メガトン級ムサシ小ネタ考察②


はじめに

 今回は『メガトン級ムサシ』小ネタ考察第2弾です。武器設定や『メガトン級ムサシW(ワイアード)』に関わってきそうな内容まで、まとめていきます。


物理学とは

 今回の考察記事では物理学について扱います。そもそも物理学というのは、この世界の仕組みを観察し、人類が持つツールである数学の式に置き換えるという学問になっています。今まで扱ってきませんでしたが、今回は説明のために色々調べました。本来なら公式などを登場させなければなりませんが、今回は省略します。


武器設定編

 こちらはムツゲームさんの過去動画を参考にまとめています。


人工重力とは?

 カムナギの説明に登場した人工重力ですが、実際に研究されています。その理由は、地球と重力が異なる惑星に人類が移住するというのを想定されているからです。無重力や低重力の環境では人体の健康や世代交代に影響が出るというのが既に分かっています。その為、人類が別の惑星に定住するには、人工重力が必要という訳です。
 その方法は遠心力で居住スペースを回転させるというやり方です。カムナギも弾を高速回転させて人工重力を発生させているかもしれませんね。


亜空波動って?

 オールディバイダーやメイオウの説明に出てきた亜空波動、次元を貫通する波動という事でしょうか。次元干渉については後述しますが、今回は亜空波動で亜空切断出来るという前提で話をします。
 亜空切断、ポケモンの技にもありますが二次元と三次元では考え方が異なります。二次元世界では空間に見立てた紙を一直線に斬るのに対し、三次元世界では空間に見立てたサイコロを輪切りにしたりくり抜く事になります。紙とサイコロでは切断の難易度が異なりますよね。更に、空間は相手だけでなく自分の周囲にも広がっているので、相手を斬れば自分や周囲のものも斬れるのではないでしょうか。亜空切断出来る剣が仮にあったとしても無闇に使うのは危険ですよね。

無限のエネルギー

 ナラクの説明にあった無限に増幅するエネルギーですが、通常エネルギーは変換される場合、元のエネルギーの総量からは変化しません。『力学的エネルギー保存の法則』も『熱量保存の法則』も変換されたエネルギーは元のエネルギーの総量から増減してはいません。


 核融合の場合、燃焼と比較して少ない物質で大きなエネルギーを産み出す事が出来ます。核融合は恒星が放つエネルギーの源となっているのでカブキ(現在はゲンムに名称変更)にも使われているかもしれません。核融合に使用される重水素や三重水素(トリチウム)がヘリウムに変換されると、質量の一部がエネルギーに変換され、軽くなります。先程話したエネルギーは保存されるという原理により、重量の差が大きなエネルギーを生み出します。

 つまり核融合は、実用化されれば燃費が抜群に良いのです。しかし核融合に必要な超高温、超高圧の環境を作るための施設に巨額の費用がかかることなどから実用化に時間が掛かるかもしれません。
 ただし核エネルギーも有限ではあります。ナラクのようにエネルギーを無限に増幅する事ができれば、それだけで世界のエネルギー問題は解決するはずですが、まずナラク自体が増幅されたエネルギーに耐えられるのでしょうか。



因果律を破る方法

 オールディバイダーは因果律を廃止したエンジンが内蔵されているそうです。因果律を破る方法の一つに過去への干渉があります。『メガトン級ムサシ』にも登場するタキオン粒子で過去へ通信する事ができるのではないか、という話があります。タキオン粒子というのは光よりも速いとされる仮想の粒子で、『メガトン級ムサシ』の世界では存在するとされています。
 相対性理論では速度が光に近づくほど時間は遅くなり、光速になると止まるとされています。光以上に速い粒子があった場合、時間が逆走して過去に遡ることができるのではないかという発想です。過去に干渉できれば、もしかすると因果律も破れるかもしれませんね。


素粒子レベルで物を斬る

 テンジンの説明にある素粒子レベルで物を斬るとはどういう事でしょうか。そもそも物質は原子やそれが結合した分子でできています。その原子は複数の素粒子が相互作用して形成されています。
 素粒子はまず目視できません。素粒子の大きさは100京分の1mm以下、京というのは億、兆の次の単位です。極微小の素粒子は、目視はおろか電子顕微鏡でも観測できません。

 後述しますが素粒子には相互に働く力があるので、それを断ち切るとなると電磁力やそれよりも『強い力』よりも強力な力が作用していることになります。素粒子から構成されている原子は、素粒子の数が少し変わるだけで違う種類の原子になります。つまりテンジンで物を斬ると元の物とは違う物に変わってしまうかもしれません。
 光とは電磁波のうち人の目で感知できる可視光線を指します。電磁波は素粒子に働く力の一つで、粒であり、波でもあります。その為、弾を光子分解して収納しているランゼも物質の素粒子に干渉しているはずです。

 素粒子は『標準モデル』というものがあって、今のところ17種類見つかっています。物質を構成する粒子はフェルミ粒子、光子(フォトン)等の相互作用を伝える粒子はボース粒子と呼ばれています。フェルミ粒子は同じ場所に複数存在することは出来ませんが、ボース粒子は複数個存在する事が可能です。
 つまり、物質を構成する粒子と光子はそもそもの性質が異なる別の粒子という事になります。そうなると、ムサシの世界では異なる素粒子を変換できる事になります。ニュートリノは振動する事が確認されていますが、他の粒子では確認されていません。そうなると、とんでもない技術ですよね。



 また、空気を切断するとなると切断面は真空になりますが、密閉されていない空間で真空状態を作ってもすぐに元に戻るはずです。あるいは、素粒子に干渉するとなると、気体は固体や液体よりも密度が小さく、体積も大きいので空間を飛び回る粒子を捕まえないといけません。また、相互作用を破るとなると失った質量分がエネルギーに変換されるかもしれません。この武器ローグに持たせていいのでしょうか…?



舞台設定編

イクシアと地上では時間の流れが違う?

 先程も登場した相対性理論の話です。イクシアは移動型シェルターで長時間飛んでいます。相対性理論では速度が光速に近くなるほど時間の流れは遅くなります。つまり飛んでいるものと静止しているものとでは時間の流れが変わります。しかし地球上のイクシアと地上の時間の誤差は一秒未満になりそうなのであまり気にしなくてもいいかもしれませんね。
 


そもそも地球に穴は開けられるのか?

 『メガトン級ムサシ』の地球はドラクターことシドルによって穴が開けられてしまいました。フィクション内の地球は割られるわ消滅させられるや次元衝突させられるやらで散々な目に遭ってましよね。こちらの記事によると地球を貫通させる穴を開けるには458年掛かるのではないかと説明されています。

 しかし現実にも地球に穴を開け、内部を研究する話があります。それは地球深部探査船『ちきゅう』です。『ちきゅう』は地殻に穴を開け、マントルに迫ることを目標にしています。地球内部の事が詳しく分かれば、地震のメカニズムや生命の起源について迫れるかもしれません。

 ちなみに地球の核は高温高圧です。現在の技術では掘削出来ませんが、『メガトン級ムサシ』では核からゴウマという剣を作っています。ちなみに、マントルは固体だそうですが、液体のように対流します。固体なのは高圧が掛かっているからです。そのマントルが圧力や温度が低い地上に出ると液体のマグマになります。


 

https://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/shimizu/e_information/topics_H21.02.20.htm#:~:text=%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%90%EF%BC%95%E5%B9%B4%EF%BC%97%E6%9C%88%E3%81%AB,%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B7%B1%E9%83%A8%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E8%88%B9%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82


異次元獣と次元干渉

 『メガトン級ムサシ』1stトレーラーに登場した異次元獣アニマス。今までの敵は技術力の差があるとはいえ同じ世界の存在だったので、異次元が絡んでくるとは驚きましたね。まず、異次元とはどういった世界なのでしょうか。今回は二つの説を挙げます。

 一つは、私達が三次元の世界だと思っている世界は実はもっと広がっているのではないか、という説です。それを推察している理論が『超ひも理論』です。世界は粒子ではなくひもでつくられているのではないかという話です。
 『超ひも理論』の世界はなんと9次元(時間の軸を含めると10次元や11次元に広がる場合もある)に広がっているそうです。
 古代ギリシャの哲学者プラトンは、『イデア論』で真の世界は人の認識の外側のイデアにあると唱えました。私達が見ている世界は全体のほんの一部で、実はもっと広がっているのかもしれませんね。

 もう一つは多元宇宙(マルチバース)という説です。私達が認識している宇宙の外側に無数の宇宙が泡状に広がっているのではないか、という話です。その宇宙は私達が暮らしている宇宙と似ているかもしれませんし、全然違うものかもしれません。現地点では証拠が見つかっていませんが、もし発見されたら今までの宇宙論とは違う世界が広がりそうです。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD10CIA0Q2A510C2000000/

 三次元の延長線にある多次元にしろ、宇宙の外側にある多元宇宙にしろ、現代の技術では観測できない領域であるのは確かです。異次元に干渉するにはどうすればいいでしょうか。
 素粒子に作用する力は4種類あります。『電磁力』、『重力』、『弱い力』、『強い力』です。『弱い力』と『強い力』というのは原子核を構成する素粒子が持つ力で、電磁力と比較した強弱で分類されています。


 ビックバンの時代、これらの4つの力は1つでした。今は4つに分かれていますが、それらを1つにまとめるのが現代の物理学の目標の一つです。
 重力は他の力と比較して明らかに弱いというのが判明しており、別の次元に逃げているのではないか、という説があります。三次元の外側の世界が仮にあるとすれば、その領域にアニマスは生息しているのではないでしょうか。重力には空間を歪ませる力があります。そうなると強力な重力で次元を歪ませ、その壁を超えられるのならば、異次元の存在のアニマスに干渉できるかもしれません。


ワープはできるのか

 光速よりも速く移動するために使われるワープ。光速よりも速く移動する宇宙船を使う方法や、ワームホールを使う方法、宇宙を光速以上に膨張させる方法などが考案されていますが現地点では実用化の目処はついていません。
 しかし先述した通り、『メガトン級ムサシ』の世界にはタキオン粒子があります。タキオン粒子は光よりも速く、過去に干渉する力があります。ドラクターの機体や『メガトン級ローグ』はタキオン粒子が持つエネルギーで動いているそうなので、もしかするとこの世界の技術ではワープもできるかもしれません。

 


あとがき

 今回は『メガトン級ムサシ』小ネタ考察第二弾でした。私は考察記事を書くために記事の何倍もの情報を集めています。物理学はあまり詳しくありませんが、説明のために色々調べてまとめましたが、私の理解が間違っている可能性があります。
 『メガトン級ムサシ』は細かいことを気にせずに楽しむという方も居ますが、敢えて私はこのように様々な観点から物事を深掘りしながら楽しんでます。決して設定の粗捜しをしている訳ではありません。『メガトン級ムサシ』の世界を楽しみながら、現実の研究について調べるといったものです。
 物理学の世界は発展している最中で、現在も新たな説が論じられています。SFの世界は人間が想像したものですが、それを後世の人間は実現する力を持っています。今は実現出来ないとされているものも未来では出来るかもしれません。その未来を作るためにも、今も進んでいる現在を作り続けたいですね。それでは、次の記事で会いましょう!






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