【ポケモンSV/シングルバトル】テラスタルの機能について

  1. はじめに
     ポケモンバトルの楽しみ方は千差万別です。感覚的に楽しむ人もいれば、論理的に楽しむ人もいて、楽しみ方と強いかは別の物差しだと思います。
     私は、論理的に楽しみたいタイプであり、バトルだけでなく、議論という楽しみ方もあると考えています。また、論理的に楽しみたいタイプは、議論を経て、実際のポケモンバトルに活かせるという強みを持っているとも思っています。
     このため、今回は、私の考えるテラスタイプの種類について述べたいと思います。ポケモンバトルを論理的に楽しみたい方々にとって面白い読み物となれば、また、ポケモンバトルが強くなるための一助となれば幸いです。

  2. おさらい
    テラスタルの効果は以下のとおりです。
    (1)耐性
        単タイプになる
    (2)タイプ一致技の火力
     ア 元のタイプのいずれかと同じタイプとなった場合
       1.5倍→2倍(テラスタルによる補正は1.33倍)

     イ 元のタイプと異なるタイプとなった場合
       1倍→1.5倍(テラスタルによる補正は必要1.5倍)

    (なお、特性へんげんじざい発動後のポケモンがテラスタルした場合、元タイプは変幻自在発動後の単タイプとして扱われる。へんげんじざい発動前の場合でも、テラスタル後には発動しない)

  3. テラスタルの機能とは
     要は、「何のためにテラスタルを使うか」という事を便宜的に機能と呼んでいます。具体的なイメージは細目を呼んでいただけると伝わるかと思います。

  4. テラスタルの攻撃的機能
    4.1 リーチを伸ばす
      元々持つタイプにテラスタルさせ、技威力を上げるためのテラスタルです。攻撃面で一貫性のあるタイプを持つポケモンで、かつ、一致技と種族値に恵まれてないと許されないテラスタルです。
     まず読まれますが、読まれても強力であることには変わりません。
     また、このタイプのテラスタルは使わない選択肢を取りやすいこともメリットとして上がります。
    (例)ドラパルト(竜)
          ドドゲザン(悪)

    4.2 一貫性を増す
     本来覚えない、一貫性の高い単タイプにしてテラバーストすることで、単体性能を高め、対面的に有利を作っていくものです。
     対戦相手の種族値が高いポケモンを見たら、常に考慮に入れておくべきです。
     今はドラゴン環境であることもあり、ほとんどフェアリータイプですが、今後、水、電気、ゴースト、悪あたりは可能性として押さえておいた方が良いかと思います。
    (例)ガブリアス(妖)
      ドドゲザン(妖)
         ドラパルト(霊)※物理

     4.3 範囲を広げる
     テラバーストで元々覚えない技を覚えさせ、タイプによる受け出しを許さないようにすることで、サイクル戦を有利に進めようとするものです。
     メジャーなものは読まれる可能性はあるものの、リーチを伸ばすテラスタルよりそもそもの選択肢が多いこともあり、読まれにくいです。
     この種類のテラスタルにおけるタイプ選択では、昔めざパで補完されていたタイプの逆を考えると強力なものになりやすいです。
    (例)炎ポケはめざパ草で範囲を補完
      →草ポケで炎テラスタル(リーフィア)
      電気ポケはめざパ氷で範囲を補完
      →氷ポケで電気テラスタル(セグレイブ)

    4.4 サブウェポンの火力を増すテラスタル
      シンプルで、タイトル以上の説明はあまりありません。実質的にはこだわりアイテムと同じ火力が出せるのが強みですが、一番の強みは切らない選択肢を取りやすいことです。

  5. テラスタルの防衛的機能
    5.1 耐性を強化する
     元々耐性面で優秀でないポケモンを耐性が優秀なタイプに変更することで、場持ち、対面性能を高めるテラスタルです。
     ドラゴンタイプが生き生きとしている最も大きい要因はこれだと思っています。
    (例)ラウドボーン(妖)

    5.1'耐性を逆転する
     相手の抜群技を誘いつつ、テラスタルにより耐性を逆転し、隙を作るものです。作った隙で積むことができれば、全抜きを狙うことも出来ます。
    (例)セグレイブ(電)※鋼技を誘い、竜舞

    5.2 状態異常を無効化する
      草で粉を、電気、(地面)で麻痺を、炎で火傷を、毒・鋼で毒を無効にするテラスタルです。5.1'と同様にうまく決まれば1ターン稼ぐことができ、状態異常で戦況を覆されることを防ぐことができます。しかし、狙える機会は多くはありません。
    (例)マリルリ(炎)

    5.3 技をすかす
      無効タイプのあるタイプにテラスタルして、特定タイプの技をすかすテラスタルです。決まれば強く感じますが、限定的状況でしか使えないものであるため、保険として捉えておくことが重要です。
    (例) じわれを空かす飛
      しんそくをすかす霊

    5.4 接触を避ける
      少し特殊な機能です。テラバーストが非接触技であることを活かし、物理アタッカーの攻撃でゴツゴツメットのダメージやほのおのからだによるやけど等を避けるものです。
    (例)カイリュー(飛)

  6. 強いテラスタルとは
     ここまで、テラスタルの機能について述べてきました。既にお気づきかとは思いますが、テラスタルは、同時に複数の機能を持つことができます。テラスタルは1回のバトルで1度しか使えないため、言うまでもなく、出来るだけ多くの機能を含有するテラスタルが強いと言えます。
     例えば、一部例でも挙げましたが、電気セグレイブは、4.2,4.3,5.1,5.1',5.2,5.4の機能を持つかなり優秀なテラスタルであると言えます。

  7. テラスタルの優先度
     前述した電気セグレイブを対戦で使おうとするとどうなるでしょうか。強力なテラス、是非使いたいですよね。
     私が使っても、実際初手に選出、初手にテラスタルという運用が非常に多かったです。どういうことかというと、他のポケモンにはテラスタルが使えないという事です。
     要は、気をつけることとして、構築段階である程度、どのポケモンに多くテラスタルを使うかを想定しておくべきだと考えます。電気テラスタルセグレイブの周りには、飛行テラスタルサーフゴーなど、限定的場面で圧倒的な効果を発揮する機能のテラスタルを採用すべきと言えます。また、選出が決まった段階では、自分の中で、テラスタルをするポケモン、タイミングまで決めておき、想定外のことがあってテラスタルをしなければ負ける状況にならない限り、他でテラスタルをするべきではないということです。

  8. おわりに
     今回の記事は、今作のポケモン対戦をやっている人からすれば、当たり前だと感じられる部分も多いかと思います。しかし、その感覚的な部分を論理的に整理することで、新たな気付きに繋がった方もいるのではないでしょうか⁇
     今回の記事が、どなたかがテラスタルを活かした画期的な型を創り出すことのきっかけになることを期待しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?