2つの反射が同時に回折条件を満たす4軸角の導くための式の導出

私は学生時代単結晶X線電子密度解析の研究をしていました。研究を進める中で測定精度を高めたいと思って同時反射の利用しようと思いました。その利用のための第一歩、同時反射の測定するために、必要な式です。



放置していると埋もれてしまうので、掘り起こしを兼ねて、投稿します。ただし、本文は公開している私のGoogleドキュメントに書いてあります。簡単に前置きが書いてありますが、本記事はリンク先がメインです。理由は、noteに新しく書き起こすのがめんどくさいからです。。。

注意
X線結晶構造解析の回折条件を満たす基本条件のエワルドの反射球についての説明はしていません。最終的に導出される式は、反射ベクトルの関係式のみで表されますが、同時反射の測定にはψ‐ローテーションを想定しています。つまり、4軸回折計の使用を想定しています。

同時反射は物理的に面白いテーマだと思いますし、X線‐中性子線結晶構造解析においても重要なテーマだと今でも信じています。
我こそはと思う方は、ぜひ、チャレンジしてみてください。

一応、X線‐中性子線結晶構造解析について軽く触れておきます。物質の性質を知り、制御するためには、物質を形作る結晶構造を知るのが重要です。結晶構造とは、中学校の理科で習ったことがあるかもしれまんせんが、塩(NaCl)が有名だと思います。丸い原子が規則正しく並んだ図(面心立方格子と呼ばれる)が思い浮かぶかもしれませんし、浮かばないかもしれません。図を載せたいのですが、著作権とかありそうなので、面心立方格子で調べてみてください。

最近、社会で注目されているペロブスカイト型太陽電池のペロブスカイトも結晶構造のことです。すべてのペロブスカイト型結晶構造が太陽電池になるわけでは無いのですが、ペロブスカイトと書いてあるからには、ペロブスカイトが重要なカギとなるのでしょう(私は詳しくは知りません、ごめんなさい。)

その重要な結晶構造を測定するために、X線もしくは中性子線が用いられます。X線は原子の電子を中性子線は原子の原子核を測定します。結晶構造(原子位置)を知るだけなら、どちらも同じような結果をもたらします。X線の場合は精密測定をすることで、電子密度を解析することが可能になります。物質の性質において、原子の位置を知ることも重要ですが、当然、電子の位置(電子密度)を知ることも重要です。そのためには、精密測定が欠かせません。

同時反射の活用によって、精密測定の新しい可能性が広がると私は信じていますし、また、思いもかけないような新しい応用が見つかるかもしれません。

少しでもX線結晶構造解析に興味を持っていただける人が増えることを願っています。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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