「戦火の愚かなる英雄」を観た感想。

ドイツ軍人が殺された。犯人を捜し出さなければ町人十数名が見せしめとして犠牲になってしまう。そうなった時に、犯人役として仕立て上げられるのは身寄りのない退役軍人。つまり、コミュニティの最下層に位置する弱者なのは世の常か。イカれた男として蔑まれながら生きるイプ(セオドア)が、自身がドイツ軍への生贄として扱われていることを承知しながらも、「自らの命を顧みず人々を救った英雄」となる為に覚悟を決めていく。

町人たちは、イプをその気にさせるために最初で最後の誕生日パーティーを開いたり、医者に「お前の命は長くない」と宣告させたりしてくる。さらには「私たちには家族がいるのだ」と。この、遠回しに「お前が死ね」と訴えかけるやり方が非常に人間の汚さというか、醜い部分を感じさせる、ネタバレを考慮して具体的なことは言えないが、バッドエンドでもなく、グッドでもないとだけ言っておこう。ただ、イプにとって苦しい経験になることは確かである。

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