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「コロナ禍の中での船出、それも自分らしいのかも」

MyStory『無我夢中人#006』
ジュエリーデザイナー 谷口堅一郎(その2)

縁もゆかりも無かった土地で暮らして5年。谷口さんは、ここ愛媛県松山市で独立し、開業することを決めた。東京時代からあたためていたオリジナルブランド「here to stay」(普遍的になる/当たり前になることの意)を屋号として。

2019年12月、谷口さんは退職の意を会社に伝え、独立の準備を始めた。自分を表現する場所。お客さんの想いを繋ぐ仕事。夢がひとつ叶う。

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しかし、翌、2020年1月、コロナウイルスの感染がジワジワと広がり始める。そして、退職する4月には、世界中がコロナのニュース一色に。

正直「まずいぞ」と思ったけど、今更、会社に戻りたいとは言えない。やるしかなかった。

松山の暮らしに慣れてきたとは言え、知り合いがそれほどいる訳でもない。まさに顧客0からの出発。それは覚悟出来ていたが、コロナ禍は想定外。こんな状況の中でジュエリーをつくりたい人なんているのか?不安ばかりに襲われた。

開き直るしかない「これも、自分らしいのかもしれない」コロナ禍の6月「here to stay」は、ひっそりとオープンした。

店舗にあまり商品を持たない谷口さんのお店は、オープンしたからといってお客様がやって来るという商売ではない。ローカル媒体に片っ端から連絡を取り、記事に取り上げてもらった。少しずつお客様が訪れる様になり、お客さんがお客さんを呼ぶ様になった。

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大切な記念に作るリング。祖母から貰ったものをリフォームするリング。我が子のイニシャルをデザイン化して刻むリング。そこには様々な想いが世界でひとつしかないリングとして形取られていく。

谷口さんに、今後の「夢や目標」を尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「夢はもう叶ったと思ってるんです」

何も持たずにミュージシャンを目指して福井を飛び出してから27年。人の「想い」を繋ぐジュエリーづくりに人生をかけている。”here to stay”. それは、谷口さんのジュエリーづくりに対する覚悟の表れだ。これからも谷口さんのジュエリーは、誰かの「想い」をのせて、削られ、磨かれ、形取られていく。そして、その夢から覚めない限り、お客様の笑顔も続いていく。

『My Story 〜無我夢中人〜』 
 2021.03.11&18/21:30-22:00 on FM愛媛
【パーソナリティ】西城戸淳平/遠山恭輔
【ゲスト】ジュエリーデザイナー 谷口堅一郎

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