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エキセントリック・カレッジとは「距離感」だと思う。

今年度、クラス担任(コーディネーター)として関わらせていただいた、エキセントリック・カレッジが終了しました。
ホントに自分の人生にとっても影響のある企画だったなと思ってます。
会社のnoteに簡単な活動報告を記載してますが、
こちらで個人的な気づき・学びのことを書いてみようと思います。
そこそこ長いです。

活動報告はこちら↓

多彩すぎる受講生

申込時点で90名、選考会に60名、定員は当初15名。
期待を持って申し込んでいただき、選考をして選ばせていただいた25名。
メンバーは多彩すぎて、めちゃくちゃ面白かったです。
属性もそうやけど、何よりもキャラがバラバラすぎる。

「雑草が好きです」と言い続ける女子大生。
どんな発言にも否定せず、「いいですねー」と言い切る若手社会人。
物静かだと思ったら変態的なバックグラウンドをもつ謎の男。

楽しみと同時に、「この人たちとうまくやっていけるんか自分」という不安も抱えていました。

ちなみに、僕が選考会受けてたら多分秒で落ちてます。

設計が意味をなさない

その不安はすぐに露呈しました。

これまで、それなりに学びの場を設計してきた自負はあったのに、
始めた瞬間に「言葉の意味がわかんないす」と前提を覆されたり、
そもそも考えようとすらしてもらえない。
そしてそういうのを「おもろい!」で終わらせる僕以外の運営陣。

「(運営含め)なんなんこいつら?怒」とか思ってました。

高校生と関わると、みんな真面目にワークや投げかけた問いに対して考えてくれるからこそ、この戸惑いはすごく違和感でした。
(逆に言えば、普段高校生に無理強いして考えてもらっている場面があるんやとも思いました。猛省。)

受講生と向き合う自分、そんな自分に悩む自分

ただ、そんな中でも嬉しいことはあり。
受講生のみなさんの何人かが、こちらが何も言わなくとも講義やワークショップの感想、感じたことを送ってきてくれました。

僕は高校生と連絡を取るときは、必要あれば学校の先生に連絡内容を共有するぐらい、めちゃくちゃ慎重に対応しているので
「アラサー独身男性が女子高生に連絡」≒パパ活だと思ってます。マジで。
これはとても新鮮で、心地いい体験だったと思います。

そして慣れてくると、飲み会やご飯に個別に誘っていただくことも増え、
受講生のみなさんとホントにいろんな話をさせてもらいました。
楽しかったなー。

けど、時間は有限でしかなく。
法人化してすぐの僕は、休みなく働くことが多く、単純に受講生と向き合う時間がなくなってきました。
(実は1度、仕事中に頭痛で動けなくなったんです…。)

「この人、もう少し丁寧に会話したほうがいいな」と思っていても、
ちょっとしたテキストメッセージを5分取れば返せるのに、リアクションボタンやスタンプで返信してしまう。
「受け入れてもらえなかった」という感覚を与えてしまうことは良くないのに、それを簡単にやる自分に対する怖さ。

逆に「私の悩みを解決して!」というスタンスでの関わりを求められるように感じたり、その感覚のまま時間を取られることで、苦しいと思ったり。
情報を引き出すことはできるけど、何かを入れてあげたり、取り除くことはできないので、「その悩み、俺が聞いても解決しないよ…」と思うことも正直ありました。

向き合いたい人と向き合えない。
向き合っても助けられないと思っている人と、向き合うことを求められる。人と関わる仕事をしているからこそ、避けられないことではあるのに、
高校生だったら、そんなの気にせずガンガン行くのに、
なんでそんな失礼なこと思うんやろう。

「意思決定する人を福井に増やすぞ、みんなと向き合うぞ」と思ってる経営者の自分と、
「俺の時間は無限にあるわけちゃうぞ、自分でなんとかせい」と思ってる人間的な自分。
この矛盾した二面性を抱えることに、途中から苦しくなってきました。

自分とも向き合う

年末、まとまった休みが取れたタイミングで振り返りをして、
「どうなってもいいから、自分がやりたいようにやろう」と決めました。
こういうとき、自己犠牲で解決する(自分の時間やお金を削る)ことが多いからこそ、そうでない選択肢を自分で見つけてみようと模索するようになりました。

向き合いたい人には、自分から連絡したり、講義の合間に話を聞いてみる。
あるいは、逆に意図的に距離を取ってみる。
「自分はこうしたい」という感情と向き合うことから逃げない。
そのためにいろいろとチャレンジするようになりました。
(多分距離が遠くなったと感じた人、何人かいたと思います。程よい距離感を取れなくてごめんなさい。)

卒業式や合宿の内容を受講生に予告した後にひっくり返したり、「どう思います?」と受講生に相談したり。
最後のほうは運営としてどうなん?仕事放棄してない?って行動やふるまいも正直多かっただろうなと思ってます。
けど、個人的にはこれができたことがすごく大きな価値になりました。
エキセントリックな人たちとだからこそ、できたことだったと思います。本当に感謝しています。
受講生の1人からもらった、「人間だったね」って言葉はしばらく忘れられないなー。

あと、このタイミングでプライベートでも、(SNSには書けないけど)本当に苦しい、けど前向きな、大きな決断を下すことができました。
最後のエキカレでの数か月がなければ、多分できなかった。

すべては「距離感」だった

「エキカレって何を学べる場なんですか?」「どういう経験ができるんですか?」
というのをこの1年散々聞かれたんですが、正直終わった今でもわからないです。

ただ、「村上純一郎にとってエキカレとは?」と聞かれたら、間違いなく「距離感」と答えます。

自分と受講生との距離感。
受講生同士の距離感。
受講生とエキカレ以外のコミュニティとの距離感。
自分と社会の距離感。
「経営者としての自分」と「人間としての自分」の距離感。
仕事とプライベートとの距離感。

いろんなものとの距離感を考える中で、自分はどうしたいのか?という僕にとってはかなりの難題と向き合えたなと思ってます。

世の中には、なぜだか分からないけど、強く心を惹かれてしまう妙に魅力的なものがあります。 社会的にはまだ評価されていなくて何の価値があるのか分からないけれど、ついつい気になったり、夢中になって取り組んでしまうことがあります。

エキセントリック・カレッジHPより

僕にとって、妙に魅力的なものは「人間の思考」。
ついつい気になるのは「人との距離感」だったんだと思います。

最後の最後にそれに気づかせてもらえた、この場に関われたことに本当に感謝しています。

次年度もエキカレの運営に関わらせていただくことになりました。
こんな僕との「距離感」が気になる方はぜひ応募ください!

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