これまでとこれから ~スタートアップの谷間で~


前提と反省と違和感

全てのスタートアップ経営者および投資家の方々に敬意を払っている、という大前提で話をしたい。

現実問題として、スタートアップ(少なくとも私が取締役をしていた時は全然足りなかった) が社会に与えるインパクトの絶対量は小さくなりがち。
小規模な上場/売却が増え、1つの産業におけるエコシステムを悪い意味で部分最適してしまっている。この10年で社会に爆発的なインパクトを与えた国内のスタートアップはどれだけあるのか。 
楽天、LINE、メルカリ、クラシル、ラクスル、JMDC、SaaS (フリー/マネフォ)、smartHRなど本当に一握りではないだろうか。

私たちの会社は途中からいわゆる大企業との資本業務提携によりJVになった。(経緯は省略)
JVとして事業を推進する中で感じたことは山ほどあるが、抜粋すると以下。

・いわゆる大企業は保有アセットと社会への価値提供の絶対量が大きい。
・大きいが故に硬直。
・彼らが、保有アセット(例えば店舗) そのままにもう一度この時代に、その事業をゼロから創業するなら、「絶対に」今の形にはならない
・アセットそのままに、この時代に即した戦略/業務プロセス/組織/サービスをゼロベースで構築する、ということが極めて重要

正直、このJVで立ち上げた共同事業が与えたインパクトは、自分たちだけでやってきた数年間を3ヶ月で上回った気がしている。

自分たちの会社がやっていることに「狂うくらいの使命感」がなかった、かつ、「狂うくらいの使命感を持つことを決める」こともできなかった自分は未熟だったが、ここで感じた社会へのインパクトに関する違和感はどうも拭えなかった。
そんなことを考えていたタイミングで、マーケットとの対話など、いくつかの問題もあり、取締役を退任した。

これから

退任してから約半年、ほぼニートのような生活をしながら、また、自分の至らないところを内省しながら、ゆっくり今後について考えていた。
流れてくるニュースで目を引くのは「LayerX」「OLTA」など、金融業界において大きな企業とのJVで戦略的に、かつ圧倒的な戦闘力で社会を変えようとするスタートアップだった。
おそらく、金融業界はどの業界よりも規制が強い一方で、金融庁/メガバンク/法曹界/スタートアップのエコシステムがどの業界よりも早く確立されたんではないだろうか。

自分も、スタートアップ創業に携わり、取締役として大手との資本業務提携→JV化という経験を生かして、大企業とタッグを組んで、産業に大きなエコシステムを構築したい、高い生産性でもって社会へ価値提供を行うことを、向こう10年はやりきりたい、という思いが強くなってきた。

何が必要か?

それをやるには、何が必要か?
言わずもがな「成果」。誰の目にもわかりやすい成果を1年で出す。
1年で出せる成果は、絶対量は小さくとも「再現性を伴う成果」である必要がある。


加えて、一定のリスクマネーも必要だと思っている。
いわゆる大企業と組んでエコシステムを新たに構築していくにはどこかのタイミングで空中戦を仕掛ける必要がある。大企業のB/Sからのマネーではなく、また必ずしもPEのように短期で回収できる取り組みばかりではないので、リスクマネーの供給源とゆるやかにつながる必要がある。
ここは今後具体的にどうするか?を検討したい。

最後に「質の高いWHY」
最終的に、チームの熱量を最大化するためには「なぜ、それをやるのか?」を解像度高く、ステークホルダーに答え続けられること、が絶対条件。
法改正の隙間をぬうようなビジネスは短期ではうまくいってもそこに意義がなければ3年で終わる。

こういうのが全て揃っている場所を作り、チームで1年後にまずは成果を出すことを決めた。
幸いにも、そういう場所を今まさに創ろうとしている方との出会いがあり勝手に運命を感じて、4月の助走期間を経て5月からフルコミットする。

幸い4つの産業において、大企業のしかるべきポジションの方と話が進みつつある。おそらく4月中には実施が確定し、5月からは全力で走ることになる。

もし興味を持ってくれた方がいれば、連絡ください。詳細をお話します。どういう形でもよいので方向性に共感いただける方、ともに社会をよくする取り組みをご一緒できればと思います。










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