占い結果を信じる、信じない

この前、知り合いの紹介でホロスコープ診断を受けてきました。

事前に誕生日と生まれた時間、出生地をお知らせして、その結果を当日にお聞きするというものです。

私がスピリチュアルのものを信じているかどうかは微妙で、気が向いたときに神社にお参りに行くとか、縁起物を買ってみるとか、風水を気にしてトイレに観葉植物を置いてみるとかそんなレベルです。
おそらく何か良いことが起こっても、これらの行動の結果だな、と思うことすら忘れてしまうレベルの信心深さです。

星や月などの自然が人生を導いてくれる
心に宿る力を自然が引き出してくれる
自分が気づかなかった自分自身の姿が見える

なんて言われてもイマイチぴんときません。

さて、占い当日、占い師さんと向かい合って座り、ホロスコープの結果をお聞きしました。
まず第一声は「あなたは広く浅く知識や情報を得るのが得意だけど、一つのことを深くじっくり考察して何かを考えることは向いてない」でした。
あらぁー、初っ端から「あなた、研究者に向いてないわ」とバッサリ切られてしまいました。
その後もずっとホロスコープの説明を聞きましたが、最初のインパクトが強くて半分くらい上の空。

まぁ確かにガツガツ研究業績を積み上げて、学会でも存在感を増しているような研究者でもない、完全にハンパ者だから、間違っていない。
ホロスコープ、あってる気がする。
あってるけど、なんか私の今までを否定されたような気がするぅー。
と半ば泣きそうになりながら聞いていました。

さすがに占い師さんも異変に気づいたのか「何か気になることあります？」と苦笑い。
正直に今は大学で職を得ていること、一応博士号持ってること、研究はダメダメで自信はないけどやってることを話しました。

「だったらそう言ってくれればよかったのに！」

大丈夫！あなたは考える力があるから研究者に向いてる！星がそう言ってる！落ち込まないで！
と。

もはやホロスコープから読める言葉なのか、ただの励ましなのかわからず、

「あれ？さっきの説明からだいぶずらしてきてね？」
となりました。

でも、この占い師さんが悪いわけではないのです。
きっと私は占い師さんに
「あなたはこれから良い研究者として認められて、大成しますよ。」
なんて嬉しい言葉をかけてもらいたいと期待していたからだと思います。

どんなことを言われるのかな？
私の今後はどうなるのかな？
今の仕事はどう発展していくのかな？
なんて思っていたら出鼻挫かれたみたい感じ。
結局、自分で期待して自分でがっかりして、相手に気を遣わせてしまっただけなのです。

人は自分の欲しい情報しか取らないし理解しないと言います。
同じテレビを見ていても、自分の好みや思考、思想などにフィットした部分だけが印象に残り、あとはなかったかのように忘れてしまう。
時にはそれがフェイクニュースだったりデマだったり、切り取り、改ざん、誤解になります。

先に言った通り、私は占いとかスピリチュアルなものに関心が薄く、占いがどんな過程を踏んでそう結論が出るのかなどはわかりません。
でも私は占いで自分の欲しい答えを相手からもらえるものだと思っていて、自分のありかたを肯定してもらおうとしていたんだなあ、とわかりました。占いが私を全肯定してくれるだけのものではないとわかりながらも…です。

占いの結果が変わったように見えたのは、占い師さんが別の角度から分析を変えてくれただけかもしれません。（その見方については詳細に聞けなかったので不明）

占い結果を信じるなら、私は進路変更をするべきなのでしょう。
でも、一応大学に身を置いている者として「占いでこー言われたので向いてないらしいです！やめまーす！」なんて言えません。
生活があるし、何より今の職場環境が気に入っているし、自分なりのやりがいもあります。
占いで向いていないと言われても簡単に捨てられません。

なので、しばらくは占い結果を信じずに、逆らって生きていこうと覚悟を決めた次第です。