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オンライン演劇|インサイドシアター|オンライン・パパラッチ 新郎失踪の真相を暴き出せ が面白すぎた件 【ネタバレ注意】

いつも面白いんですよ、インサイドシアターってやつは。今回も作り込みがドン引きするほど凄かったので、記録を残しておこうと思いました。

【ネタバレあり!注意です!】  

インサイドシアター|オンラインパパラッチとは?

オンライン演劇のひとつで、イマーシブシアターから着想を得てる(と思われる)。

イマーシブシアターとは、観客が自ら会場内を歩き、演者と同じ作品空間にいながら物語に没入(イマーシブ)できる体験型演劇。

海外では、閉館したホテルなどで行われてるみたいです。劇場のような「舞台」はなく、観客が見たい「部屋」に移動し、演者と同じ作品空間にいながら物語に介入できる体験型演劇。物語はすべての部屋で同時多発的に発生して、観客がみれるのは1つだけ。音楽フェスみたいな感覚ですね。

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▲ いろんなステージがあってどこに行こうか迷う!に近い感覚。

本記事「インサイドシアター」は、それのオンライン版

複数の動画と Twitter とネット検索が連動した「オンライン演劇」でした。視聴者の行動によって展開が変わります。

気になる言葉があれば検索してみる。すると、この作品内に出てきたウェブサイトや、Twitter アカウントが見つかる。視聴者は物語の裏側に触れてしまう……。

▼ 今回は有名芸能人の結婚会見。裏垢も存在するようで……

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徐々に作品空間に没入し、自分自身が登場人物の一人になっていくのです。

本公演|オンライン・パパラッチ 新郎失踪の真相を暴き出せ について

6台の監視カメラ映像をみて証拠を突きつける本作「オンラインパパラッチ」。時間は結婚会見が行われるまでの約30分。その間に、犯人と手口を見つけることになります。全ての映像を見ることはできないので、情報共有は Twitter を使うことになります。

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▼ コンテンツディレクターのメッセージ

インターネットは大好き。だけど、正義のぶつかり合いを見る事が悲しい。「自分の目で見たもの」を信じて拡散する事が大事。インターネットで誰かを救うことができる、ということを体験して欲しかった。

「いい意味で」ネットを炎上させたかったようです。

本作品では観客が「ただ見ているだけ」では、真相は闇。自分が見たものの正誤を判断して Twitter で拡散することで出演者に届けて結末を変える。自分の行動が結末を変える。そんなお話です。

このバランスかなりちょうどよくて、「本当に自分しか見てないんじゃないか?」「これに気づいたのは自分だけなんじゃないか」と思い、「自分自身がなんとかしなきゃ…!!」と動き始めます。かなり自然に作品世界に介入させられます。

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▲ 犯行は一瞬。見つけたら正義感が働きます。動かずにはいられない!

作品内容|幸せな結婚式に立ち会えた喜び

6画面視聴タイムが終わったら、全員同じ1つの映像を見ることになります。ここから先は演劇。観劇して楽しむ時間となりますが、これまでの時間で拡散された Twitter によって展開が変わります。
その分岐数:30以上!一度しか公演しない作品なのに、どうしてこんなに作ったし…笑

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▲ 場面は結婚記者会見。不安そうな新郎新婦(実は新郎はニセモノ)。

徐々に真相が明らかになります。芸能人家族、印象的なセリフやポーズで作品を盛り上げます。

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結果、真相は明らかになります。これは首謀者の言葉です。

人は140字しか見ない。広まったものが事実かどうかなんて関係ない。広まったものが真実になる。真実じゃない情報だって広めることができる。

新郎も見つかり、事件の真相が明らかになると改めて結婚式が始まります。指輪交換があったり、結婚の誓約があったり。このコロナ渦で結婚式自体ご無沙汰だったので、「結婚式に参加できた!幸せな気持ちになれた!」と心から思えました。

▼ いい笑顔〜。僕にとってもいい思い出になりました。

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さらに、突然 MacBook をもったスタッフが乱入します。「まだなんかあるんか!」と思っていたら「皆様からメッセージが届いております!」と、新郎新婦に画面を見せます。皆様というのは、我々視聴者のこと。

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このタイミングで僕の涙腺は崩壊。新婦が口を抑えるように、僕も同じように泣きました。自分がなぜ涙したかわかりませんが、たぶん「自分の起こした行動が出演者たちに届いた瞬間だった」から、だと思います。

さらにカーテンコールもありました。その様子は、さながら演劇でした。演劇をみた気持ちとおなじ気持ちを味わいました。

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さいごにカツラをとるオヤジ。サービス精神がすごい 笑

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仲よさそうな役者たち。みんなラブです。

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作り込み|これ全部1回の公演のためにつくったの!?

実際の結婚式会場を使ったり、実際の Twitter を使ったり、公演のためにウェブサイトを作ったりしています。

物語に出てきたキーワードから、視聴者はホンモノの結婚式場にたどり着きます。アンジェロコート東京という、ちゃんとした結婚式場です。

▼ 最後に解説ありました。解説では「すげー!」のオンパレード

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今、実際にこの会場で行われている物語です。電話番号も住所もそのまま使っており、電話を使って出演者に指示を出すこともできます。実際に突撃することもできます。そういうリアルがありました。

オンライン演劇なので実際はそこまでやる人はいなかったようですが「そこまで想定している」ことがすげーなと思います。

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出演者ほぼ全員の Twitter アカウントもあります。過去のツイートを見ることで出演者の内面に気づくことができます。

▼ これは裏アカウント。 

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物語の6分の1しか見れません。1つ映像をみているときは、ほかの映像を見る事ができません。脚本家は「どの場面を切り取っても」面白くなるように書いているようで、どの場面でも、どこから見ても話が分かるようになってました。

▼ こういうネット記事も公演のために作ったみたいです。しかし、この記事はデマ。これが本当かどうかは自分自身で判断しないといけないのです。

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作り手としてはコスパ悪い公演ですが、いち観客としては思い出作りに見合う価値のある作品でした。

記録|コンテンツディレクターさんの言葉

本編終了後、きださんが話されていた内容です。

発想の原点
・結婚式をテーマに。
・「ちょっとまったー!」といって、新郎が届けられたら面白い (2021.7月に思いついた)
・窓景色から目白がわかる。鏡で反射しても目白!
・電話番号を使わせていただける結婚式会場。
・部隊は本物の結婚式会場、アンジェロコート東京
・こんな不思議な企画を受け入れてくれるやさしい式場(いつか結婚できたら…)
・本物の結婚式場の電話番号・住所を利用する
・実際に会場に突撃しても対応可能だった(検温機、チェキのサービスあり)
・景色をみるためには明るい時間に開始する必要あり(16時開始)
・公演当日の競馬の結果によって、役者の持ち物が変わる

きださん、新宿だけじゃなくブライダル業界をも救う。こういう、ドキドキできるお仕事してるって、うらやましくなりましすね。

皆様、お疲れ様でしたーー!!!

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(よければ 文化祭の再演をお願いします!!)


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