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現代川柳

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とりあえず見よう見まねでやってみる。
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2023年10月の記事一覧

川柳習作「交差点」 8句

四つ辻で躑躅を包む美人局 助手席にネオン感情交差点 丁字路を于字路モ字路に混ぜておく 喫茶店から交差点まで 交差点シマウマたちを呼んでみる 夢は覚めスクランブらない交差点 十字路で試すマイナスドライバー いつも別れた古い三叉路 まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「引退」 8句

当世に楊枝がないと筆を折る 金曜のたびに断髪式をする 退役の日にもどこかで銃の音 店を畳んだ河原の石屋 永田町去り際に吹く空っ風 帰国するレッサーパンダが檻を去る シャッターを下ろした世界に耳鳴り 髪を切っても先輩と呼び まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「パン」 8句

食パンで挟んだ指にマヨネーズ 月末の急な出費にカレーパン 人でなし明日はパン屋で立ち稽古 短パンからもはみ出た詩人 銃声が聞こえた時に食べるパン フライパン使って造る駆逐艦 米櫃の生まれ故郷のメロンパン 振り向いた時カメラを振って まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「空気圧」 8句

起きたての今日の私の空気圧 前輪に降圧剤を入れておく 空気圧使い圧迫面接を 高血圧な左足首 我が社ではこれが適正空気圧 ため息をそっとタイヤに流し込む ガソスタで測る命に低気圧 空気圧とかよくわかんない まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「案」 8句

五年前姿を消した案山子です また今日も日記に書いた予算案 拗ね顔も笑みも実用新案に お花畑も勘案しつつ 人という懸案事項抱え星 前職は耳の水先案内人 法案を通す気のないチワックス 答案を見る横顔を見る まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「エナジードリンク」 8句

タウリンという名の虫を飼ってみる 違うってただのビタミン剤だって カフェインで動く涙腺なのだろう 内服液に混ぜたうっかり 真夜中にドリンク剤の湖に 生薬の配合されたカップ麺 変人と呼ばれる必須アミノ酸 エナドリなんて無くていいから まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「偽物」 8句

先生に似て非なる影紛いもの ワタクシの海賊版のようなもの 戦前の劣化コピーですらなくて ドタバッタンのバッタモンかも 偽札でないと言い張る準備券 ニセモノと知らずに刺した注射針 贋作と見分ける前の春財布 ホントノキモチハグラカスヒト まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「停止」 8句

両親を冷温停止状態に 朝廷も活動停止なのですか 微笑みの停止ボタンが押せなくて 男の業務停止命令 田んぼでは営業停止だった人 税金で支払停止できるかな 昨日まで出場停止バスガイド 泣き止んだ顔一時停止に まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「ストーブ」 8句

ポケットにモバイル火鉢忍ばせる 原潜に薪ストーブはどうですか ストーブの上のスルメの焦げの黒 決算あとのストーブリーグ 思い出すダルマストーブ窓の露 西洋の辛子でガスのストーブを 最新の電気ストーブ付きスマホ 石油ストーブ係のふたり まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「夕刊」 8句

夕刊に書かれてあった極秘メモ 折り畳む余地を残した新聞紙 夕刊を取らずに浮かす紙の月 弔いの日に燃やす夕刊 頑張ってそこは軽減税率で 朝刊の見下しに耐え夜を照らす 生かされて夕刊の音起きました アイツそろそろ夕刊取りに まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「毒」 8句

明け方に食中毒になる岬 実際は猛毒だった月の裏 ポケットに毒も薬もありますよ 毒舌なのは春のせいかも 赤色の毒霧だけがいつまでも 水筒に消毒液を入れておく ドブ川に毒親なんていないから 服毒しても別にいいかな まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「名刺」 8句

読めないがゴリラの名刺なのだろう 故郷の友からもらう花名刺 尖閣に名刺の自動販売機 印刷用のデジタル名刺 先方の顔写真入り名刺入れ 猛吹雪食べる名刺でしのぐ夜 金メダル取った試合の名刺受け 名刺入れから落ちた肩書 まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「口実」 8句

口実の汁を絞って割るお酒 一昨日と昨日は法事今日は火事 雨の日も雪の降る日も来るお客 口実だけで逮捕しちゃうぞ 販管費込みの値付けとレジ袋 くたばれは元気でまたな別れ際 人生も国もシュリンクフレーション 部活や掃除そして校門 まつりぺきん 川柳 現代川柳

川柳習作「失敗」 8句

親からの赫い言葉の贈り物 そう言えば対義語だった山登り この世には存在しないはずの語彙 目指して出来ることではなくて 笑えると指をさされたおかげです 酒呑んでお酒を呑んで酒呑んで 失って敗けて初めてわかること 友達のままいればよかった まつりぺきん 川柳 現代川柳