2024/04/08【水の味】
この店は、アカバチャセンムシが始めたらしい。
その前は、カタバミアオミが経営していた。
アカバチャセンムシは数が少ないが、集まると丈夫だ。
カタバミアオミは数が多いが、流れのままに消滅する。
カタバミアオミは執着がないので、すぐに土地を明け渡す。
アカバチャセンムシは拠点を探している。
一か所の拠点に集まるアカバチャセンムシの歓談には、独特のリズムがある。
そのリズムは他の虫を寄せ付けず、同じ虫の羽音を頼りに波を大きくしていく。
カタバミアオミは単独で羽音を鳴らす。
別のカタバミアオミは違う音を鳴らす。
他の虫が来てもお構いなしだ。
アカバチャセンムシの店に入るのもいい。
その羽音に耐えられるなら。
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