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コーヒーはインスタントも成分は同じですか?

(Quoraより、回答を転記。リクエスト回答)

リクエストありがとうございますm(__)m


未熟者ですが、知っていることをお伝えいたします。
インスタントコーヒーですが、製法の点では既にソリュブルドコーヒーについては既にご回答されている方がおられますので、そのほかの製法と、成分というか原料の違いについて、お話いたします。

では、ソリュブルドを除いて製法のお話しします。

インスタントコーヒーですが、ソリュブルドコーヒー以前の、古くからある製法で、二種類ございます。

一つ目はスプレードライ製法。熱くなった空間に、スプレー状の濃縮珈琲を噴霧することで、瞬間的に水分を蒸発させ、残った粒子をそのまま、あるいは顆粒化する製法です。一般的にはブレンディなどの水にすぐ溶けるタイプが該当します。

スプレードライは、割と大量に連続して作れる点と、技術的な複雑さがあまりないので、それこそご家庭でも作れます。(フライパンで蒸発させると似たようなものになります。)
ただ、蒸発時に熱が加わるため、多くの香りが消失したり、重い物質に変わり、香り高さという点では、香味のロスが生まれてしまうのが難点です。

二つ目はフリーズドライ製法。濃縮した珈琲をトレイにのせて凍らせて、それを低温のまま真空チャンバーに入れ、脱気しながら気圧を下げていきます。そうすると水が低温でも沸騰するようになり、トレイに乗った凍った濃縮珈琲から水が抜けていきます。抜けた水は、送風され、さらに低温の箇所で再度凍結、あるいは集積されて、全体の脱水が完了します。乾燥された濃縮珈琲はスカスカの板状になっており、これをある程度均一に砕くという製法です。一般的にはゴールドブレンドのようなタイプが該当します。

フリーズドライは、設備的に巨大化することでかなりの設備コストがかかる点と、連続製造がちょっと難しいため、大手さんでも極端な低コスト化はできていないように思います。
利点としては、熱を珈琲に及ぼさないことにより、非常に香り豊かな美味しい珈琲がインスタントで実現できてしまいます。ゴールドブレンド美味しいです。

最後に、成分の点でお話しします。
缶コーヒーでもそうですが、ここ十数年までは、一般的なレギュラーコーヒーや自家焙煎店で使われている「アラビカ」という、味や香りがよく、ちょっと環境的な制約があるために価格が高い豆は、工業的なインスタントや缶コーヒーでは使われていないと聞いています。

最近、缶コーヒーなどで「アラビカ使用」とわざわざ書いているのはそれまで、別の品種、ロブスタ(カネフォラ)が使われることが多かったためです。
ロブスタは、日本人にすると大味で、強い珈琲館とカフェインも単位当たりでは含有量が高いなど、珈琲らしさが目立ちます。ただフランスやイタリアなど、エスプレッソを引用したり、各国プランテーション政策(フランスとベトナム、オランダとインドネシアのように)によるヨーロッパでのロブスタ種の流通を体験している国では、普通に飲まれています。(日本人でもオランダやイタリアのロースターがうまいことロブスタをブレンドしている豆は、本当においしいと感じるはずです。)

価格面では、アラビカとロブスタは圧倒的な差がありますが、インスタントそのものが嗜好品としての価値を消費者があまり持たないケースが多いため(高額でいい珈琲をインスタントでわざわざ飲まないという意味)、必然的にロブスタが使用され、その味を研鑽してきたのは、当然といえば当然かもしれません。ちなみにゴールドブレンドは結構アラビカ使っていると聞いたことがあります。

ロブスタ系が使われている可能性が高い産地は以下の通りですので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?日本ではこの4月から産地表記がブレンドの場合、上位二か国まで記載する必要が出てきてますので、割と見てて面白いと思います^^
・ベトナム
・インドネシア
・ウガンダ
・ラオス

これらの国でも新たにアラビカが作られていたり、転作前のアラビカが残っていたり、話のネタがつきませんが、脱線しすぎるのでこの辺で。

リクエスト感謝です!

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