メガトン級ムサシ シーズン3を予想する④



はじめに

 今回は『メガトン級ムサシ』シーズン3予想の第4弾です。今回は前回の考察にも登場した時空間についての話です。
(前回の考察はこちらからどうぞ)


タイムワープ

 『メガトン級ムサシ』シーズン3は超古代文明と宇宙の関わりが描かれる予定です。そこでは、もしかすると古代の地球を直接観測、もしくは干渉する事があるかもしれません。レベルファイブにはタイムワープが描かれた作品もあるので、今回はタイムワープの方法をいくつか考察しましょう。


ブラックホール

 時空間を歪めるといえばブラックホールです。相対性理論でその存在が考案された後、実際に観測された天体の一種です。ブラックホールは太陽よりも重い恒星が超新星爆発によって変化した天体とされています。

 ブラックホールの周辺は『真っ黒』であるとされていましたが実はそうではなく、トンネル効果によって生成された負の粒子と正の粒子のうち、負の粒子だけが中に吸い込まれ、正の粒子は外に飛び出す『ホーキング放射』が発生しています。『ホーキング放射』は、加速器によって生成された人工ブラックホールで実際に観測されました。


 ブラックホールと同じように考案されているのがワームホールです。ワームホールはブラックホールと異なり、出口があるとされています。未だその存在は観測されていません。
 ワームホールはブラックホールと同じように時空を歪める穴ですが、通り抜けられるとされています。しかし、その穴は不安定で素粒子程の大きさしかないので、仮に通るとするとその対象を一度素粒子に分解し、出口で再合成しなければなりません。人体を含む有機物は複雑な分子構造をしているので再合成するのは相当高い技術が必要になりますね。


 

時間操作は可能か?

 相対性理論によると時間の流れは観測者によって異なるとされています。時間は『絶対的』な指標ではなく、条件によって変動します。つまり、人によって感じ方が異なるという訳です。これをレベルファイブ作品である『イナズマイレブン』の必殺技『ヘブンズタイム』に例えてみましょう。

 『ヘブンズタイム』はいわゆる『時止め』といわれる技です。無印のストーリーで猛威を振るった技ですが、『アレスの天秤』では高速移動技と説明されていました。

 この原理は相対性理論で説明できます。相対性理論では、時間は観測者によって流れ方が変わる、とされています。そうなるとヘブンズタイムで『時が止まっている』ように感じているのはアフロディ側で、円堂視点だとアフロディが『光速移動している』ように感じている、事になります。光速は真空時で秒速約30万km、1秒で地球を7周半する程の速さです。アフロディの体が心配ですが、これぐらいの速さで動けたら無敵ですよね。



 また、エントロピーが減少する宇宙に行くという方法もあります。例えば、コーヒーと牛乳を混ぜるとコーヒー牛乳になりますが、コーヒー牛乳を元のコーヒーと牛乳に分けるのは難しいですよね。これを熱力学では『エントロピー増大の法則』と呼ばれています。

 多元宇宙論に登場する別の宇宙は、この宇宙とは異なる物理法則が成り立っている可能性があります。つまりエントロピーが増大、ではなく減少する宇宙がある可能性があります。そこで過ごした後に元の宇宙に戻れば、実質的にタイムスリップしている事になります。



 SF映画の『インターステラー』では、ブラックホールが登場します。先程も説明しましたが、ブラックホールには強力な重力が掛かっています。ブラックホール同士が衝突した衝撃による重力波は、遠い地球に到達する程です。
 重力によって発生する重力波は時空の歪みとされています。つまりブラックホール周辺は他の空間とは異なる時間が流れています。
 つまりブラックホールの周辺を旋回すれば、一時的に時間の流れが変わり、地球に戻ってくればタイムワープか可能という訳です。ただ、ブラックホールは地球からかなり離れているので、そこまで往復するのは大変かもしれませんね。




コールドスリープ

 このように時空間を操作するのは相当な技術が必要です。今回はもう一つの案を挙げておきます。それは、コールドスリープです。生物の活動を休止させ、時を超えて目覚める、というやり方です。これなら片道通行ですが、確実に未来に行く事が出来ます。

 超古代文明でエルゼドと戦い、『滅びの節』で地球に隕石が衝突し、カムウは眠りにつきました。カムウは滅んだのではなく『眠っている』。つまり、未来で復活するべくコールドスリープされたのではないか、という話です。

 コールドスリープとよく似た手段を取る生物というのが存在します。それはクマムシです。クマムシは乾眠状態に入ると、-273℃という超低温や100℃という高温、宇宙空間、放射線にも耐えられる『地上最強の生物』と呼ばれています。クマムシについては未解明の部分が多いですが、研究が進めば人間にも応用できるかもしれません。

 コールドスリープは人間だと大掛かりな装置が必要になりますが、微生物の分野ではよく使われている手段になります。食品製造に使われる酵母は、ドライイーストとして乾燥保存されたり、凍結保存で菌株を保存しています。
 また、芽胞菌という菌も存在します。納豆菌として知られるバチルス・ナットーや世界で最も強いと言われる毒素であるボツリヌス毒素を生成するクロストリジウム・ボツリナム等は芽胞という胞子の殻を作り、自らを守ります。通常、細菌は環境が悪化すると死滅しますが、芽胞を形成すると-100℃という低温や100℃という高温、乾燥状態にも耐えられるようになります。
 芽胞菌は食品分野にとって非常に厄介な存在です。殺菌方法のひとつにレトルトというものがあります。その理由はいくつかありますが、その一つに芽胞生成菌を殺菌するために高温高圧で殺菌するというのがあります。芽胞菌は常圧の水蒸気では死滅しませんが、高圧にして沸点上昇させた水蒸気では死滅します。それを利用して細菌を確実に殺菌し、密閉状態を保つ事によってレトルト食品は長期間の保存が可能になります。

 


生まれ変わり

 レベルファイブ作品の中には輪廻転生が存在するものがあります。それは、『妖怪ウォッチ』シリーズです。『妖怪ウォッチ』では人間は死んで妖怪になり、妖怪は命を宿して人間になるという設定があります。また、妖怪から生まれ変わった人間は妖力を宿しています。考察にも何度が登場した作品の『妖怪学園Y』は、転生ものの側面を持っています。主人公やその仲間達は妖怪から生まれ変わった人間で、生まれ持った妖力で怨霊や宇宙人といった敵と戦っていました。

 『メガトン級ムサシ』はSF要素の一方で、怪奇ものとしての側面もある作品です。科学と非科学、相反する要素が同居している所が『メガトン級ムサシ』の魅力の一つだと思います。『メガトン級ムサシ』はレベルファイブ作品の様々な要素を取り入れていますが、転生に関してはまだ出てきません。シーズン3は超古代文明が関わりますが、もしかすると主要キャラの転生もあるかもしれませんね。
 シドルの考え方では精神体(魂)は電波を発しているとされています。電波は電磁波の一種なので光子、つまり光の粒子に干渉しているという訳です。つまり『メガトン級ムサシ』は精神体が何らかの形で物理的に存在している可能性があります。
 地球上の物質は形こそは変わりましたがその量はほとんど変わっていないそうなので、もしかすると現在の人物を形作る粒子が、別の存在を形作っていた可能性も有り得ますよね。

 個人的には、大和にサイコライズ(シフト)、アーシェムに古代女王のアニマスを使役する力が覚醒した理由として、過去の人物が関わっているのではないかと予想しています。

異次元は存在するか

 以前の考察で話した次元干渉についてもう少し深掘りします。『超ひも理論』によると、私達が居る三次元の世界の外側に異次元が存在する、とされています。異次元がどのように存在しているかについては様々な意見がありますが、今回はその中の一つである『ブレーン宇宙』について説明します。

 『ブレーン宇宙』のブレーンというのは膜という意味です。三次元の宇宙の外側に膜が存在し、その先に高次元の世界が存在すると考えられています。膜の内側から外に出る事は出来ませんが、重力だけは膜を超えて伝わるのではないかと考えられています。

 もし、ムサシの世界に次元の膜が存在するならば、異次元獣アニマスは膜の外側に生息する事になります。重力は次元の壁を超えて伝わるという仮説があるので、もしかするとアニマスに干渉する為に重力を使う場面があるかもしれませんね。

超古代文明

 続いて、『メガトン級ムサシ』シーズン3で重要になる超古代文明の話です。古代文明はメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明と長江文明を合わせて中国文明の4つが馴染み深いですよね。また、アメリカ大陸にもメソアメリカ文明、アンデス文明という文明があったとされています。

 超古代文明は古代文明よりも前にあったとされる文明です。しかし、前述した古代文明と異なり、様々な説が乱立しています。現代よりも優れた技術を持っていたとされていますが、確固たる証拠はありません。人類は宇宙の歴史や人類が生まれる以前の地球を調査していますから、超古代文明が確かにあれば、その証拠を見つけてもおかしくはありません。ただ、現地点でそうであるだけで今後の調査で詳しい事が分かる可能性もあります。


超古代文明はいくつか種類があります。ここでは3つあげます。
・アトランティス
・ムー大陸
・レムリア大陸

 アトランティスは『妖怪学園Y』の世界に存在していました。また、『妖怪ウォッチ3』ではムー大陸をモチーフにした『ヌー大陸』という古代文明が存在します。
 かつて人々は未知の大陸を想像し、様々な伝説上の大陸を生み出しました。中には白人優越主義や植民地支配の為に伝説の大陸を肯定したという話もあるそうです。
 しかし、プレートテクトニクスにより現在は否定されています。伝説上の大陸は元々島だったのではないかという仮説がありますが、確定はしていません。

 『妖怪学園Y』のアトランティスは過去に宇宙に進出し、N星人として地球に帰ってきました。アトランティスは超技術を持っているが為に滅びの道を歩んでしまいました。それを避ける為に、アトランティスは宇宙に旅立ちました。

 超古代文明は宇宙人や心霊といった神秘主義と結びつきやすく、時にファンタジーやSFの題材としても使われています。超古代文明が滅亡した原因は天変地異とも超技術による自滅とも言われています。

 また、超古代文明の中には指導者が居たという話もあります。『メガトン級ムサシ』の超古代文明もそうだったかもしれません。エルゼドとカムウは似たような能力を持ち、共通の先祖から分岐した存在と考えられるので、もしかすると共通の指導者の下で文明を築いたかもしれません。

エルゼドとカムウは何故争ったのか

 さて、何故エルゼドとカムウは争い、その火種は現在も残っているのでしょうか。いくつか予想してみましょう。
 まず、領土や資源問題が考えられます。超古代文明を維持するのには領土や資源は必要ですから、地球上に居る間それを巡って争ったかもしれません。この2点の問題は宇宙に豊かな惑星を見つけた地点で解決しているはずです。エルゼドは銀河帝国と呼ばれるまでに宇宙を大規模に支配しているので、領土や資源は十分に確保できているのではないでしょうか。それなら何故エルゼドは執拗にカムウの残党を狙うか疑問です。
 続いて、民族問題です。エルゼドとカムウは共通の先祖から分岐したのではないかと考えていますが、二つの種族には明確な差があります。それをきっかけに争ったのではないでしょうか。それなら、エルゼドがカムウの派生種を敵の残党とみなして根絶やしにするのも納得がいきます。宗教や民族等といった違いから争いに発展するケースは珍しくないので、可能性は高いですね。
 最後は政治、権力争いです。エルゼドとカムウは現代の技術力を凌駕する技術を持っていますが、少数の集団でそれが出来たとは思えません。恐らくですがシドルの女王のような優れた指導者がまとめていたはずです。先程、エルゼドとカムウには共通の指導者がいたのではないかという仮説を立てましたが、もし本当だとするとエルゼドはその指導者に成り代わる為にあらゆるものを糧に進化しようと目論んでいるのかもしれません。


エフィンロアの正体

 『メガトン級ムサシ』シーズン2最終話である28話に登場したエフィンロア。エルゼド側の存在ですがその実態は不明です。アダムとイブのように肉体が存在しませんが、意思はあるようです。
 X(旧Twitter)のポストで、エフィンロアの正体はAIではないかと話された方が居ました。エフィンロアの語源は不明ですが、エフィンとロアに分けて検索に掛けた所、エフィンのスペルがefinだとするとヨルバ語で煙、ロアのスペルがlorだとすると英語で叫ぶという意味になります。
 『メガトン級ムサシ』にはAIを内蔵したローグやアンドロイド、機械と融合した人間が既に登場しています。肉体が存在しないエフィンロアの正体はエルゼドを統治するAI、もしくは肉体を捨てて精神体と化した元人間なのではないでしょうか。

 AIに統治された世界はフィクションによく登場します。『妖怪学園Y』のアトランティスはAIが統治する超古代文明でした。また、レベルファイブの作品ではありませんが『スター☆トゥインクルプリキュア』にはサマーンという科学技術が発展した惑星が登場します。エルゼドも、もしかするとAIに統治された存在なのかもしれません。

 余談ですが、『スター☆トゥインクルプリキュア』にはシドルと境遇がよく似た星も登場しています。

アダムとイブの大きさは?

 さて、エルゼド陣営に登場するキャラ、アダムとイブは一見人間やシドル人と同じような見た目をしていますよね。しかし、2人の横に別の人物は立った事はありません。
(エルゼドの騎士とカムウの兵の見た目はこちらから見られます。合言葉は28話でアーシェムが言った台詞です。)


 もしかするとアダムとイブは人間よりも明らかに大きい巨人族で、並び立てないからかもしれません。彼らが従えるエルゼドの使徒は、一見するとローグのように見えますが、どちらかというと有機的な見た目をしています。まるで鎧を纏った騎士のように見えるのは私だけでしょうか?
 また、エルゼドの騎士と戦ったカムウの兵も、機械に名付けるにしては有機質な名前のような気がします。もし、カムウの兵が機械なら、兵器と名付けそうですよね。
 ひょっとするとエルゼドとカムウは地球人やシドル人よりも巨大な人類だったかもしれません。そうなるとローグのような巨大戦が起きていたのも納得がいきます。



シーズン3を改めて予想する

 ここまで話して、改めて『メガトン級ムサシ』シーズン3を予想します。こちらのシリーズも長いことやっているので意見が二転三転してしまいましたが、一度まとめておきます。

(高確率で当たるであろう予想)
・超古代文明の真相を知る為に過去へ干渉する
・未来はエルゼドの進化の糧になる為に捕縛される
・アニマスが生息する異次元に干渉する
・カムウは何らかの理由でコールドスリープされていた
・エルゼドとカムウは共通の先祖から分岐した存在
・エフィンロアには肉体が存在しない

(多分当たらないであろう予想)
・メインキャラの誰かが転生者
・雨宮の真の出自と本名が明かされ、エルゼドの関係者(アダムとイブの息子?)だというのが判明する
・エルゼドとカムウは民族、もとい権力を巡って争った
・エルゼドとカムウは共通の指導者(神)の下で文明を築いていたが、その指導者が死んだ事によりエルゼドが新たな指導者に成り代わろうとしている
・エルゼドとカムウは巨人族

あとがき

 今回は『メガトン級ムサシ』シーズン3予想第4弾でした。今回も長くなりましたが、楽しかったです。最近、公式からの情報も出るようになった『メガトン級ムサシW(ワイアード)』はクロスから数年後の世界を舞台にしたストーリーが展開されます。超古代文明や異次元の存在が登場する物語、今から楽しみですね。それでは、次の考察で会いましょう!


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