安全性に問題はあるのか?アフリカマンゴノキはまだ使ってはいけない!

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一時、メディアなどを賑わしていた成分「アフリカマンゴノキ抽出エラグ酸」。

亜熱帯地帯に自生する高木の実の種子から抽出された、この成分が劇的に痩せると話題になりました。

しかし、アフリカマンゴノキにはまだまだ問題点が多くあります。ここでは、アフリカマンゴノキの安全性や疑問について考えていきたいと思います。

 【過激なダイエットに繋がる可能性】

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アフリカマンゴノキは、“痩せる”とされている成分です。

臨床試験でも結果が出ており、摂取するだけでみるみるうちに体重が減少していく…という夢のような効能が期待されています。

しかし、こういった甘い謳い文句に騙されてはいけません。まず、アフリカマンゴノキが安全かつ効果がある、と示唆する提出論文を確認してみましょう。

さまざまな問題点がある結果なのですが、もっとも驚くべきが体重減少について。アフリカマンゴノキ抽出エラグ酸を毎日3mg摂取した群は、なんと8週間で約6kgも体重が減少したのです。

そのほか、ケルセチン配糖体や烏龍茶重合ポリフェノール、ガレート型カテキン、葛の花エキスなどは12週間で1kg体重減少するかどうかという値。

それに比べて、わずか8週間で6kgも体重が減少するという結果はメチャクチャと言わざるを得ません。

仮にこの結果が本当であれば、ノーベル賞は間違いなし。本当であれば、世界中の肥満問題はアフリカマンゴノキのおかげですでに解決しているはずです。

【安全性にも問題がある】

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仮に、前述した結果が本当であれば、安全性に相当な懸念があると考えられます。

このアフリカマンゴノキは、食欲抑制に関連するレプチンという物質を活発化させるとされています。その活性化のカギを握っているアディポネクチンというホルモンの分泌量が、アフリカマンゴノキを摂取することで2倍以上増加するそうです。

当然、食欲が抑制されるのであれば食物を摂らないため体重は減少するでしょう。さらに、アフリカマンゴノキを摂取することでこういった糖質の吸収が妨げられるなど、メタボ防止にも繋がるとのこと。

アフリカマンゴノキ側はこういった耳障りの良いことばかりを伝えていますが、もし食欲が無くなってしまえば必要な栄養素を摂取できなくなります。

また、“痩せる”というキーワードは若い女性はもちろん、育ち盛りの10代女性などが敏感です。仮に、過度にアフリカマンゴノキを摂取することがあれば、健康問題が起こる可能性だってあるのです。

前述した通り、アフリカマンゴノキの科学的根拠における論文内容はずさんなものです。

安全性もはっきりとわかっていない状態で市場に出したり、その効果を誇大広告などでPRするのは危険過ぎるのではないでしょうか。

【安全性試験の疑問点】

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アフリカマンゴノキの効能などを示した論文には、安全性試験についても記載されています。

カメルー人を対象としたもの、日本人の過剰摂取試験など異常なしとされていますが、冷静に考えるとおかしいでしょう。

前述したように、アフリカマンゴノキはアディポネクチンの分泌量を増加させ、食欲抑制ホルモンのひとつレプチンを活性化させます。

過剰摂取を行なった場合、それが本当であれば食欲などが出ずに何も口にできず健康被害が起こっているはずです。

3日程度であれば我慢できるでしょうが、過剰摂取試験は通常の5倍量で4週間。通常状でも食欲抑制に効果があるのに、それを5倍飲ませるという試験自体もどうなのか、という話になってきます。

また、一例ではありますが変形性ひざ関節症と肥満のあるトルコ人男性がアフリカマンゴノキを摂取した際、急性肝障害と診断されたケースも報告されています。

特殊ではありますが、それでも何らかの病に罹患している人がアフリカマンゴノキを摂取した場合、何が起こるかわかりません。アフリカマンゴノキは、危険なのです。

【不透明な内容】

アフリカマンゴノキは、効果はもちろん、安全性についてもはっきりとわかっていない不透明な成分です。何かが起こってからでは遅過ぎます。アフリカマンゴノキの摂取は、まだ待っておいた方がよいでしょう。