜〜〜

気分は変わったけれど、息子があんな言葉を言ったという事実は変わらない。
考えなくては。今夜はイーユン・リーを読み返す。なんらかのヒントがあると願って。

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?