うちのばあちゃん

うちのとなりにばあちゃんが一人暮らしをしている。
隣りといっても敷地内で密接してるため、毎日顔を合わす。
ばあちゃんは、人付き合いがよいため、今日は公民館、明日はデイサービス、明後日は友達の会と、昼間にいつでもいる訳ではない。
玄関の鍵を昔々になくし、いつも勝手口から出入りしていたが、勝手口の周りに物を置きすぎて、いつ転んでもおかしくないため、こないだ私が鍵を新調した。
玄関から出入りできるようになり、更に嬉々としお外に向かう。

ばあちゃんは、今日はうちにいて、玄関先でらっきょの頭と根っこを小さな包丁ではねて、つける準備をしていた。
毎年梅雨が近くなるこの時期の恒例行事だ。
小さな頃から、うちの次男もばあちゃんと過ごしてきたため、学校行く時帰る時、荷物かかえて、ばあちゃんおはよう、ばあちゃんただいま、と声をかける。
小学生の頃はばあちゃんにえらそうな口をたたいていたときがあったが、今はばあちゃんのことを大事にしてる。
ばあちゃんは私の実親ではなく、いわゆるお姑さんだ。私は嫁の立場である。嫁入りしたときは、あまり仲良しだったとはいえないが、今は大変仲良しだ。
ばあちゃんは歳の取り方を心得て、ちょっと小うるさい実の長女にも、逆らわず、はいはいということをきき、最近はなるべく足として簡単に呼び出さず、タクシーも使う。
10年前は、家族ならいつでも車を出してもらってよいと思っており、早朝に長男(私の旦那)を起こし、車乗せて〜と言っていたが、辞めたようだ。

誰かの世話になることは、嬉しいことではない。気を遣い、機嫌をとりながら、本当は自分で自分のお好きにしたいけど、いろんな事ができなくなり、必ず誰かの世話にならざるを得ない、と自覚をしたら、嫌われないように、我慢もして、気持ちよく世話してもらえるよう、年寄り界隈で話をしてるのだろう。

うちの旦那もばあちゃんに優しい。
こないだ珍しくでっかいメバルを二匹つったとき、煮付けにしてて、そのうち一匹はばあちゃんに、一匹は自分と次男で食べて、わたしには赤ちゃんサイズの名もない魚だった。

そういう訳で今日はうちのばあちゃんは素晴らしく、老後も安泰という話でした。

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