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リバプールの風になった

かつて、新日本プロレスに山田恵一という小柄な選手がいました。

期待の若手でしたが、1989年の1月、遠征中のイギリス・リバプールで消息不明になります。

3ヶ月後の4月24日、アニメ「獣神ライガー」とのタイアップ企画として、プロレスラー・獣神ライガーが東京ドームで華々しくデビューします。

ライガーはその後、アニメの設定同様に変化を遂げ、獣神サンダー・ライガーとなり、以後、2020年の引退まで名レスラーとしてファンを魅了するのです。

デビュー当時、週刊誌のインタビューで山田恵一のことを聞かれたライガーの答えが、このタイトルの言葉です。

設定上、正体不明と言えど、どうあがいてもバレますし、知らぬ存ぜぬを通したところで、逆にシラケるだけでしょう。

この詩的な表現は、決して「寒いキザなセリフ」なんかではなく、そういった本質ではない部分を「そんなことはどうだっていいじゃないか」と思わせてしまうだけの力を持っていると思うのです。

言葉の力、詩の力を感じさせてくれる、素敵な言い回し…私は大好きです。

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