菅義偉首相 第1回グループインタビューにおける日本学術会議をめぐる質疑応答文字起こし(2020年10月5日)


インタビュー実施者:北海道新聞・読売新聞・日本経済新聞
インタビュー実施日:2020年10月5日
音声・映像提供:畠山理仁「菅義偉首相グループインタビュー(2020年10月5日録音)」
https://youtu.be/Mue7ELDW6Wg
字幕作成:国会パブリックビューイング
※ 本映像は、畠山氏から上記の映像の提供をいただき、そのうち1:03-3:46の質疑と7:10-9:33の質疑部分を切り出して国会パブリックビューイングとして字幕をつけて提供するものです
参考映像:TBS NEWS【ノーカット】菅首相グループインタビュー(2020年10月5日)(該当部分は、冒頭から2:37頃と、6:02-8:23頃)
https://youtu.be/oXYA_-ffMKI

●記者
総理、北海道新聞のサトウです。今日はよろしくお願いします。

●菅首相
よろしくどうぞお願いします。

●記者
日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した理由は何でしょうか。
政府は人事の話として説明を拒んでいますが、任命拒否は過去にない対応で、学問の自由の侵害との指摘もありますが、どうお考えでしょうか。また6人が、政府提出法案に反対の立場だったことが理由なのでしょうか。
政府は1983年時点で、学術会議の推薦を受けて形式的に任命するとの立場でしたが、法律解釈を変更したのか、その変更に問題はないのか、お尋ねします。

●菅首相
これまでも、官房長官から会見で説明してますように、日本学術会議については、法に基づいて、内閣法制局にも確認の上で、学術会議の推薦者の中から、総理大臣として任命しているもので、個別の人事に関することについて、コメントは控えたいと思います。
まず、その上で申し上げれば、日本学術会議は、政府の機関であり、年間約10億円の予算を使って活動していること、また、任命される会員は、公務員の立場になること、また会員の人選は、推薦委員会などの仕組みはあるものの、現状では事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも、可能な仕組みとなっていること、こうしたことを考えて、推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか、考えてきました。
日本学術会議については、省庁再編の際に、そもそも必要性を含めて、その在り方について、相当のこれ、議論が行われ、その結果として、総合的・俯瞰的な活動を求めることになりました。まさに総合的・俯瞰的活動を確保する観点から、今回の任命についても、判断をさせて頂きました。こうしたことを今後も丁寧に、説明をしていきたい、このように思います。
またなお、過去の国会答弁、これは承知しておりますが、そもそも当時の、学会の推薦に基づく方式から、現在は、個々の会員の指名に基づく方式に変わっており、それぞれの時代の制度の中で、法律に基づいて任命を行っているという考え方は変わっていません。

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●記者
日本学術会議の先ほどの質問にちょっと、改めて聞きたいと思うんですけども、先程お答え頂いたんですが、とはいえ、独立の機関であって、研究者の中では、この学問の自由の侵害ではないかという指摘があります。これに対してのお考えとですね、あと、この6人の方の、政府提出法案に対する立場というものは、今回の人事と関係ないということでいいのか。あと、この人事は、総理に持ち込まれた案の段階では、既にもう6人を任命しないということだったんでしょうか。

●菅首相
あの、今申し上げました学問の自由とは全く関係ないということです。それは、どう考えても、そうじゃないでしょうか。
それと、先程私、申し上げましたけれども、まず、国の予算が、10億円あるっていうことです。そして、任命される会員は公務員の立場になります。そうした中で、その人選、推薦委員会の仕組みはあるものの、現状では、現在の会員が自分の後任を指名すること、このことも可能な状況になっているということなんです。
そういう中で、推薦された方々を、そのまま任命をする、この責任というのは、これ内閣総理大臣にあるわけでありますから、そこについて、前例を踏襲してよいのか、これは考えてきました。
そうして、先程も申し上げましたように、この日本学術会議というのは、省庁再編の中では、大議論を行ったところです。その結果として、総合的・俯瞰的活動を求めることに、これなってますから。
ですから、総合的・俯瞰的に活動を確保する観点から、今回の任命について、判断をしたということです。
今、6人の方について、いろんなことにありましたが(?)、そういうことは一切関係ありません。まさに、総合的・俯瞰的活動を確保する観点から、判断をした、これに尽きます。

●記者
法案は関係ない?

●菅首相
全く関係ありません。