好きを保つということ
先日、ネタジェネレーションという番組が放送された。好きな芸人さんがたくさん出て、ネタもトークも見ることができて、すごく良い番組だった。それを家族で見ていたのだが、ミルクボーイ、ニューヨーク、GAG、ぺこぱなど、私の特に好きな芸人さん達の出番が終わり、ついに私のお笑い好きになった原点のコンビ、NON STYLEの出番となった。ネタの導入部分で「お!サンパチでやってたネタだ!」と嬉しい気持ちでいっぱいになった。もちろん面白かった。
でも、ネタが終わった時、弟が「なんかノンスタって古くなったね」と言った。思考停止数分。いやいやいやいや第7に比べたらね、もう40だし。ノンスタは老若男女みんなに好かれるネタだし。なんて少し反論してその場は終わった。
そう言われてもう3日経つ。ずっと弟の言葉が頭をぐるぐるしている。それは多分いつからか分かっていたから。頭の片隅では私もそう思うところがあるということを。
NON STYLEを知ってもう12年。好きになって8年。M-1で初めて見た時、自然とこの人たちに優勝してほしい!と思った。それから何年か経ち、何となく借りたDVD「NON COIN LIVE」(埼玉スーパーアリーナのやつ)で心を撃ち抜かれてお笑いにハマった。好きになって3〜4年はノンスタに盲目でノンスタだけを追いかけていた。でも何年かお笑いを見ていると、他にもこんなお笑いがあるんだ、こんな芸人さんがいるんだって自分の好みの「幅」が広がってきて、色んなお笑いを見るようになった。そこで段々と気付いたことは、私はノンスタのようなポップなネタよりも、個性的で、文学的で、笑いながらも感心してしまうような、論理的なネタが好きなんだなーということ。ノンスタは面白いと思うけど、自分の好きなジャンルからは少し遠いなということ。勿論お笑いってネタだけじゃないし、コンビの関係性とかトークの面白さとか他にも魅力は沢山あるけど、ネタが好きになる1番の要素である私にとって、ノンスタが1番好きなのに、ネタは1番面白いとは思えなくなったそこの矛盾が、どうしても引っかかってしまう。それに気付いてながらも、ずっと気付かないフリをしてきたここ数年。本当は毎年毎年単独で新ネタ作って新しいことをやっているのは知っている。でも、ノンスタの漫才はシステムとかメタ的な要素の「新しい」じゃないから、新しいことやってるなっていう分かりやすい変化ではない。それこそTHE MANZAIの時の「ボケ多い」はメタっぽくて新しいことやってるって分かりやすかったけど、今は古いって思われても仕方ないなと思う。
話は少し変わるが、ここ数年、ノンスタの同期の活躍が著しい。M-1 2008で凌ぎを削ったオードリー、ナイツは再評価されている。充実してる感が眩しくてどうしようもなく羨ましい。
何より1番羨ましいのはダイアン。東京進出して、まだまだこれから売れてやるぞというギラギラ感も残っているし、2人だけのラジオに2人だけの街ブラ番組、2人だけのYouTube。あんなに2人でゲラゲラ笑って先輩たちからも可愛がられて上方漫才大賞まで獲って、ファンは幸せすぎやしないか(私もファンではあるけれど)。 ノンスタは、キングコングが東京に進出してからというもの、大阪で芸人から妬まれる対象となったから、そこまでの先輩との繋がりもない。ダイアンと千鳥の関係性のように、今さらノンスタを押し上げてくれる人はいない。
私が思っているのは、もっと野心を持ってテレビと関わってほしいということ。ネタで新しいファンを獲得するのは難しくなってきた。石田さんは舞台で生きていきたい人間なのは分かっているけど、井上さんの希望ももう少し叶えてあげてほしいのだ。井上さんは、きっとまだノンスタMCの冠番組を持ちたい気持ちがあるはずだし、私も見たい。石田さんは昔は大人数の番組だとどこにいるかも分からないし、一言喋れば良い方だったけど、井上さんの事件の時、1人でテレビに出ることが多くて、その時の立ち回りが素晴らしかったことをよく覚えている。コツを掴んだような、そんな印象だった。もう昔の石田さんではない。充分テレビにも順応できる。2人で本気を出せば、まだまだ希望はあると思う。私はナイツみたいに、ノンスタ冠のネタ番組とか持てればベストだなと思う。テレビ局の皆さん是非お願いします(まじで)
私は今、正直言ってノンスタの応援にそこまでの熱は入っていないし、活動を他のノンスタファンよりは追っていない自覚がある。それよりも見取り図や、かまいたち、ニューヨークなどを熱心に追いかけている。でも、大人数の某運動会のような番組の時、かまいたちが出ていても、私は気付けばノンスタ2人を目で追っている。「あれ、石田さんいなくなった、首痛めちゃったかな」とか「井上さん今日も浜田さんの横陣取ってるな〜」とか、本当に無意識に、ノンスタの2人ばかり気にしている。そこが本当にまだまだ私はこの人たちのこと好きなんだな、きっとこの先も、嫌いになんかならないし、ふとした瞬間にやっぱあんたらが1番だーー!!ってなる。長い年月をかけて好きを保つって、もう引き返せないところまで来てしまうんだな、と。古くなったなーと思ってしまうことに怯えながらも、結局単独ライブに足を運んでしまうから。
これからも2人が笑ってるところをずっと見ていたいし、おじいちゃんになっても漫才してほしいし、2人だけでトークライブだってしてほしいし、冠番組も見たいし、上方漫才大賞も獲ってほしいし、2人だけでラジオもしてほしい。まだまだ2人でやってほしいこと沢山あるよ。古いって言われても、ファンが減っても、問題起こしても、一生嫌いになんてなれないから。色んな未来をこれから楽しみにして、今日もあなたたちを好きでいさせてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?