せいかい

就職活動を行うなかで、
ふと、
今の教授がひらく会社で働けたらいいのに
と思った

もちろん教授は会社なんか立てないし、
おそらく今後も
持ち前のマイペースさで
大学にい続けるだろう

そんなことを考えていると
この研究室に入ると決めたときのことを思い出す

よく思い出す

決め手はひとこと、
なんでもさせてくれるから
という無責任な私の考えからだった

そのおかげかずいぶん遠回りをした
きついことも悔しいことも
たくさんあったけど
この研究室に入ったことを後悔したことは
いちどもない

教授に出会えたことが
私にとって
人生の財産である

これまでの人生のなかで出会った、
何とも言えない、奇怪、不思議、変人、
うーん、どれも当てはまらない、
どの感覚の枠にも当てはまってこないような
人物が2人いる
ひとりは父親
もうひとりが教授だ

なぜあのとき私は
ここをえらんだのか

今となっては、あのときの私の選択に
何重もの赤丸をつけてあげたいけど

なぜあのときの私は選べたのか

間違ってなかったと
人生で言えることはおそらく少ない

この研究室にはいったことが
私の人生のいちばんの大きいことだと言えるが

それが間違ってなかったと
はっきり思えるのは
すごいことなんじゃないだろうか

今いるすべてを否定したくなるときもあるけど
それでも揺るぎなく戻ってこれる場所があれば
大丈夫なんじゃないのか

浮いたり沈んだり
だけど、これと思えるものと
向き合えることがどれだけ嬉しくて奇跡なことなのか、
2年前とちがう今なら
わかってるんじゃないのか

わたしの6年間
正解かどうかはともかく
間違えじゃない、と思えているから
いまはそれでいい

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